中井英夫のレビュー一覧

  • 新装版 虚無への供物(上)

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    昭和29年の洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司・紅司兄弟、従弟の藍司らのいる氷沼家に、さらなる不幸が襲う。密室状態の風呂場で紅司が死んだのだ。そして叔父の橙二郎もガスで絶命―殺人、事故?駆け出し歌手・奈々村久生らの推理合戦が始まった。「推理小説史上の大傑作」が大きい活字で読みやすく。 (「BOOK」データベースより)

    私が読んだのは、上下には分かれていませんでした。
    だから分厚くて、持つのが大変でした(苦笑)。

    面白く読みましたが、探偵役のみなさんの言動・行動が私には受け入れがたい部分が多く、また設定にも無理があるような気がしてなりませんでした。
    時代的な影響もあるとは思いますが。
    ヒヌママ

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    2014年03月30日
  • 新装版 虚無への供物(上)

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    印象的な表題は『風立ちぬ』と同様、フランスの詩人/批評家であるポール・ヴァレリーの詩篇から。三大奇書のうち他の二冊が1930年代に出版されているのに対して、本書だけは60年代と時代に開きがあるのは意外だった。作品内でも同じく三大奇書である『黒死館殺人事件』やノックスの探偵小説十戒、他の有名な推理小説への言及が幾度となく登場してくるのは本書をこうした推理小説の系譜へ位置づけようとする確信犯的行為なのだろう。鼻につく推理合戦も含め上巻を読んだ限りでは典型的なミステリの枠内に収まっているが、さて下巻ではいかに。

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    2014年02月08日
  • 新装版 虚無への供物(上)

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    ☆3
    昭和二十九年の洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司・紅司兄弟、従兄弟の藍司らのいる氷沼家に、さらなる不幸が襲う。密室状態のっ風呂で紅司が死んだのだ。続いて叔父の橙二郎もガスで絶命――。これらは事故か、殺人か?駆け出し歌手の奈々村久生らの推理合戦が始まった!


    「推理小説史上の大傑作」らしいけど、よくわからない。上巻しか読んでないからかな。
    身内が死んでるのに推理合戦って・・・とも思うし。
    それと文章がまだるっこしい。なんにしろ、下巻読むまでは評価できない・・・か?

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    2014年01月22日
  • 新装版 虚無への供物(下)

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    ネタバレ

    満を持して登場した牟礼田さんがあんまりにもあんまりだった件。
    含みのあることを言いつつ、すぐはぐらかすし。ぎぎぎ。
    久生さんよ、結婚はやめとけーやめとけー…と余計なことまで思いつつ。
    藤木田翁は結局下巻は出番が無くて残念。
    くどいけど、牟礼田さんのあとだと好感度が上がる不思議。ふっしぎー。

    引用される推理文学の、ポーや乱歩は全然読んでないので読んでみたくなりましたねぇ。
    コナン・ドイルも結構抜けてるの多いから、探してみようっと。

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    2025年05月28日
  • 新装版 虚無への供物(上)

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    ネタバレ

    緑の薔薇が存在しないとか、青い薔薇が輸入したてとか、時代を感じる作品。
    とはいえ矢車草のような青い薔薇は、まだ存在しないんだもんなぁ。
    なかなかにつけつけと言う久生さんがおもしろかったけど、共感はできない系。
    不思議の国のアリスになぞらえたり、かと思えば五色不動が出てきたり。
    目まぐるしくあちらこちらへ振り回される上巻でした。

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    2025年05月28日
  • 新装版 虚無への供物(上)

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    ドグラマグラ、黒死館殺人事件と並べて三大奇書と呼ばれると共に、後の新本格ミステリに大きく影響を与えた作品。密室、見立て殺人、作中作、推理合戦とこれでもかの山盛りさはさすが新本格の祖。次々に明らかになる事実と続く殺人と推理のイタチごっこは、以後の作品群を知っていると絶対二転三転するだろ、なんて思ってしまうのが良くない。確かに面白いけど、後半でどれだけ驚くべき真相を見せてくれるかで評価は変わってきそう。あとまだ「奇書」ってほどではないのも気になる。とりあえず下巻。

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    2016年01月17日
  • 新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館

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    ネタバレ

    うーん、正直期待外れでした。
    猟奇系のもっと毒のある話を期待してたんだけど、夢野久作や江戸川乱歩のような強烈な作品を読んだ後だとその辺で物足りなく思えてくる。
    文章に癖がなさすぎるのか、途中装飾過多な表現も多々見られたけどもテンポを悪くさせているだけというか。
    流薔園の話や、車椅子の男の話、「牧神の春」「邪眼」辺りは他と違ってテンポよく話が進んで気持ちがよかった。

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    2012年02月14日
  • 新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館

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    とらんぷ譚のⅠ(スペード13枚)。

    伝染しかねない陰鬱な狂気に心が折れそうになり、毒を味わい尽くすようには読めなかった。異常者が読者のすぐ隣にいるというようなありがちな結末に落ち着かず、狂気が闇の内に完結し、日常世界に住む者には見えない人外境が蔓延っている恐ろしさ。患者の語る物語は、現実と幻想が入れ子になり眩暈がする。

    好きな作品は、流薔園の薔薇が匂う「火星植物園」「薔薇の夜を旅するとき」、唯一明るいニュアンスで白昼夢のような「牧神の春」。

    ところで、Ⅰ(※マット紙)とⅢ(※コート紙)で表紙の用紙が異なるのは違和感がある。

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    2011年05月01日
  • 新装版 とらんぷ譚4 真珠母の匣

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    きらびやかな宝石の匣。だが開けてみると、肝心の宝石は消えうせ、赤い絹布の窪みだけが残っている。この匣は、虚とか不在と名づけられるべき、天与の贈りものであろうか。戦争の傷をその後の人生に刻した三姉妹を美しい宝石箱の虚になぞらえ、妖美壮麗の小説世界を築く幻想文学の傑作(「BOOK」データベースより)

    ミステリ色は薄いものの、イマドキのミステリ作家には書けない、独特の深い世界に魅了されました。

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    2010年12月01日
  • 新装版 とらんぷ譚3 人外境通信

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    相変わらずぶっとんだ文章書いてますね。
    読むのには体力がいるので、まだ読破してません。
    とりあえず、世界観が異なる場所で話が綴られているので
    幻想博物館よりかは読みやすいかな。

    幻想博物館の悪夢の連鎖を読んだあと、これを読んでいるので
    ちょっと身構えてます。1話1話を読んでますが
    どうも読むのが進まない。
    まあ、だいぶマシ?な感じもしますが、やはり病んでる。

    幻想博物館は下手なホラーよりホラー。
    真珠母の匣は読破できるのだろうか心配です。

    なんというか、非常に難解になるんですよね。
    文章自体は難しくないのですが、その世界観が
    酷く病的なので・・・。

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    2010年10月28日
  • 新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌

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    前作のとらんぷ譚からはまた変わった趣。各編もあまり独立したものではない。一ヶ月ごとサロンに届けられる手紙の話から魔性の少女の話を経て緩やかに時間旅行へと飛ばされる。前半では一青年の疎外感が色濃く表れた「暖い墓」、『お姉様』の誘惑を綴る「大星蝕の夜」が白眉。後半の作中人物を通して著者自身がぼんやり戦後を振り返るような展開は評価が分かれそう。それにしても(特殊な意味での)発展、という言葉をこの人の本で読むとは思いも寄らなかった。

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    2010年08月23日
  • 新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌

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    うーん。
    独特の世界観を醸し出す文体はとても好きなのだけれど、
    話の展開があまりにも突飛すぎてついていけませんでした。。。

    世代が違えばとらえ方もまた違っているのかもしれませんね。

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    2010年04月20日
  • 新装版 虚無への供物(下)

    購入済み

    虚無への供物で認知症悪化

    何回も同じことや、登場人物がニックネームで書いてあるのか、本名で書いてあるのか、私の頭では、頭の中が余計に混乱した。それも虚無なのかなー

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    2018年08月05日