木犀あこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレお能の舞台の空気感、「異界」感を文章だけでこれだけ表現できるのは凄い。
読んでいる間、昴が感じていたであろう空気を肌で確かに感じていた。
幽霊が生きている人間と同じように雄弁に語るのにも驚いた。
ましてミステリのごとく謎解きをしてみてくれないかと言ってくる幽霊がいるとは。
そんな彼らのために、幽霊と会話することしかできない昴が、それでも首を突っ込んでいくのは、お人好しだけでは済まない何かがあるのだろうなとは思っていた。
馬鹿正直に真正面からぶつかっていく、お人好しすぎる昴が抱えていたもの。
それが少し分かるのは、終盤になってからだ。
何となく幽霊を感じることはできても見えない、でも成仏さ -
Posted by ブクログ
ネタバレ料理ものでホラー文庫とは?
と読む前は不思議に思ったものだが、なるほど。
いざ読んでみると、この異質な雰囲気はホラー文庫向きかもしれない。
出てくる料理は(一部例外はあるが)美味しそうだし、実際においしいのだろうが、食べる人たちが基本的に難ありで不気味さが漂う。
明らかに不気味という訳ではない。
見た目は普通に一般人なのに、中身が普通ではない。
何かしら傷を抱えていたり、トラウマとなってしったりで心が病んでいる。
父へのサプライズとして行ったことが怖い。
本当の不味い料理を追い求めた男のトラウマが怖い。
彼女が食べさせられたすっぽんスープのその正体が怖い。
外から見た印象の何と不確かなものかと -
Posted by ブクログ
幽霊が見える臆病なホラー作家とその担当編集が究極のホラー小説を書き上げるために心霊事件に首を突っ込んでいく、といった内容でした。
ホラー小説……というより、ミステリを絡めたキャラクター小説でもあり、怖さを期待すると肩透かしを食らうかもしれませんが楽しく読みすすめることができました。
作家と編集というバディものであるとおり、作家と担当編集それぞれが抱いている悩みや葛藤などもテーマに盛り込んであり、そういったお仕事の関係者であれば少なからず心当たりのあるお話かもしれません。
究極のホラー小説を目指すというある種メタ的な目的に反して肝心の恐怖が薄かったところは残念ではありましたが、とても面白い小説で -
Posted by ブクログ
初めましての作家さん。
読友のMirokuさんにいただきました。
ある意味新しい・・・んだと思う。
声だとか、触れられたとかなら、よく聞く。
が、音とか匂いは聞いたことが無い。知らないだけか?
で、怖くないです。
っていうか、怖くなるはずのところで、そこから先に進まない。
ここで戸惑うわけですよ。あれ?って・・・
まぁ~本作は、現象が先にあっての謎解きみたいな感じです。
でも、たどり着いた答えがいいなぁ~と思ってみたり。
ただ、読んでいる時は、読みづらいと思ったんですよ。
文章が合わないっていうのかなぁ・・・
テンポが合わないのかなぁ~・・・
でも、これって読んだ後で来る。