中井英夫のレビュー一覧

  • 新装版 とらんぷ譚3 人外境通信

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    ネタバレ

    人外(にんがい)。
    それは私である。


    幻想文学の金字塔的存在、中井英夫『とらんぷ譚』の三巻目である。ハートのこの巻は、『人外境通信』と命名されているが、これは江戸川乱歩の長編小説、『孤島の鬼』の中の「人外境便り」の章へのオマージュなのだろうか、とまず考えてしまう(実際、創元推理文庫版の『孤島の鬼』の解説文には、中井英夫の名前がある)。しかし、あくまでこの感想には関係がないので、ひとまず疑問のままにしておこう。

    感想としては、個人的大満足の『幻想博物館』にはやや劣るが、それでも幻想的で馨しい薔薇の馥郁たる香りが感じられる、やはり圧巻としか言いようがない珠玉の短編たちだと思う。連作小説み

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    2021年12月16日
  • 新装版 虚無への供物(下)

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    日本三大奇書の一つ。なんだかんだで初読み。存在自体はだいぶ前から知ってはいたが「アンチミステリ?それよりも正統派の本格ミステリが読みたいやい!」といった感じで中々手が出せなかった。しかしいざ読んでみるとその読後感は正統派の上等な本格ミステリを読んだ時とさほども変わらず。むしろ違うベクトルで本格ミステリを追い抜いているといったところ。真犯人の動機は確かに高尚すぎるだろうが、それでもその犯人の言葉は今現在を暗喩しているような気がしてならない。

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    2021年08月22日
  • 新装版 虚無への供物(下)

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    様々な推理や要素が出てくるので、頭の中で整理しながら読み進めないと、何が真実でどれが本筋と関係があるのかわからなくなる。
    紛れもない名作で面白かったのは確かだが、全て理解出来たかどうかは全く自信がない。
    とりわけ最後に語られた真相も本当なのだろうかと疑いたくなってしまうような作品だった。

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    2021年07月11日
  • 新装版 虚無への供物(下)

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    ネタバレ

    読み終わってすぐの感想は、あんまり奇書感無かったな。と。
    で、アンチミステリと言われる所以は、突然作中作が挿入されるところと、クライマックスで蒼司が亜利夫を始めとする探偵ポジションの登場人物たちを痛烈に批判するところかと思ったら、ネット上の見解では事件が起こる前に推理合戦が盛り上がるところを指してるらしい。
    私自身はどれもトンデモ推理だったから「この話大丈夫?」としか思えなかった。
    ちょっと抱いた感覚を間違えちゃったみたい(笑)。

    舞台となっている1954〜55年の実際の社会事件を取り入れながら物語は進むんだけど、語り口が少し後世から振り返ってる視点なので、ちょっと分かりにくい。もう少しスト

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    2021年06月02日
  • 新装版 虚無への供物(下)

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    ネタバレ

    下巻に入って一気に面白くなる。牟礼田は相変わらず思わせぶりなことを言うばかり。最初から最後まで人のよいアリョーシャがあわれ。黄色い部屋の謎も読まないと。読者が犯人とされる小説と聞いてどんなカラクリだろうと思ったのだが、事件でもないものを事件と騒ぎ立てる探偵やそれを喜ぶ読者に対する批判と読み取ればよいのかな。なるほどアンチミステリーであり奇書である。

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    2021年04月02日
  • 新装版 虚無への供物(上)

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    ゲイバーから物語は始まる。面白そうな予感。
    ちょっと思い込みが激しいヒロイン久生。久生にいいように使われるアリョーシャ。このコンビで謎解きするのかと思いきや、事件の関係者を含めての推理合戦。
    思わせぶりなことばかり言う久生の婚約者も登場。
    下巻へ。

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    2021年04月02日
  • 新装版 虚無への供物(下)

    購入済み

    地図を見ながら、氷沼家はこの辺で、アラビクがここでと確認しつつ読む。地図が悪いのか、そーゆーもんなのか、残念ながら五色不動を結んだ線は西荻窪には至らなかった。ただ辿り着いた近くが、牟礼という地名なのが気になったけども。
    二回読んで、あらためて「そう、たぶん同じつもりなのであろう」というフレーズにしみじみとさみしくなった。いつか向島の桜を見に行きたいなぁ。

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    2021年01月16日
  • 新装版 虚無への供物(上)

    購入済み

    冷静に読むと随所に伏線があり、この本を奇書たらしめる準備は既に序章で完成していて、思わず感嘆。普通のミステリー感覚でいた初読時にモヤモヤさせられた推理くらべも、今読むと別のフラストレーションを生まずにはおらぬ。
    ところで、真名子肇って十蘭の『魔都』の登場人物と関係あるのかな?

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    2021年01月16日
  • 新装版 虚無への供物(下)

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    ネタバレ

    三大奇書のうちの一冊を、やっと読んだ。
    ずっと、いつか読まなきゃと思っていて、竹本健治の『ウロボロスの基礎論』を読んで、いよいよ読む時が来たと、読まなくちゃいけないと思って、読み始めた。

    アンチ・ミステリーというものがどういうものなのか、わかったような、わからないような。私にとっては、そういう呼ばれ方、ジャンルってあんまり関係ないのかも。
    ただ、推理小説というもの、謎があって、それをどうにか解こうとする人たちとそれに付随する物語が好きなんだなと思った。

    最後の告発、すごい迫力だった。
    蒼司の告発も、牟礼田、久生のも、全部……。
    推理小説を揶揄したり自嘲したりで「意外性を狙って探偵が犯人、犯

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    2020年10月09日
  • 新装版 虚無への供物(下)

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    派手さはないしトリック自体はありきたりな感じだったけど、色んな推理が出てきては消えるところとか、メタ的な要素が出てくるところとか、話がうまく構成されていて一気に最後まで読んでしまった。ミステリとして、というより完成された本として楽しめた感じだった。

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    2020年05月24日
  • 新装版 虚無への供物(上)

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    ドグラマグラの次に読む奇書としてかなり警戒してたが、ドグマグとはうってかわってかなり読みやすい。上巻は謎を振り撒きまくって終わった感じがあるので、下巻に期待

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    2020年05月24日
  • 新装版 虚無への供物(下)

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    ネタバレ

    上下巻の感想。
    途中まではついていけてたと思うんだけど…
    色んな人がいろんな推理をして、それが全部覆されて、結局…あー、アンチミステリってそういうことか、と納得するも何かすっきりしない。
    藍ちゃんがかわいかったり、蒼司の鎖骨が美しかったり、そういうところばかり気になってしまう…

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    2019年05月28日
  • 新装版 虚無への供物(下)

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    ネタバレ

    登場人物の一人にすごくイライラしながら読んでいたので、下巻ラストの犯人の告白にはスカッとした。と同時に、あの犯人は私自身(読者)のことも指摘したように思う。物語とはいえ私も安全地帯から事件を眺めているので私だってお化けであり、また虚無の一部であるんじゃないかと…。現実の世界で私はお化けになっていないだろうか?もしなっているとすれば、お化けじゃない存在になるためにはどうすればいいんだろう?

    あと謎が一つ。犯人は自身のしたことを「別の意味で[虚無への供物]といえる」と語っているけど、この意味をあまり理解できていない。この本のタイトルが使われている台詞なのですごく重要だと思うのだけど…お化けがいる

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    2018年12月27日
  • 新装版 虚無への供物(上)

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    ミステリー成立の条件に対して懐疑を挟むことで、アンチミステリーになっている作品であると理解しました。
    ミステリとは死者が生じ、事件となり、探偵が介入し、読者が楽しむという体裁をとる。しかしこのアンチミステリは逆に、娯楽を求める読者がいるから推理(合戦)があり、事件や死者があることを主張する。読者の視線と欲望を作中に登場させ、全体として入れ子構造の作品となった。また、戦争による膨大な死に慣れてしまい、洞爺湖事故などをはじめ戦後の大小の事件事故に対し、人々の感性が麻痺しているのではないかという危機意識を読み取ることもできる。

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    2017年01月16日
  • 新装版 虚無への供物(上)

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    読むのは三度目か。
    三大奇書のうちでは、最も整然としている。文章も読みやすい。もちろん骨董的な印象はあるが、発行した年月日を考えるととてもハイカラで現代的だと思う。
    そして、作風がなお一層現代的。
    社会風潮に動機を見出だし、アングラな流行を掘り下げ、古典的なガジェットを前衛的に散りばめる。加えてこの完成度だから、明日発行されても話題を集められる。
    長く読まれて然るべき作品。
    4-

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    2016年09月23日
  • 新装版 虚無への供物(上)

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    ネタバレ

    「どんな花でも、どれか一色欠けている。」

    三大奇書と言われている本の1つ。
    そう言われていなければ手に取らなかったであろう。

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    2016年08月07日
  • 新装版 とらんぷ譚3 人外境通信

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    やや失速気味だが。
    「幻想博物館」同様、連関のない短編集。
    あちらよりもコント色が強い。
    しかし冒頭の「薔薇の縛め」は最高。
    オチは驚愕に近い。

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    2016年07月13日
  • 新装版 虚無への供物(上)

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    三大奇書。ドグラマグラが5分の1、黒死館が3行くらいで挫折した身としてはむちゃくちゃ読めました。しばらく、難しいのかなぁと思い後回しにしていた一作、普通にというか結構面白かったです^^アンチミステリとして有名ですが、今のところはTHEミステリ、贅沢三昧、とはいえ普通。事件について複数の人間が推理を述べる部分がほとんど。ですが、ミステリ好きでホームズかぶれした方や、ヘンリー卿を名乗ったりする方が現れ、なんか「遊んでいる感」が否めず…。この辺りが、アンチたる所以なのかなぁ。ということで下巻へ。

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    2016年01月11日
  • 新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌

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    失踪した友人を探す内容かと思ったら、異次元のような不思議な時間旅行のお話し。短編によって主人公が変わるので最初読みにくかったりもしますが、内容は面白かった。

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    2015年08月28日
  • 新装版 虚無への供物(上)

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    ネタバレ

    素人探偵がそれぞれ解答を持ち寄るが、どれも奇妙なものばかり。真の探偵が登場と思いきや、よくわからない解決となる。下巻は、どう展開するのだろうか。

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    2015年07月18日