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深く考えてみるまでもなく、音声と概念とはまったく性質が違うものです。音声は波ですから見たり触ったりすることはできないにしても、とにかく物理的な実体であるのに対し、概念は決して物理的な実体とは言えません。それなのに、私たち人間がコトバを使う時には、その似ても似つかない2つのものを対応させています。しかも、その対応のさせ方は、同じ言語を使う人々であればまったく同じなのです。もちろんだからこそコトバを使って意味の伝達ができるようになっているのですが、これほど性質の異なる2つの要素を、同じ言語を使う人々がどうして正しく結びつけることができるのかは、考えてみれば不思議なことです。――〈本書より〉 (講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
ソシュールと、彼の思想を引き継いだ言語学者たちの仕事について解説している本です。
日本を代表するソシュール研究者の丸山圭三郎は、主著『ソシュールの思想』(岩波書店)において、ソシュールの思想のエピステモロジーとしての側面に焦点を当てていました。丸山の考えるエピステモロジーは、科学的な認識の批判的検討を意味しており、そこではソシュールは、マルクスの仕事が経済学批判として解釈されるのと同様の意味で、言語学批判をおこなったと論じられていました。
これに対して本書で焦点が当てられているのは、通常科学としての言語学の中でソシュールの仕事が持つ意義を明らかにすることだと言えるでしょう。ソシュール以後の言語学者では、プラーグ学派のトルベツコイ、コペンハーゲン学派のイェレムスレウ、フランスのバンヴェニストとマルティネが取り上げられ、
現代思想には関心があるけれども言語学そのものには関心がないという読者の場合、ソシュール、チョムスキー、レイコフといった主要な言語学者の仕事についてのおおまかなイメージがあるだけで、言語学という学問の営みそのものの発展についての知識が欠けているということは、おそらく少なくないと思います。私自身もそうなのですが、そうした読者が科学としての言語学におけるソシュールの仕事の意義について知るためには、たいへん有益な本ではないかと思います。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
現代思想の原点がここにある。
コトバの本質を問う「ソシュール以後」の軌跡。
[ 目次 ]
第1章 ソシュールはこう考えた(コトバの本質を求めて―分析対象の設定 ソシュールが示した指針―体系と構造)
第2章 ソシュールの考えはどう継承されたか(最初のターゲットは音素だ―プラハ学派キーワードは関係性―コペンハーゲン学派)
第3章 花開くソシュール(具体的な言語事例を構造主義的に分析―バンベニスト コトバは経済的にできている―機能主義)
第4章 構造主義言語学の課題(疑いえない原理だけを基準に 構造の問題 ほか)
[ POP ]
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