Posted by ブクログ
2009年10月04日
言語やコトバについて、日常生活でも話題になりそうな疑問、たとえば「チンパンジーやイルカもコトバを使うの?」や「『ら抜きことば』は悪いコトバなの?」、「フランス語が美しいって本当?」などなど、24の疑問に、言語学的な解答を与えるとすればどうなるかということを、町田先生の優しい語り口で答えてくれる本。
...続きを読む 言語学における、言語に対する基本的な態度や考え方を優しく解説したものではあっても、たくさんの専門用語が出てきたり、樹形図が出てきたり、理論を概説するものでもないので、この本を読んだだけで言語学が好きになるかどうかは実際に勉強を始めてみるまで保障できないが、少なくとも「言語学に興味が沸く本」であることは確かだろう。言語学を始める前段階の門前書といった感じ。
ただ言語学をまったく勉強したことのない人たちに、もし会話の中でこういう話題が出てきたら、その人たちを感心させるような解説が出来るかもしれない。特におれ自身の経験でも、「完全なる自動翻訳機は存在する?」や「どうしてコトバは変化するの?」、「日本語は覚えるのが難しい言語なの?」、「日本語はどこから来たの?」、「世界にはいくつの言語があるの?」といった内容は、バイト先や家族との話題に出たこともあるので、そのときにここに書いてあるようなことを言えたら良かったなーと思う。あと、最後には「本格的に言語学に挑戦したい人のために」というブックガイドがあり、言語学の入門書を中心に8冊紹介してあるのも役に立つ。