大久保幸夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【内容】「他部門との調整をスムーズにしたい」「後輩をうまく叱るには」など、30代ビジネスパーソンが直面する悩みを解決するために必要な力が「基礎力」。ビジネス環境が激しく変化する今、専門知識や資格を身につけるよりも、どのような仕事をするにも役立つ、この「基礎力」こそが大事である。本書は、人材育成の第一人者である著者が「基礎力」の磨き方を解説。会社から必要とされる人材になるためのヒント満載。 (「BOOK」データベースより)
【感想】職業能力は、「基礎力」「専門力」に分かれる。そのうち「基礎力」は、「どのような仕事をするにしても必要な能力。職業能力の基盤となるもの」。
この「基礎力」について、丁寧に解説した一冊であり、30歳から成長するために、20代のうちに身につけるべき能力が、しっかりと整理されている。
さすが、人材育成に長く携わっている方の本で、参考になる。内容は、よくある自己啓発書というよりも、自己成長・人材育成に関する参考書のように感じた。
「基礎力」の内容は、多様であり多岐にわたるが、確かにどれも重要である。すぐさますべての力を身につけることができるとは思えないが、しっかり自己研鑽に励めば、身につけることができる力でもある。
誰もが、日々の仕事や活動の中で、少しずつ身につけているものと想われる。それを、しっかり認識して、意識的に成長できるようにすることが重要かと。
以下、「基礎力」の要約である。
基礎力の中には、「コンピテンシー」とよばれる(1)「対人能力」(2)「対自己能力」(3)「対課題能力」と、それに加え(4)「処理力」(5)「思考力」がある。
(1)人間関係を築く「対人能力」…①親和力(他者と豊かな関係を築く)、②協働力(目標に向けて協力的に仕事を進める)、③統率力(場を読み組織を動かす)
(2)感情を制御する「対自己能力」…①感情制御力(気持ちの揺れをセルフコントロールする)、②自信創出力(前向きな考え方ややる気を維持する)、③行動持続力(主体的に動き、良い行動を習慣づける)
(3)問題を解決する「対課題能力」…①課題発見力(課題の所在を明らかにし、必要な情報分析を行う)、②計画立案力(課題解決のために適切な計画を立てる)、③実践力(立案された計画に基づき、それを実際に行動に移す)
【引用メモ】
(P43)「キャリアデザインのためには三つの問いかけをを自分自身に対してすることが有効」→「何が得意か?」「何がやりたいか?」「何をやっている時に意味を感じ、社会に役立っていると実感できるか?」(組織心理学者シャインによる)
(P54)「思いがけない出会いの可能性の数を増やすような積極的な人生を追求することで、チャンスを自らつくることができる」(社会学者バンデューラによる)
(P77)「統率力の本質とは、自己と他者を接続する力だと言える」
(P96)「自己効力感を持たせることは教育の大きな目標であり、自己効力感のあるチームをつくることは企業組織の大きな目標でもある。」
(P119)「良い計画を立てることができれば、半分は課題解決ができたようなものである。」
(P169)「毎日の習慣として、200ワード程度の文章で1つの物事をまとめるようにすれば、論理的思考に磨きをかけることになる」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者がいっている通り平易な文章で読みやすい。スピードが出すぎて内容が右から左に抜けてしまうのでは??となるくらいです。
12の基礎力という整理の仕方とそれぞれの関連性はいまいちピンとこない部分もあるけど、ひとつひとつは確かに大事な能力であり、本当に必要なことだと思う。著者の豊富な経験をこの12個に集約・凝縮したのは伝わってくる。
また、それぞれの能力には開発すべき旬のタイミングがあって、それを逃してしまうと絶対NGではないけれど、キャッチアップするのが難しいこと、むしろある年代に達してからは特性が固まってしまうので弱みの克服でなく、強みの強化に注力すべき、というのはその通りだと思いました。 -
Posted by ブクログ
20070818
○失敗の原因を丁寧に分析して、ノートの書きとめておく
・繰り返した失敗が貴重な情報となる。
○ポジティブシンキングに変える方法
1) 学習支店でものを見る習慣
2)会議中に活用(論理整理ノート、専門分野ノート、理論を学習したときに図表化して整理
20090301
○技術とか資格とかではなく、もっと本質的に「いい仕事を、楽しくやる」ための「対人」「対課題」「対自己の能力について詳細に記載。
○キャリアについて
・専門家といえるほどの専門技術や専門知識を持つまでに至らず、ひとつのことをもっぱら繰り返しやることを職務として専任職レベルにとどまってしまいがちになる。
・専門家になることと、マネジメントをすることを対立的な概念としてとらえることは決して正しいことではない。
・専門分野をもつこととは会社の枠を超えて通用する専門分野を持つことです。
○キャリアの階段を純情に上がっていくと、どんな世界が待っているのでしょう
・自己概念がキャリア選択を方向づけるアンカー(船の錨)の機能を果たすようになる
?自分の強み、弱みとは何か
?自分の目標は何か
?自分の価値観とは何か
という問いかけを長年にわたって繰り返すことで自己概念が生まれてきて、自分の航路を間違えることなく進められるようになる
○12の基礎力とは
1)反応力(リアクション力)
・反応力とはコミュニケーション時にうなずくなどリアクションをうまくとる。反応力を磨くには「すべての話は質問するつもりで聞く」
2)愛嬌力
・柔和な表情や茶目っ気のある笑顔で人を引きつける力
3)楽天力
・仕事にはつきもののストレスに対して、自分に適した処理方法を持ち、戦略的に解消していく力
・ポジティブ・シンキング(前向き思考)でいれば、厳しい環境下にいても、他の人よりも感じるストレスは少ない。
・見通しの立たないことがストレスとなる場合には、ある程度やるべき仕事の枠組みが決まっていて、仕事の半分以上はルーティンワークであるような仕事を選ばざるを得ません。
・ポジティブシンキングに変える方法のひとつとして「学習視点」でものを見る習慣をつける。
4)目標発見力
・自らの仕事の目標を自ら提起する力。まず問題を発見し、その解決を目標とすることが一般的。
・「自立」というのは、「自己責任」という言葉とあわせて、企業が個人に求めるキーワードになっています。
・個々人の目標は、会社の掲げるビジョンや会社目標、部門目標に照らし合わせて、個々人で考えてくれという風潮になっています。
・「夢エネルギー」「問題発見スキル」が必要。この二つの力がある人は、今日の目標も簡単に設定できますし、人生の目標も比較的見出しやすい。
・「夢エネルギー」は目標を追いかけるという行動は習慣化するから、ひとつの目標を追いかけている人は、それ以外のことでも積極的になります。
・「問題発見スキル」は練習を重ねることで磨くことができるスキルです。構造は簡単で「あるべき姿」と「現実」の「ギャップ」を見つけるということです。
・日々の小さな業務でも30分で区切り目標をクリアしていくことで、目標設定癖がつくだけなく、集中して仕事を仕上げるクセや段取りを決めるスキルが向上し、山のような仕事を抱えてもパニックにならないようになる。
5)継続学習力
・必要な時に必要なことを学習する習慣。自然に毎日勉強する習慣化する。
・例えば年間150冊(2日に1冊のペース)以上、本を読むという目標から、量が多すぎて頭に入っていなかっても達成した後には、頭の中には確実にインフラとして残っている。多くの場合は達成前に挫折するから実感できない。
・学習の転移効果から1つのことをマスターすると、次の課題は比較的マスターしやすくなっている。
6)文脈理解力
・背景・文脈の異なる人との間で意見の調整をする力
・相手の発言の背景を想像する。相手を理解することから始める。
・論点整理の習慣をつける。⇒「論点整理シート」をつくる。それぞれ獲得したい論点は何か?どのような質問が想定されるか?などを1枚の簡単なメモにまとめておく習慣をつける。
7)専門構築力
・自分独自の強みを計画的に作り上げる力
・専門分野を構築するための重要な原則として「理論と実践の両方をバランスよく深める」ことです。実際にできる、と理論的に説明できることで専門といえる。
・重要な役割を果たすのが自らが作ったノートです。実践の中で疑問に思ったことや気づき、専門家に聞いたり、本で読んだりしたことを書き込みます。
8)人脈開発力
・ビジネスの仲間や情報源となる人を開拓し、その関係を維持していく力
9)委任力
・人に仕事を頼み、任せる力
・「自分でやったほうが早い」という悪魔の力
10)相談力(カウンセリング)
・相談される力。人の話を聞き、一緒に問題を考えていく力。カウンセラー方上司を目指して!
?同じ目標を共有することは、カウンセリングにとって極めて重要です。
?専門知識に基づいてきちんと説明する
?最終的には相手に決めさせる
11)教授力
・自分の持っている知識や技術を人に教え、育てる力
12)仲介調整力(コーディネート)
・物事を調整する力。仲介する力。推進する力 -
Posted by ブクログ
著者の提示する理想が高く、人生の午後も少し過ぎているような年齢の自分が読むと全然何も築き上げていないなと虚しさを感じる。会社での時間のカウントダウンとその後の人生への漠然とした期待やおそれを主体的にコントロールするにはどうすればいいか。
著者が言うように人生が続く間をなんらかのキャリアで埋めていくこともできるだろう。それは人生を有意義にするためのキャリアなのか経済的に必要となる仕事なのかでも大きく意味合いは違うだろう。全体的に経済的な理由で必要な労働とキャリアデザインという美しい考え方のギャップは感じる。キャリデザインを考えられるようなレベルに到達できる人はそれ自体で成功しているとも言えるだろうし。 -
Posted by ブクログ
「キャリアをデザインするということは、自分の将来に対してリーダーシップを発揮するということである」
「天職と呼べる仕事と巡り合い、自分を活かすことができたとき、それまでに経験してきたことが何一つ無駄ではなかったと思えるほどしっくりくる状態である。」
「筏下りのように、ゴールに価値を置くのではなく、懸命に目の前の仕事に取り組むプロセスに価値を置くことだ。その間にさまざまな仕事を経験し、人と出会い、基礎力を鍛える。その後は自分の専門領域をひたすら極める山登りに移行し、プロとしての頂上を目指してエネルギーを集中して、専門力に磨きをかける。この筏下りから山登りへの移行に成功すれば、キャリアの成功が見えてくる。」
「キャリアとは人生そのものである。人生の仕事的側面がキャリアである。」
「すべての過去を肯定してくれるもの、それが「天職」と呼んでもいいものなのである。」
「山を選ぶということは自分がじっくりと腰をすえて取り組んでもいいと思える専門領域を選ぶということに他ならない。」
「年間ハードカバー一五〇冊という目標を立てて意地になってやっていたことがある。しかし、振り返ってみればその効果は絶大であった。はじめは読んでも読んでも消えていく感じだったが、累乗の効果か、あるときからいろいろなものがつながって見えるようになった。するとどんな本を読んでも、自分の頭の中でストックする場所ができたようになって、活かせるようになったのだ。」
自分の人生の主人公は自分である、ということを言われたような気持ちだ。キャリアとは、人生そのもので、人生の仕事的側面である。なぜキャリア「デザイン」というのか。それは自分の人生を、自分自身の手で作っていくから、作っていかなくてはいけないからに他ならない。
私はここまでただただ流されて仕事人生を歩んできたし、そのことに対して焦りや不安を抱えていたが、それこそが必要な「筏下り」のフェーズだったのだ、と思えて安心した。ただ激流に飲まれて、苦しくて、沈まないように必死で日々生きてきた。私の進む道はこれで合っているのか、なんども立ち止まって考えようとした。が、できなかった。できるんけがなかった。なぜなら筏下りの最中なのだから。ただがむしゃらにもがき続けるので、正解だったのだ。今までの6年間を、まるっと肯定されたような気持ちだ。
転職する際に、父親に「教員はお前の天職だと思うぞ」と言われ、父は励ましのために言ってくれた言葉だと思うが、私はそんなのわからないもん、と悪態ついた。この本からすると、やはり天職であったかどうかはまだ決めきれないものだと感じた。なぜならこの本によると天職とは「すべての過去を肯定してくれるもの」だからだ。今までの全てのことが、全ての選択が私に取って必要なものだった、と思わせてくれる職。教員をずっと続けていくことが、私にそう感じさせてくれるとはとても思えない。これからも筏下りを続けて、最終的に登る山を教員に決めることはあるだろう。が、そのときには私の登るべき山と覚悟を決めて、頂上が見えた山を、気持ちのいい汗水垂らして登ることができるのだろう。
まだまだ筏下りの苦しみと楽しさの中にいることには変わりないが、少しずつゆるやかになる流れの中で、生涯をささげて登頂すべき山に出会うこと。
次なる目標ができることが、なんと幸せなことか。