中井英夫のレビュー一覧

  • 新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館

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    気付いたら一つずつ繋がってる短編たち。
    精神病院を舞台に、誰が患者なのか分からなくなる怖さと面白さが詰まっていました。

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    2015年07月13日
  • 新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌

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    幻想博物館よりも各ストーリーの連なり方や時間の流れが難解で…もう一度、頭の中を整理して読み返したい。

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    2014年06月04日
  • 新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌

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    幻想博物館と比べたら、個人的にちょっと読みにくかった気が。話が難しかった、が当たっているかな。登場人物が沢山出てきてしまったら頭の中で整理できなくなるの、どうにかしたいです……ドッペルゲンガー、時間旅行等、モチーフはやっぱり素敵。

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    2013年04月04日
  • 新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌

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    『とらんぷ譚』シリーズ第2巻の連作長編。
    泉鏡花賞受賞作。
    『虚無への供物』や『幻想博物館』のような稠密な完成度ではなく、むしろ中井英夫らしい、幻想の「柔らかい連なり」による長編。

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    2012年07月05日
  • 新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌

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    戦後にまつわる連作幻想短編小説。
    サロメのイメージ、
    タイムトリップ、
    愛し合う二人の美青年、
    いれちがう人々。

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    2012年03月10日
  • 新装版 とらんぷ譚3 人外境通信

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    再読。「とらんぷ譚」第3巻にあたる作品です。
    今までの2巻と同じで、各短編が独立していながら通して読むとひとつながりの物語になるような連作短編集の形をとっていますが、完成度や統一感と行った部分では前2巻にはやや劣るかもしれません。

    とは言え、「笑う椅子」のような傑作もあり、全体に漂う耽美性と病的な妄念に取り憑かれた人々をどこか共感を持って語っているあたり、並の短編集から抜きんでた出来になっているのは間違いありません。

    猫をテーマにした「青猫の惑わし」「夜への誘い」2篇の不気味で奇妙な味も好みです。

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    2012年02月19日
  • 人形たちの夜

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    丸ごと『中井英夫全集《2》黒鳥譚』に
    収録されてしまったので、うっかり忘れていた(^^;)
    人形をモチーフに、
    春夏秋冬、様々な職種の人々の愛憎劇が描かれる。
    暗号パズルを織り込んだ「秋」の部が怖い。

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    2012年05月27日
  • 新装版 とらんぷ譚3 人外境通信

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    ぼーっと毎夜少しずつ読んだが、この読み方をしたせいで時間軸があやふやになってしまった。大事な仕掛けを見落としたような。

    中井英夫は一気に読んでしまうのがよい。

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    2013年01月12日
  • 新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌

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    再読。
    とらんぷ譚の第2集にあたるこの本では、「幻想博物館」の反世界的な耽美的作風を引き継ぐように始まります。全体を通したテーマは「時間」。しかし、徐々に当初の予定から変節し、中井英夫本人の戦後に対する複雑な心境が徐々に前面に出てくるようになっています。

    言って見れば幻想小説からはじまった連作短編集がいつの間にか私小説に近づいているかのような印象で、ある意味では短編集としては破綻しています。
    しかし、この本の面白さはまさに著者の思考に引きずられて物語が方向性を失っていくその危うさであって、破綻しているがゆえに価値がある小説とも言えると思います。

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    2011年12月31日
  • 新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館

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    とある精神病院の少し変わった患者をめぐる短編集。
    最初は少しインパクトにかけるなと思っていたが、それぞれの話がリンクしてて最後にはやっぱりうまいなと思ってしまう。
    読んでいる間、日常を忘れて異常な世界に浸れます。

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    2011年11月22日
  • 新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌

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    ネタバレ

    昭和48年。「夢魔の館」にいるという失踪した青年からの便りを緒に、令嬢柚香(ゆのか)の犯罪記録と瑠璃夫人の時間旅行体験が明らかになる。2人によって24年前の戦後へ送りこまれ精神病院に閉じ込められた木原直人は、地上の半身を呼びよせ戦後から脱出する。

    残酷な仕方でしか男を愛せない柚香の存在感が際立ち、主人公木原を含め、男たちは影のように現実と非現実をさまよう。彼女がどのように罰せられるかに期待したが、肩すかしをくらった。
    木原の時間旅行後、現実と非現実は反転を繰り返し、いくつものパラレルワールドに分身が存在するような、更にはここにいる自分が借物でしかないような存在の不安に読者も巻き込まれる。夢野

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    2011年11月04日
  • 新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館

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    ネタバレ

    日常から唐突に非日常につきおとされる、
    幻に想いに狂う人々の姿と謎を集めた短編集

    独立している短編小説のようで、
    帰結する先が"流薔園"という名の精神病院、
    隠されたリンクが繋がるミステリの巧さ。

    特に「黒闇天女」や「蘇るオルフェウス」などは、
    刻々と真実に迫っていく構成がお見事。

    かと思えば「チャペンデールの寝台」では、
    ブラックユーモアの様なおかしみのあるオチさえ見せる。

    「実は語り手が狂ってた」ような末路が多いがそれぞれ切り口は個性的、
    さらに多次元的な繋がりに気づけば、読めば読むほど面白くなっていく。

    日常から狂気への幻惑される描写も丹精で、
    プロットの技

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    2011年07月21日
  • 新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌

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    幻想的、という一言だけでは済まされないほど
    いろいろな多層世界を行き来する物語。
    短編の物語をめぐって物語りは終了するのですが
    特に「大星蝕の夜」 と「薔薇の獄」が好きですね。

    ネタバレになりますが
    終盤から、戦後の生々しい光景が出てきて
    そこが幻想譚から、一気にリアルへ終息する感じがしました。

    作者さん本人の戦争に対するトラウマが書かせるに
    至ったのだろうな、と思いましたがソレを入れたのは
    本当に正解だったのか 難しいところです。

    幻想的かはともかく、中井さんの書く本は
    個人的にはこの作品が一番好きですが。

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    2010年10月28日
  • 新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館

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    「虚無への供物」が好きなので、作品の中の薔薇、風呂場、洗濯機、ガスなどの言葉ににやりとしてしまう。 思いのほか読みやすく、あっという間に本の世界に引きずり込まれた。 とても印象に残る作品ばかりで、この本を読むことができてよかった。

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    2010年05月30日
  • 新装版 とらんぷ譚3 人外境通信

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    うんうん。やっぱ短編の連作のほうがしっくりくるなぁ。
    暗黒な世界観はあいかわらず  いい!!

    ただ「幻想博物館」に比べると、完成度が今ひとつかも。

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    2010年04月28日
  • 新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館

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    登場人物の誰が正気で、誰が狂っているのか、不安になる。不気味で美しい世界。「黒闇天女」や「チッペンデールの寝台」が良かった。笑うには不謹慎だけど、滑稽さがたまらない。

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    2010年09月02日
  • 新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館

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    ぞっとする瞬間がたくさんある。一人称の幻想の世界に入り込んだところで、ふいに客観的な視点まで引いてしまうような。壮快なだけではないどんでん返し。

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    2010年03月23日
  • 新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館

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    ひねったはなし
     短篇ドグラ・マグラ的なもので、よくできてはゐる。
     でも、腹落ちはしない。
     凝った仕掛けの技巧小説が結構ある世の中をかんがみれば、まあ、そんなもんか。と思ふ。

     精神病院も一時代を築いたモチーフだったが(夢野久作、トーマス・マン、北杜夫など)、ただの流行りだった。
     

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    2025年03月15日
  • 新装版 虚無への供物(下)

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    周りの人間の推理合戦がうるさい。
    本筋と関係ない適当な推理がてんこ盛りで話がややこしい。と思ってイライラしていたけど、それ自体が作者が仕込んだテーマだった様です。

    殺人事件という不幸な出来事をエンタメとして楽しむ周囲(読者含む)の不謹慎さ。
    周囲の存在がミステリー作品を求めてまた架空の殺人事件が作られる!よく無い!

    って事らしい。
    でもでもだってしょうがないよ!みんな人間関係の噂話が大好きで、殺人って人間関係の終極地点なんだから。そりゃ興味津々で聞きたくもなるよ。

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    2025年01月15日
  • 新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌

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    中井英夫文学忌、黒鳥忌
    タイトルに「黒鳥の〜」があったと思うけど
    ご本人さんがご自宅を「黒鳥館」と呼んでいたかららしい
    1974年第二回泉鏡花賞
    骨牌譚Ⅱスペードを
    「虚無への供物」を読むには まだ早いかなと

    雑誌「太陽」連載作品
    目次にある月は 発行月ですね
    トランプのように13話
    向田邦子さんの「思い出トランプ」が、似たような構成でおしゃれだなと思っていたけど
    もしかしたらこちらの方が数年古そう

    ゴシック調の洋館で開かれるサロン
    令嬢の妖しい誘い
    十人の客
    二人の失踪

    反現実から ふと現実へ戻るのかと思っても
    再び異空間へ
    わかりません
    耽美が好きとか言ってごめんなさい
    わかるのでは

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    2024年12月10日