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泉鏡花文学賞に輝く鮮やかな言語魔術。精緻な構想による幻想の宇宙体――ゴシック風の豪奢な洋館のサロンで開かれる賀宴の出席者は、10人の客とサロンの女主人、そして令嬢・柚香。そこで語られるのは、現実と非現実をあざなう奇譚の数々。ことばの錬金術師として当代随一の著者が、鮮やかな言語魔術と精緻な構想を駆使、幻想の宇宙体を作る、連作とらんぷ譚2。泉鏡花文学賞受賞作。
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Posted by ブクログ
再読。
とらんぷ譚の第2集にあたるこの本では、「幻想博物館」の反世界的な耽美的作風を引き継ぐように始まります。全体を通したテーマは「時間」。しかし、徐々に当初の予定から変節し、中井英夫本人の戦後に対する複雑な心境が徐々に前面に出てくるようになっています。
言って見れば幻想小説からはじまった連作短編集がいつの間にか私小説に近づいているかのような印象で、ある意味では短編集としては破綻しています。
しかし、この本の面白さはまさに著者の思考に引きずられて物語が方向性を失っていくその危うさであって、破綻しているがゆえに価値がある小説とも言えると思います。
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小説・文芸
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