中井英夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
中井英夫文学忌、黒鳥忌
タイトルに「黒鳥の〜」があったと思うけど
ご本人さんがご自宅を「黒鳥館」と呼んでいたかららしい
1974年第二回泉鏡花賞
骨牌譚Ⅱスペードを
「虚無への供物」を読むには まだ早いかなと
雑誌「太陽」連載作品
目次にある月は 発行月ですね
トランプのように13話
向田邦子さんの「思い出トランプ」が、似たような構成でおしゃれだなと思っていたけど
もしかしたらこちらの方が数年古そう
ゴシック調の洋館で開かれるサロン
令嬢の妖しい誘い
十人の客
二人の失踪
反現実から ふと現実へ戻るのかと思っても
再び異空間へ
わかりません
耽美が好きとか言ってごめんなさい
わかるのではなく感じれば良いのかという事で
最後の作者インタビューも もう少し中井作品を読まないとわからないし
ただ、この方もっとクールな計算高い人かと思っていたけど それは少し間違っていたかも
影山修司を発掘し
三島由紀夫の原稿を取りに行き
太宰治とも交流を持ち
芥川龍之介とはご近所だった
という その時代の文学と関わった方
-
Posted by ブクログ
ネタバレ思ってもいない方向に話が進む、良い意味でつかみどころのない一冊だった。気づけば知らない道を歩いている気がして、何度も後ろを振り返るような読み方をした。
一番お気に入りなのは『薔薇の獄 もしくは鳥の匂いのする少年』だった。薔薇園で夢見心地の時間が過ぎ、この不思議で不気味な少年の正体が分かったとき、不可解な現象も認めざるを得なくなる。悲しく甘美な短編だった。
幻想と耽美の世界だと思って読んでいたら、いつの間にか時間旅行に惑わされている。昭和の戦後の風景が今そこで見てきたように生々しく、生き生きとした生命力も感じられて、突然そこに放り込まれた時間旅行者と同じ体験ができているのではないかと思った。
これを仕掛けた母娘は、真の意味では誰にも崇拝されていなくてひどく虚しい後味が残る。 -
Posted by ブクログ
小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」は、どうにか読み終えたものの、理解出来ずに撃沈!
次は、日本三大ミステリのもうひとつ「虚無への供物」。
「推理小説史上の大傑作が大きい活字で読みやすく!!」の言葉に励まされて読んでみました。うん、確かに読みやすかったです。しかし、ミステリの醍醐味だと思う「すっかり納得できる」と言うものとは全然違うんですね。解説でも、アンチミステリーだと書かれていました。何か胸の中にモヤモヤを抱えたまま最後を迎えてしまいました。とくに、重要な探偵役と思われた牟礼田俊夫の行動(謎はすっかり解けた、それを君たちに話す前に云々…)にはモヤモヤ、モヤモヤ。
やはり私は沈没でした。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「虚無への供物は、それでも次々と葉を噴き出していた。その葉も白緑に若々しく、縁のギザギザだけがうっすらと紅い。とげはまだオルゴールの針に似て固いが、これもすぐ蜜蝋をたらしたように透きとおってゆくのであろう。」
凶鳥の黒影。1955年。洞爺湖転覆。連続火災。奇怪な事件。密室に次ぐ密室。存在しない花の組み合わせ、五色の不動尊や色との不気味な暗合。
緑司や玄次の死、アイヌなど、大して種明かしはなく偶然や思い込みで片付けられてしまって、トリックが一貫した動機の解明と満足感があるかというと、そうではない。また、登場人物の会話と推理がすぐれているかというとそうでもない。推理小説としてより幻想文学として、言葉や巧みな隠喩と、洋楽や他の文学作品の知識に裏打ちされた世界観が次々と繰り出される様で、不在と予感のうちに事件が幕を閉じる、咲かないままに抜かれる薔薇「虚無への供物」のような小説があってもいい、そういう意味での「奇書」なのかと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミステリ好きとしては伝説的な本作をなんだかんだではじめて読みました。感想は上下あわせてのものです。
なんというか・・・ところどころ楽しく面白く読んではいたんですが、読み終わってみると「ピンとこない」の一言・・・ですかね。まあ序盤からしてミステリ好き達が実際の事件をおもしろおかしく話しまくってるのを見てどことなく不謹慎さを感じつつも「そういう時代だったのかなあ」と思っていたらそれこそが・・・という。最後になって急に登場人物に糾弾されましたが「いやお前が言うな」という気分に。
あとミスリードな部分とか探偵役の思わせぶりな話とかがさすがにちょっとしつこく感じましたかね。
ところで自分が読み逃してしまったのか理解が及ばなかったのか・・老人ホーム火災の「一人増えた遺体」は結局誰なんでしたっけ?? -
Posted by ブクログ
ネタバレ【ネタバレあり】
とりあえず読んだだけでいっぱいいっぱいだった初読時よりは内容を理解できた…と思う…けど、正直どこまでが事件の本筋だったのか、あやふやな感じです。
紅司の殺害現場に意味ありげに洗濯機の中から出てきたゴム毬ですが、犯人いわく「なぜそんなことをしたのか、自分でも説明できないが、そうせずにはいられなかったから」という、力技にはちょっと笑った。なんじゃそりゃ。
ミステリ的には疑問に思うところもいっぱいあったけど、この小説の暗くて妖しい雰囲気はとても好き。
犯人は狂ってると思ったけど、一番恐ろしいのは牟礼田なんじゃないかという気がしました。
読者として読んでいる分には素人探偵たちの推理合戦は面白いけど、事件当事者としたら実際の事件をオモチャにされて引っ掻き回されて、たまったもんじゃないだろう。この小説の時代から60年以上経った今読んでも、ラストの犯人の台詞にはどきりとさせられる。新聞やテレビで報道される事件を、推理小説を読むように、心のどこかで面白がってはいないだろうか。ステージをネット上に変えて、現代の「虚無」が生み出されていくのだろう。 -
Posted by ブクログ
新装版で再読。
初読がいつだったかと過去の登録を見てみると、2011年の丁度8月だった。当時の感想を読み返してみると「一度読んだだけでは理解できてないところも多いけど、とりあえず今は読みきったという達成感でいっぱいです。」と書いてあった。さて、8年経った今再読してみて、すごい!ほとんど忘れてる!!…というわけで、ほぼ初読のような気持で読みました。
氷沼一族周辺に降りかかる災難と殺人事件を素人探偵たちが引っ掻き回し、牟礼田登場で解決へ進むかと思いきやさらに話がややこしくなって行きます。なんでそうなるんだ?なんでなんだ…?すべて分かっている風の牟礼田の焦らしっぷりにはイライラさせられる。
最後の大オチだけは覚えているけど、どのようにそこに繋がって行くんだったっけ…下巻に続く。 -
Posted by ブクログ
日本三大奇書。『ドグラ・マグラ』に続いて読んだ。
ネタバレしそうなので、前情報などは見ずに読み始めた。上巻を読み終わった今の状態だと、面白い本なのかどうかはまだ分からない。でも、不思議な感じがする。
・舞台は1954年(昭和29年)の日本か?この年に発生した事件がいくつか出てくる。自分が生まれる前なので、どれも初耳。ネット検索してみると、どれも世間を騒がせた大事件だとわかった。
- 二重橋圧死事件
- 第五福竜丸事件
- 黄変米事件
- 洞爺丸事件
- 鏡子ちゃん殺人事件
- カービン銃ギャング事件
・「アラビク」というゲイバーが出てくる。下谷・竜泉寺にあるとか。ゲイというのが物語にどう関わってくるのかは、よく分からない。
・江戸川乱歩『続・幻影城』に収録されているという「密室トリック集成」というのが登場する。実在するものらしい。あまり考えたことがなかったが、ミステリーというのは様式化されていて、ルールのようなものがあるようだ。この作品は、それを逆手に取っている??
・密室トリック集成を見ていると、ミーハーな自分は名探偵コナンを思い出してしまう。あー、アニメで同じトリックがあったな、と。
・この本を読み、知らない単語を調べているうちに「アンチ・ミステリー」、「メタフィクション」という単語を知った。なんとなく、壮大な作品な気がしてきた。
・殺人事件が起こり、それに対する推理が展開されていく。でも、推理する人たちは真剣に事件を解決しようという感じではない。ひたすら推理するのが好きな感じ。その違和感が、この作品の不思議さの原因か?
引き続き下巻も読んでいく。どう展開するんだろう?