あらすじ
おしゃべりで皮肉屋で奇態、屍人探偵・烏丸白檀、参上!
看護学校からの帰りの通学路で交通事故に遭い、意識を失った主人公・藍原剛力。目覚めたときには、体の機能が停止した“屍人”となっていた。“屍人”から人間に戻る方法は、自らを殺めた犯人を糾弾することのみ。探偵の烏丸白檀とともに犯人を探る藍原が突きつけられた“悪意”とは……!? 不意に死が訪れた人間たち自らの死の真相を明らかにするため、烏丸とともに彷徨する連作短編ミステリー。
第一話 炎と水死体
第二話 そこにない家
第三話 早すぎた埋葬
◆著者
木犀あこ(もくせい・あこ)
1983年徳島県生まれ。奈良女子大学文学部卒。
2017年『奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い』で第24回日本ホラー小説大賞優秀賞を受賞しデビュー。
◆イラスト
TAKOLEGS(タコレグス)
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Posted by ブクログ
「殺された」ことで死んでいながら「屍人」として活動できるように被害者。
人間に戻るには、自分を殺した犯人を怒りをもって糾弾すること。
同じく屍人ながら、屍人になった人物を救うべく、ぐちぐち文句を言いながらも活躍する探偵と、その助手の物語。
屍人のルールが細かくて面白かったし、3件の殺人事件それぞれの特色が違い、特に3件目の話は屍人のルールを逆手に取った話だったので、事件としては本当に面白かった。
一方で、屍人が人間に戻るさまが思いのほかぬるっとしていて、糾弾というほどのカタルシスがなかったなというのが正直な印象。
個人的にはもう少し振り切って欲しかった。
特に1話目は糾弾してたっけ?という感じだったし、他のも基本的に段々映像が変化していく系の戻り方だったので。