町田健のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ソシュールと、彼の思想を引き継いだ言語学者たちの仕事について解説している本です。
日本を代表するソシュール研究者の丸山圭三郎は、主著『ソシュールの思想』(岩波書店)において、ソシュールの思想のエピステモロジーとしての側面に焦点を当てていました。丸山の考えるエピステモロジーは、科学的な認識の批判的検討を意味しており、そこではソシュールは、マルクスの仕事が経済学批判として解釈されるのと同様の意味で、言語学批判をおこなったと論じられていました。
これに対して本書で焦点が当てられているのは、通常科学としての言語学の中でソシュールの仕事が持つ意義を明らかにすることだと言えるでしょう。ソシュール以後の言語学者では、プラーグ学派のトルベツコイ、コペンハーゲン学派のイェレムスレウ、フランスのバンヴェニストとマルティネが取り上げられ、
現代思想には関心があるけれども言語学そのものには関心がないという読者の場合、ソシュール、チョムスキー、レイコフといった主要な言語学者の仕事についてのおおまかなイメージがあるだけで、言語学という学問の営みそのものの発展についての知識が欠けているということは、おそらく少なくないと思います。私自身もそうなのですが、そうした読者が科学としての言語学におけるソシュールの仕事の意義について知るためには、たいへん有益な本ではないかと思います。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
世界に存在する言語数は七千にも及ぶ。
単純に計算すると、一つの国で何と三十以上もの言語が使われていることになる。
その中から四十六の主な言語を取り上げ、成り立ち、使われている地域、話者数、独自の民族文化を徹底ガイド。
言葉を使うとは、単に他者に意味を伝達するだけではない、社会的なアイデンティティーを表すことでもある。
言語の奥深さ、多様さ、面白さ、そして社会情勢にかかわる背景などを紹介する。
[ 目次 ]
第1章 ヨーロッパ(スペイン語;ポルトガル語;イタリア語;フランス語;バスク語;アイルランド語;オランダ語;ワロン語・フラマン語;ドイツ語;ギリシャ語;ルーマニア語;セルビア語・クロアチア語;ハンガリー語;チェコ語・スロバキア語;ポーランド語;フィンランド語;スカンジナビア諸語;バルト三国;ロシア語)
第2章 アジア(タミル語;インド英語;シンハラ語;ベトナム語;ラオ語;ウイグル語;チベット語;モンゴル語;広東語;台湾語;韓国語(朝鮮語)
日本語)
第3章 中東、アフリカ(アラビア語;ペルシア語;トルコ語;アフガニスタンの公用語;チュルク諸語;グルジア語;クルド語;ヘブライ語;スワヒリ語;南アフリカの公用語)
第4章 アメリカ大陸、その他(英語;ケベックのフランス語;国連公用語)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
現代思想の原点がここにある。
コトバの本質を問う「ソシュール以後」の軌跡。
[ 目次 ]
第1章 ソシュールはこう考えた(コトバの本質を求めて―分析対象の設定 ソシュールが示した指針―体系と構造)
第2章 ソシュールの考えはどう継承されたか(最初のターゲットは音素だ―プラハ学派キーワードは関係性―コペンハーゲン学派)
第3章 花開くソシュール(具体的な言語事例を構造主義的に分析―バンベニスト コトバは経済的にできている―機能主義)
第4章 構造主義言語学の課題(疑いえない原理だけを基準に 構造の問題 ほか)
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Posted by ブクログ
「生成文法」で、言語学の世界に大きな変革をもたらしたチョムスキー。この本は、その「生成文法」を出来る限り簡易に書こうとしているように思えます。
なるほど、最初のうちはまあまあ分かりやすいような気もします。
ただ、やはり後半になって色々な専門用語が増えてくると意味がわからなくなります。θとか、ミニマムナントカとか。チョムスキーの生成文法をとらえるには、時間をかけて本を何冊も読まなければいけないと痛感します。それだけでも、この本を読む意味はあるのではないでしょうか。
すっきりと分かったのは、直接構成素分析まで。それ以降は手応えがありすぎてあまり読み解けなかったような気がします。
まだまだこれから。チョムスキーを甘く見てはいけない、と痛感しました。 -
Posted by ブクログ
46の言語について、その成り立ちや特徴、文化的・歴史的・社会的背景などを、1つの言語につき4ページでまとめて紹介した本。国際ニュース系雑誌の連載を新書にしたもので、それぞれ均等な分量でとてもきれいにまとまっている。
決して言語に関して専門的なものではなく、一般の興味をひく程度に紹介されており、聞いたことのない言語や全くなじみのない言語でも、抵抗なくあっさりと読むことができる。地図も載っており、世界旅行をしているような気分で楽しく読むことができた。特に興味を持ったのは、アイルランド語、チェコ語・スロバキア語、インド英語、インドネシア語、クルド語、ヘブライ語、ケベックのフランス語など。巻末に言語系統図や、「膠着語」、「母音調和」、「放出音」など、よく出てくる用語のちょっとした解説などがあわせて載っていれば、言語そのものに加えて言語学に対する興味を起こす本になったかもしれない。(09/04/11) -
Posted by ブクログ
ソシュールの構造主義から、構造主義を継承し発展させた言語学者たちの思想や理論についてわかりやすく解説されていた。ただ丁寧に解説しすぎてやや回りくどい印象も。
「体系」というものが単語間の中で特徴・意味の違いを見出すことのできる集合である点でヨコの広がりであり、一方ソシュールの指す「構造」は線状性をもつ文というものの中での単語の関係性であるという点で、タテのつながりであるのだ、と私は解釈し、関係性の中でコトバの意味が決まるという構造主義の考えへの理解が深まった。しかしやはり現代進んだ研究の至っても、コトバとそれが伝達する意味との関係を普遍的な理論で説得力を持って説明できてはいないようだ。
また、音韻論や形態論や統語論などのあらゆる分野について、大学の言語学概論で習った内容の多くは、ソシュールを出発点としていたのだ、とこの本を読む限りでは理解され、また概論で習った内容を再確認できた。しかし、この本はそうした概論で扱った文献にくらべ、専門性に欠けており、もう少し難しいものにも挑戦してもいいかな、と思った。 -
購入済み
スタートしたばかり!
未だ始めたばかりで評価はおこがましいですのですが、取り着き易そうな気がして居ります。実際の会話はこの様に話して、相手がどの様に受け取るか判らないですが、咄嗟の時に口から出ればマー良いか的に記憶のトレーニングの心算です。相手が質問して来た時は、理解しようと努力してくれるでしょうから。
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Posted by ブクログ
「科学としての言語学」を厳格に掲げる立場から、チョムスキーの生成文法を批判的に解説している本です。
生成文法の理論の変遷を簡潔にたどっていく形で説明がなされているのですが、そのたびに著者によるほぼ同趣旨の批判が繰り返されるので、若干うんざりさせられますが、批判の内容に関してはそれなりに納得できるものではないかと思います。著者自身が「科学としての言語学」としてどのような内容がふさわしいと考えているのかまったく知らないのですが、認知的なシステムの裏付けがないところで恣意的に統語論的な枠組みを想定するのは、やはり問題が大きいのではないかという気がしました。
とはいえ、本書のように著者自身の立場を鮮明に押し出した内容の本に、「チョムスキー入門」というタイトルを付すことには、やはり疑問なしとしません。「20世紀思想家文庫」というシリーズの一冊として刊行された田中克彦の『チョムスキー』も、イデオロギー的な批判に終始しており、どうも生成文法は一般の読者にも手に取りやすい入門書に恵まれていないのではないか、という気がします。