木犀あこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
題や表紙から最初感じたエンタメホラーな印象より、登場人物の心情に寄り添った、ホラーらしくもありホラーらしくもない話で、面白かったです。
主人公コンビの掛け合いがくすりと面白いし、ホラーなシーンもぞくりと背筋に来るものがあって、楽しめました。細かくはどれもネタバレになってしまうのですが、怪奇(幽霊?)現象の解釈や文字・音に関するネタが物語を深くさせていて、怖いだけじゃない物語の結末が印象的。
難点は、私の記憶力が悪いのか、時間の都合でぶつぎりで読んだのが悪いのか、主人公コンビの珍苗字の読みが最後まで覚えられずに…。2人の能力に意味があるのかなと考えながら読んでいたのですが、本筋とはあまり関係が -
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Posted by ブクログ
ネタバレ「殺された」ことで死んでいながら「屍人」として活動できるように被害者。
人間に戻るには、自分を殺した犯人を怒りをもって糾弾すること。
同じく屍人ながら、屍人になった人物を救うべく、ぐちぐち文句を言いながらも活躍する探偵と、その助手の物語。
屍人のルールが細かくて面白かったし、3件の殺人事件それぞれの特色が違い、特に3件目の話は屍人のルールを逆手に取った話だったので、事件としては本当に面白かった。
一方で、屍人が人間に戻るさまが思いのほかぬるっとしていて、糾弾というほどのカタルシスがなかったなというのが正直な印象。
個人的にはもう少し振り切って欲しかった。
特に1話目は糾弾してたっけ?という感 -
Posted by ブクログ
東京の出版社で編集として働いていた櫻井は、今までの日常から遠く離れ、徳島を訪れた。
宿泊を予約していたのは、元刑事の阿久井が営む、一日おひとり様限定の秘境温泉宿「かくれが」。その宿に泊まる条件は、「世界一くだらない謎」を用意する事。
徳島を舞台にしたライトミステリー小説。
宿泊するためには「世界一くだらない謎」を用意しなくてはいけない秘境宿で、宿泊客たちの持ち寄る客観的には「くだらない」、でも実際にはそれぞれの心の深い部分に関係するようなささやかな謎を解いていく話。
ほんのり優しい気持ちにさせてくれる、コージーミステリ連作短編集です。
個人的には、三話目の「その席に座るな」が、お客さんの -
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Posted by ブクログ
ネタバレ自分から見てどんなに「くだらない」ことでも、相手にしてみれば「くだらない」とは限らない。
宿泊する条件として「くだらない謎」を用意しないといけない旅館の利用客は結局みな、決して「くだらない」と一蹴できるような謎を持ってきた訳ではなかった。
人は死なない、怪我人すら出ない、それでも利用客にとっては大切なものだ。
いや、「大切なものなのだ」ということに気付かせてくれる。
そんな一泊を用意してくれるのが、この物語の舞台である。
場所は徳島。
かの有名なかずら橋の近く。
あの橋、本当に怖い……お金払って怖い思いするのだから割に合わない(個人の感想です)
他にもジップラインや小便小僧など観光ネタを織り