柳宗悦のレビュー一覧

  • 民藝とは何か

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    民藝の美の特質。

    ①実用性。美と用が結合していること。用と結びつくことで健康的な美を体現している。
    ②大量につくられること。進んで安くたくさんつくることで、ますます美を生み出す道を見出す。
    ③平常性。極端なものに美を見出すのではなく、日常、飾らない美。
    ④健康性。上等な美術品はどこか病的である。
    ⑤単純性。
    ⑥協力性。

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    2025年02月12日
  • 民藝とは何か

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    柳宗理を先に知って、彼のエッセイ読んだ後で彼の父である柳宗悦のこの本を読んだんだけど、もうあれね。父ちゃん圧勝!

    柳宗理もすごいけど、それとは比較にならないくらいの柳宗悦の思想の真剣さ、熱さよ。郷ひろみも真っ青の、アーチーチーアーチー具合。

    民藝とは関係はないですが、美術が何かわからないという理由で美術芸術を敬遠している方、読んでみてください。きっとあなたを励ましてくれるはずです(私は励まされた)。

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    2022年11月06日
  • 沖縄文化論集

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    【沖縄文化論の草分け論集】
    明治政府による廃藩置県で琉球王国が滅亡し沖縄県とされたのは、1879年である。日本で沖縄文化研究の本格的な気運をつくったのは民俗学の創始者の柳田国男だった。柳田は南島こそ日本文化の源流と見ていたのだ。柳田の『海南小記』に刺激されて、折口信夫も沖縄を訪ね、『琉球の宗教』を書く。他方、民芸運動の主唱者柳宗悦は、沖縄における「民衆芸術」の営みを愛でた。
    本書は、柳田、折口、柳をはじめとする沖縄文化論の草分けの論考が詳細な注記とともに読みやすい形で提供されている。返還50周年を機に、沖縄の文化を見つめ直すのに格好な本である。
    柳田「日を経て南の風の吹く頃には、遙かなる常夏の

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    2022年10月14日
  • 民藝とは何か

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    実際に日本民藝館にも訪れてみたが、日々使われて用をなすことで価値が生まれる民藝品を通じて、「なくてはならぬもの」という存在から美とは何だったのか考えさせられる。
    今の自分の生活の中で日常に溶け込んでいるあらゆるものを見直したい。

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    2022年04月04日
  • 民藝とは何か

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    アートとサイエンス、人間と機械、定性と定量、be or have、よく語られる最近の二分に共通する、民藝と貴族的工藝。この視点で読むととてもわかりやすい。

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    2022年02月20日
  • 民藝とは何か

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    かなり哲学的というか思想色が強い内容だった。疑問は、現代には民藝の思想は残っていても「民藝」は残りえないのではないか、ということ。希少性はなく量産するものである、という特徴は、民藝品をつくることがとても少なくなった今、民藝品の物理的数にそもそも希少性がでてきてしまっているのではないかと思ってそれは民藝と言えるのかなあと。現代における民藝品の位置付けを知りたい!!

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    2022年02月09日
  • 民藝とは何か

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    国立近代美術館で柳宗悦没後60年の「民藝の100年」という展示や、近所の日本民藝館に行ったことなどもあり、民藝に興味を持って手に取った。
    柳宗悦は、ロダンを中心とする汎神論的な芸術の受容からキャリアをスタートしているが、彼の民藝評には汎神論的な感覚を感じる。なぜ民藝が美しいかと言えば、それは「用」の美。なにかに用いられるということを想定された美しさなのである。近代の美術において評価されてきた貴族的な品物と民藝と比較すると、前者が有想(想像を巡らせ、意匠を凝らすこと)であるのに対して、後者は無想であり、より清い境地にある。また、前者が意識なら、後者は無心、前者が主我ならば後者は忘我の境地であると

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    2021年12月18日
  • 民藝とは何か

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    名もない人が、生活のために拵えたもの。

    過剰さも、個性もいらない。無駄なものがないからこそ、美しい。

    わたしは、芸術なんて無駄なもの、ないならないで過ごせるもの、個性的で唯一無二のもの、でもなかったら、寂しくて自分の心が求めるもの。という風に思っている節がありまして、

    その対極にあるものが、民藝なのだろうと。

    わたしは今、そのような民藝にとても強く心を惹かれています。

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    2019年05月19日
  • 手仕事の日本

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    柳宗悦(1889~1961)著「手仕事の日本」(2015.6)、原本は1948.6に刊行されたそうです。「手仕事」から視た日本の姿を描いたもので、同時に、郷土という存在が大きくクローズアップされています。関東が相模、武蔵、安房、上総、下総、常陸、上野、下野で、山陽道は播磨、美作、備前、備中、備後、安芸、周防、長門。九州は筑前、筑後、肥前、肥後、豊前、豊後、日向、大隅、薩摩と。そんな説明も嬉しいです。子供の頃は、結構馴染んでいたんですw。その土地その土地の手仕事に思いを馳せながら、地理と歴史を感じました!

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    2018年04月16日
  • 民藝とは何か

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    ・・・・・書きかけ・・・・・


    柳宗悦は、49年前の1961年5日3日に72歳で亡くなった思想家・美学者・宗教哲学者。

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    2011年09月14日
  • 民藝とは何か

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    柳宗悦の考える『美』について書かれています。

    彼曰く、
    ・華美な装飾や高級なだけの工芸美術品は美しくない
    ・無駄を省いた実用性のある民芸品が美しい
    そんなことを言っています。

    本書を読んだ時は、工芸品と民芸品の定義がうまく飲み込めず、混乱しました。
    DIYで作ったものは?こけしや赤べこなどの置物は?振袖は?無印良品・ユニクロは?国宝が作ったもの・クリエイターが作ったものは?
    どれなら良くて、どれなら悪いのか、よくわからなかったのでマトリクスを作って思いつく限りのクラフト品をあげてみました。
    そうすることで、柳宗悦が高価なクラフトや装飾の見事な着物などを全て否定しているわけではないということ

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    2025年09月30日
  • 民藝とは何か

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    民藝とは何か、なぜ民衆的工藝を顧みるべきなのかが、とてもよくわかる。

    宗教学者の見地から、キリスト教や仏教と関連付けながら、民衆的工藝がなぜ美しいものであるのか、と説明する箇所は論理的で理解しやすいのだが、感情的な筆致も相まって肝心なところで筆者の主観の域を出ない書き振りのところがあったところは否めない。またそうした感覚的な論旨を補強するためか、力技的に同じような話をさまざまな角度から何度もくどくど書き連ねている印象も多々受けた。

    それを考慮に入れても、意義深い書籍であることには変わらないとも感じられた。

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    2025年01月21日
  • 沖縄文化論集

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    沖縄事前読書週間4冊目。沖縄文化論は個人視点で面白かったが、こちらはこちらで包括的感があってよかった。年代も古いものが多いが、押さえるべき評論や議論の流れの数々なんだろうなと。
    琉球の宗教(折口信夫)をお勧めされてから手に取ったのだけど、柳田邦夫やら伊波普猷やらも読めてよかった。『月と不死』やはり読まないとなあ。

    そのほか「南島の入墨(針突)に就いて」、「尾類考」が面白かった。本当はここら辺も深めたいんだけど、一旦沖縄シリーズはこちらで終わり!

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    2024年11月04日
  • 民藝とは何か

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    そもそも高価な貴族的な品物の、ほとんどすべてに見られる通有の欠点は、一つに意識の超過により、一つに自我の跳梁によるのです。一言で言えば工夫作為の弊なのです。

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    2024年07月14日
  • 民藝とは何か

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    日本の民藝についての第一人者である柳宗悦による美の論説。本書で語られる柳の主張は、一切の反論の余地も与えないようなものでは確かにない。例えば創意工夫が美を損ずるとか、僅少で高価であることはそれ自体が不完全であるとか、絶対にそうとは言えないのでは、とその論理づけにおいて指摘したくなる部分は少なからずあった。
    しかし柳の功績は貴族趣味的なものばかりがやたら有り難がられて、日用品が工芸品として評価されていなかった風潮に待ったをかけて、用の美というキーフレーズでいわゆるクラフトの価値を土俵に上がるところまでに押し上げたところにあると思う。現に日本のクラフトデザインの歴史を柳抜きに語ることはできないであ

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    2024年06月30日
  • 民藝とは何か

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    まさに「民藝」の入門書として、提唱者の柳宗悦より平易な表現で、分かり易く解説されている。
    「民藝」は、明治近代化の中でしばしば登場する概念であり、その影響力から、言葉としては認識していたが、体系的に理解できたことは収穫。
    このように原則論を読んでいると、時代を超えた普遍性があり、現代においても意識すべき概念ではないかと思う。

    以下抜粋~
    ・用が生命であるため、用を果たす時、器は一層美しくなってきます。作り立ての器より、使い古したものはさらに美しいのではありませんか。

    ・廉価であるということが、実に美を増す大きな基礎なのです。安いものであるから、強いて美を盛ろうとは工夫していません。

    ・無

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    2023年10月21日
  • 蒐集物語

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    柳宗悦の蒐集に対する愛を感じた一冊
    分かるなぁと思う部分が多い一方で、
    蒐集にまつわる様々な病気は自身も気をつけようと
    指南書的な役割も果たしてくれました。

    単一的な蒐集ではなく、統一性のある蒐集を目指して
    自分の直観を大事に、選ぶ。
    直観=新鮮な印象、をしっかり磨いて
    「守る蒐集」ではなく「創る蒐集」へ

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    2023年10月11日
  • 新編 民藝四十年

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     岩波文庫の『民藝四十年』をやっと入手できたと思ったのも束の間、ちくま学芸文庫から『民藝四十年』が刊行された。本書は新編増補版。刊行にあたってとの編集部の文章が付されているが、それによると、1958年に刊行された宝文館より刊行された『民藝四十年』の目次には柳自身による書き加えがあり、改訂の考えがあったらしい。本書はそれら15編の論考を新たに増補したもの。
     かなり厚い本になったが、確かに柳の言わんとしたことが、より具体的に分かりやすくなったように思う。

     「美の法門」では、仏教の教えが今一つ良く理解できなかったが、詳しくその考えを論じた「無有好醜の願」、「知」るよりも前に「観」ねばならないと

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    2023年09月19日
  • 民藝とは何か

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    駒場にある日本民藝館を訪問し、何冊か購入した中の一冊。
    民藝が好きで、民藝運動を興した柳宗悦さんやバーナード・リーチ先生らが好きで色々な作品を見たり読んだりしてるけど、そもそも民藝とは、という事を柳宗悦先生より直接教えていただいている様な感じがして楽しかった。
    民藝の価値をここまで高めた功績は偉大だ、と感激します。

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    2023年07月02日
  • 民藝とは何か

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    読んでおかないとという本。同じ主張がずっと繰り返される。用と美と利。用を追求すれば美に至る。組合的な組織で、無心に、数多く作るのが大事。国の文化が豊かになる。利を追求した大量生産は画一的、効率的で美をうまない。
    美術品と工芸品の対比は正直よくわからない。どちらも美しいと感じるものはあると思う。

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    2021年11月29日