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グルメ界隈で噂の店、 歌舞伎町にある「美食亭グストー」を訪れた大学生の一条刀馬は、 悪魔のような料理長・荒神羊一にはめられて 地下の特別室「怪食亭グストー」で下働きをすることになる。 真珠を作る牡蠣に、昭和の美食家が書き遺した幻の熟成肉、 思い出の味通りのすっぽんのスープと、 店に来る客のオーダーは一風変わったものばかり。 彼らの注文と、その裏に隠された秘密に向き合ううちに、刀馬は荒神の過去に迫る――。
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Posted by ブクログ
食に対するトラウマや拗れを持ったお客さんしか通さない怪食亭グストー。 ここに来るお客さんの拗れっぷりが凄い。 刀馬くんが最初に食べた肉団子のパスタが美味しそうで堪らない...。 冷たい&厳しかったりする荒神さんだけど刀馬くんに特別な食材をこっそり食べさせたり、気持ちに寄り添ったりするから...続きを読む好き シリーズ化してほしいです
奇奇奇譚編集部シリーズから。 グルメ小説との売り出しですが、悪魔的な料理長、奇妙な料理、食をめぐる人間の光と闇など、ブラックな味わいのある内容です。ほっこり系のグルメ小説が多い中、かなり新しい試みと言ってもいいのではないでしょうか。黒い読み味が角川ホラーらしいです。続編も期待します。
美食といわれるものに、本当に美食があるのだろうか? 歌舞伎町にある「美食亭グストー」をおとづれた大学生の一条刀馬は、グストーの三十三代目の料理長、荒神羊一にはめられて地下の特別室「怪食亭グストー」で下働きをすることになる。 「怪食亭グストー」では、訪れる客のオーダーに応じた、一風変わった、しかし完...続きを読む璧な技術で調理される美食の数々が提供される。オーダーメイド料理を作る。荒神羊一は、客を罠にかけ、異様な体験をさせることに喜びを覚えているのだ。 大学生の一条刀馬は、底知れない飢えを抱え、世界中の珍しい食材を求めて食べ歩く「食魔」であり、その体験をグロテスクなゲテモノ料理を紹介し、ブログに書いて広告収入を得ていた。刺激的で、魅力的で、これまで食ったことのない料理を探す怪食ハンターだった。 彼はネットで知り合った男から渡された偽造チケットで「怪食亭グストー」を訪れるが、料理長・荒神羊一に一条刀馬は、その「命を投げ出した食材と料理人の血肉をエサにする下品なやり方」を即座に見抜かれる。 絶望のパスタ(スパゲティ・ウィズ・ミートボール)は、 多めの脂で香ばしく焼かれた大ぶりのミートボール、鮮やかな赤のトマトソース、パルメザンチーズの白とパセリの緑が映える、完璧なアルデンテのパスタ。隠し味として、日本国内の市場ではまず手に入らないナツメグの仲間「ニクズクモドキ」が大量に使用されている。これは少量なら肉の臭み消しになるが、大量摂取すると頭痛、吐き気、めまい、喉の渇き、そして強烈な不安感(バッド・トリップ)を引き起こす、文字通り「最悪の気分が待っている絶望のパスタ」だ。。 荒神は刀馬に「絶望のパスタ」を喰わせて合法すれすれの毒(ニクズクモドキの中毒症状)による猛烈なバッド・トリップを味わわせ、前の男の食い逃げ分とパスタ代を合わせた「313万5799円」の支払いを要求。払えない刀馬は、地下の厨房で下働き(雑用)として荒神に囲い込まれ、彼の狂気的な料理の世界に巻き込まれていくことになる。 一階のホールにある「美食亭グストー」で提供されるラムチョップの山 。強めのミディアムに焼き上げられた、焦げた肉の身ととろけるような脂肪を持つあばら骨付きの羊肉。客たちが豚のようにむさぼり食い、「吐くほどラムチョップを食った」というやましい記憶が頭と胃に焼き付くまでひたすら供され続けられる。満腹にするまで、貪るのだ。 第1話 一条刀馬がボーイとして対応した武藤家の「二年越しのサプライズ(復讐劇)」 ある日、地下の特別室に、53歳の父親の誕生日を祝うためとして、母親と娘(武藤綾)が「ちょっとしたサプライズ」を希望して予約を入れる。 父親の好物である中華や洋食の数々を豪快に平らげた後、メインディッシュとして、荒神が二年かけて取り寄せたという生牡蠣「ミカゲガキ」が父親の前に出される。父親がそれを食べると、口の中から次々と美しい天然真珠が転がり出る。 父親がはしゃぐ中、娘の綾は、かつて自分が家に連れてきた恋人・智哉のことを語り始める。 三重県飛魚出身の智哉に対し、父親は当時「いかにも田舎の子」「箸の持ち方がおかしい」「まともな店に行ったことがない」「その犬歯、親は歯の矯正をしてくれなかったのか、海外じゃ馬鹿にされるぞ」と、傲慢な態度で彼の育ちや容姿を徹底的に侮辱し、全否定した。父親はそれを「ちょっとした冗談、からかい」と言い訳しますが、智哉はその言葉に絶望し、故郷である飛魚の海に身を投げて自殺していた。 狂気に満ちた演出はここから最高潮に達する。荒神は怯える父親の肩を掴み、「食べなさい、あなたのために海から引きずり出された命だ」と最後の巨大な牡蠣を無理やり喉の奥へと押し込む。父親が激しく咳き込んで喉から吐き出したのは、ひときわ大きく歪な真珠に包まれた、人間の「犬歯のかけら」できた真珠だった。 智哉は生前、自分の体の一部(遺骨や装飾品など)を核にしてオーダーメイドの真珠を作る三重の養殖技術を荒神と共有し、二年がかりでこの「復讐の食卓」を完成させていた。 ネタバラシの後、実は自殺したという話すら嘘で、智哉は歯を抜いてまでこの復讐に協力しており、最後には綾の薬指に光る結婚指輪を見せつけて父親を精神的に完全に破壊する。自分のフィアンセを追い詰めた父親に、サプライズでびっくりさせ、苦しめる。料理長・荒神羊一は、そのような料理を提供して、悦にいっている。 第2話の客は、二井村安喜雄で、『奇妙奇天烈酒肴の摩訶不思議』という本を出している。二井村は、『天牛の腐肉』を探していた。それは、究極の熟成肉のことだった。天牛は、グラスフェッドの土佐の紅牛。それをキビヤックの手法で熟成させる。そして、二井村は、天牛の腐肉を食べたかったのかを料理長の荒神羊一が暴いていく。ビブリオ菌が悪さをする。 第3話 水曜まずいもの倶楽部。まずいものはなぜまずいのか?を追求する。前回は「近所のスーパーで売られていた惣菜シリーズ」だった。そして、まずいものとは、意外と難しいのだ。主宰は飯田浩司。なぜそれを始めたかったのかが、話の終わりの方で明らかになる。まずいものと言っても、ゲテモノは扱わない。地球上のいずれかの文化において、常識的に食されている料理。他の民族料理を否定しない。異なる文化を劣ったもの、理解できないものとして踏みつけてしまうような行為はしない。 日本で言えば、クサヤがあげられそうだ。シュールストレミングはスウェーデンなどで食べられている、ニシンを塩漬けにし発酵させた缶詰で、世界一臭いといわれる食べ物。やはり、出来合いの惣菜は美味しいとは言い難い。なぜなのか?はいまだにわからない。パプアニューギニアのサクサクという料理が出される。それは、単なる澱粉の味で、いかなる調味料も入っていない。結局、主宰者の飯田浩司が味覚障害で何を食べても美味しいと言えない状況であり、その原因があった。食のトラウマなんだね。 第4話 すっぽんは、与えた餌が味に映るといわれるということから始まる。エビを餌に与えたらエビの味がする。それが、人間だったら、すっぽんはどんな味になるのか? 荒神羊一の子供時代に家は貧しく、弟に料理を作っていたべさせていた。弟の要望で、グミを入れたカレーやサイダーで煮たラーメンを作ったりしていた。その生い立ちから、食によってみんなが豊かになってほしいと願うのが荒神羊一だった。料理の基本はそこにある。
最初はグロテスクだと思っていましたが、食に対しての歪みやトラウマを乗り越える視点になってから怖くなかったです。
噂の店にたどり着けば、借金を背負わされた。 連続短編になっていて、うっすらと 謎が残るような終わり方。 奇妙さと不気味さが、きれいに混ざっている内容かと。 しかし偽物チケットって、どんな感じなのでしょう? 本物なら反応、という時点で謎です。 そもそも本物を知らねば、偽物を作れないわけで…。 借金...続きを読むを擦り付けた紹介者は どこでそれを見たのでしょう? 父親の『ため』の晩餐、聞いた食べ物の再現 まずいもの、昔の記憶。 どれもこれも、奇妙な世界への入り口でした。
何気なく、美食・特別料理だけで買ってしまいホラーを見落としてしまった! 今の歌舞伎町は整理され清潔な町だけど、ほんの四十年前は、店の厨房の奥の扉から出て 迷路の先にある店とか、あったものね~。 読み辛い作品だと思ったら、うん?着地点はそこ?
料理ものでホラー文庫とは? と読む前は不思議に思ったものだが、なるほど。 いざ読んでみると、この異質な雰囲気はホラー文庫向きかもしれない。 出てくる料理は(一部例外はあるが)美味しそうだし、実際においしいのだろうが、食べる人たちが基本的に難ありで不気味さが漂う。 明らかに不気味という訳ではない。 見...続きを読むた目は普通に一般人なのに、中身が普通ではない。 何かしら傷を抱えていたり、トラウマとなってしったりで心が病んでいる。 父へのサプライズとして行ったことが怖い。 本当の不味い料理を追い求めた男のトラウマが怖い。 彼女が食べさせられたすっぽんスープのその正体が怖い。 外から見た印象の何と不確かなものかと。 この普通だと思ったら普通じゃなかったというこの不気味さ、下手な心霊ものより怖い。 何せ、実際にいそうだから。 よき隣人だと思っていた人が、実はこういう人だったなんて、知りたくもない事実だろう。 そういう意味では、料理長の方がよほど分かりやすい。 最初から変人で悪魔的だったから、裏がない。 最初から不気味さたっぷりだったので、他の登場人物より安心感が持てたほど。 (裏切りがないという意味で) ただこの作品が稀有なのは、後半からがらりと印象が変わること。 料理長と大学生バイトの仲が深まり、料理長の過去が分かってくると、ホラー的不気味さが鳴りを潜める。 代わりに本当の家族とは何かを考えさせらる物語へと変貌を遂げる。 この変化には驚いた。 不気味な料理ものを読んでいたと思ったら、泣ける感動系になろうとは。 どうしてこうなった。 こういう裏切りは想定していなかった。 お蔭で、料理長の株が爆上がりした次第である。 あれ? ともあれ、不気味さとミステリ要素もあり、最後は家族愛とは何ぞやと語り掛けてくる内容盛りだくさんな作品だった。 グロさはそうないが、ゲテモノ系に耐性ないと雰囲気的にしんどい部分もあるので、苦手な方は注意の上読むといいかと。
ホラー小説というよりも、ダーク寄りのミステリーという感じ。 もっとグロ展開を予想していたので、少し肩透かし。
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美食亭グストーの特別料理
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