あらすじ
天気予報が存在するたったひとつの意味、それは―――
仕事はできるが難のある性格が災いして派遣先をクビになった雲田彩(ルビ:くもたあや)。
彼女が新しい職場・気象庁気象研究所で出会ったイケメン研究官”雲王子”こと晴原柑九朗(ルビ・はるはらかんくろう)には、もう一つの顔があった。それは自然災害から人命を守るために活動する【SDM本部(特別防災対策本部)】の一員として災害発生現場の最前線で奮闘する姿で―――。
集中豪雨、河川氾濫、台風……。命を守るために、出来ることは、やるべきことは……!?
知恵と知識で気象災害から命を守れ! 気象災害に立ち向かう本格ドラマ! 出会いと誓いの第一巻!
【著者プロフィール】
著者:小沢かな
漫画家。イラストレーター。
青い空好きが高じて、自家用操縦士(上級滑空機)の資格を取得。空に関する作品を多く手がける。
著書に『ブルーサーマル- 青凪大学体育会航空部-』(新潮社)、気象絵本『せきらんうんのいっしょう』(ジャムハウス/イラスト担当)など。
講談社「ハツキス」にて『野々宮月子はいつも眠い』連載中。
Twitter:@kana_ozawa_blue
Facebook:@kana.ozawa.bluethermal
監修:荒木健太郎
雲研究者。気象庁気象研究所研究官。博士(学術)。
専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。
著書に『雲を愛する技術』(光文社)、『雲の中では何が起こっているのか』(ベレ出版)など。
小沢かなとの共著に『せきらんうんのいっしょう』『ろっかのきせつ』(ジャムハウス)がある。
Twitter:@arakencloud
Facebook:@kentaro.araki.meteor
「僕等の運命をわける その一瞬は突然訪れる
ときには残酷な爪痕を残し また逆にときには光射すような奇跡をも起こす
抗いたい 守りたい 忘れない」
未曽有の大型台風やゲリラ豪雨、それに伴う川の氾濫や洪水被害は珍しくなくなった今、この言葉がマンガの中の物ごととは思えなくなりました。
明日の通勤、週末のデート、来月の家族旅行など、天気予報に一喜一憂するなんてことは今までに死ぬほどやってきましたが、そもそも天気予報がなんのためにあるのか、そんなことは考えたこともありませんでした。今を生きること。その当たり前を守ることのために存在するのが天気予報だとは一度も。
綺麗に描かれた空、艶やかに表現された言葉の数々は本当に守らなければならないものを知っている人間によって作り出されていると思うと、災害に見舞われながらも生きていることの幸せ、その儚さの中にある美しさがより鮮明に見えてくる気がします。
感情タグBEST3
命を守る
この本を読んで天気予報が命を守る仕事だと認識した。
そして、天気予報に携わっている人達にあらためて感謝を伝えたくなった一冊だった。
ありがとうございます。
Posted by ブクログ
これ面白いやー。もっと専門用語とか小難しいのかと思ったら、助手のもう1人の主人公?の女の子の行動力とビシバシ言っちゃうのがスカッとする。次巻は秋だね、買おう〜!
Posted by ブクログ
気象をしっかり取り扱った世界初の漫画!
あらけんさんの監修もあり、気象の要素がしっかりと扱われており、読みやすいのにちゃんと勉強にもなる。また、扱っている内容がディープな分、自分の身の回りの災害や近年の気象災害への危機感があがるなと感じた。
漫画としても非常に面白く、一般の方でも十分楽しみながら読み進められる良書。
作者の小沢かなさんが言っていた通り、雨の向きや、表紙の色など事細かいことまでこだわり垣間見れて、それを知るとまた一層良い作品だなと感じた。
今の今まで食わず嫌いというか、まあ読む機会がなかったが、話を聞いて読んでとても好きな本になった。
Posted by ブクログ
生徒からの推薦で読みましたが、絵も非常にきれいなタッチで描かれていましたし、「異常気象」が発生する際にどのようにふるまえばいいのか、その現場に赴く研究者の視点というのは今までにない切り口だと思います。
やや現実離れした設定もあるように感じますが、自然災害をどうやりすごすのか、そこに腐心する主人公たちの姿は、応援したくなります。
「天気予報が存在するたった一つの意味」とはなにか、という主人公の問いは、日ごろ「洗濯物が…」とか「花粉が…」「頭痛が…」と一喜一憂するためだけのもののように感じていた私にとっても、改めて目を開かせてくれるものだったと思います。