柳宗悦のレビュー一覧

  • 手仕事の日本

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    柳宗悦による民藝案内書。
    手仕事で作られたものは、それが手仕事であるがゆえに美しい。実用のために作られたからこそ、そして使い込まれたからこその美しさは、まさに柳の言う「健康な美しさ」なのだろう。
    「品物の良し悪しを定める標準は、それがどれだけ健やかな心と体との持主であるかを見ればよいわけであります。」(pp.263,ll.2-3)
    そのような点で、品物も人間も同様だとの観点は、するりと自分の中に入って行った。審美眼なるものを持たない自分にもわかりやすく、まさに案内書。
    芹沢銈介の小間絵も楽しい。惜しむらくは、本文に該当するところに絵が入っていないことか。敢えてなのだろうが、読者の視点も忘れない

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    2011年02月05日
  • 民藝とは何か

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    『民藝とは何か』、『日本民藝館について』、『民藝の性質』いずれも似たようなことを言っていると感じた(おそらく多くの人が同意してくれると思う)。
    だから、読み進むうちにだんだんと読むスピードが増していった。
    そして、はたと立ち止まって、「これってホントに読書なのかな。やっていることは速読と似たようなもんで、いつの間にか『早く読み終わらせる』ことそれ自体が目的になってないかな。俺はそんな読書がしたいわけじゃない。」と思った。

    しかし、その一方で速く読むことそれ自体はそれほど非難されるべきものでもないという考えもある。

    高橋源一郎は「『明治の文章』は明治人の音読の速度で読まないと味わえないのでは

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    2010年06月12日
  • 手仕事の日本

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    地方の伝統工芸を覚えることとか、そんなに興味ないし、
    図版も、写真ではないので、明確なイメージもしにくい。

    けど。。
    この文章の中に身を浸らせると、「地方の工芸の正直な美」に包まれているような、
    「ほんとうのほんとうに美しいものが好き」という熱くも柔らかな男気のようなものに包まれているような、
    そんな感じがして、とっても気持ちがよく、
    私にとっては一種のヒーリングです。
    読んでいるうちに、自分の五感が豊かに研ぎ澄まされていく感じがします。

    そして、「ほんとうに美しいもの」に、見たり触ったりしたいな、って思います。自分の五感が「ほんとうに」満足するように、誠実に丁寧に、工芸や身の回りのものを

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    2009年11月26日
  • 蒐集物語

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    「念々の一念」という考え。その意味は、一念が念々に相続するので、単なる多念とは違う。後者は横の念仏であるが、前者はこれを縦の念仏と呼んで良い。もとよりこれは一回で終る一念とも違う。謂わば「不断の一念」なのである。それは一念を否定する多念でもなく、多念を否定する一念でもない。一念が日に新たに連続するのである。だから不断の一念、一念の不断である。念々が新鮮な一念なのである。私の考えでは蒐集もまた一物の不断、不断の一物でなければならぬ。

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    2024年07月22日
  • 手仕事の日本

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    只々全国各地の伝統の手仕事を淡々と述べていて、その土地土地の気候とか環境もふくめて、人間性も知ることができた。
    昔の日本人の事、日本人の器用さ性格も含めて、独特なのかな?と思いました。

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    2024年07月14日
  • 民藝とは何か

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    芸術作品の見方を考えさせる本。有名性からくる「良さそうなもの」を認識するのではなく、無名性でかつ実用的なものにこそ美があると言っている。確かに有名なものや、ブランド品はそれだけでよく見える。美しさとはなにかを考えるな。

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    2015年12月07日
  • 民藝とは何か

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    ネタバレ

    柳宗理のお父さんの柳壮悦。民藝運動を興した人。駒場にある日本民藝館はこの人の活動の中心地。
    フォークアートとアートというふうに二つに分かれちゃって美はアートの方にあるってことになってるけど本当?みたいな話がずっと繰り返される。いろいろなところに書いてある文書をとりあえずまとめて本にした感じなので繰り返しだらけなんだけどおもしろい。

    無名性
    シンプリシティ
    廉価性
    生活への密着
    ローカリティ

    みたいなのがカギだと。そして、美しさの本質になってるのは絵師が、大量に同じものを生産する中でのディシプリンによって生まれるのではないか?みたいなこと。同じ絵を大量に書くことでその絵の本質に達するみたいな

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    2014年11月19日
  • 民藝とは何か

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    柳宗悦の民藝に対する考え方には感心するところはとても多い。
    ただ、読み物としてですね、同じような文章の繰り返しなので、結構読むのがしんどいです。。。

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    2012年08月30日
  • 手仕事の日本

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    民芸運動の創始者として知られる柳宗悦が、日本全国を歩いて見いだした民芸品を紹介している。

    柳の民芸論は、彼の民芸運動と一体のものだった。本書の「解説」でも触れられているが、1940年におこなわれた柳田国男との対談の中で、事実を正確に報告することが民俗学の責務だという柳田の主張に対して、あるべき民芸の姿を積極的に提示し、それを推し進めてゆかなければならないと柳は主張した。こうした彼の姿勢は本書の中でもはっきりと示されている。彼は各地の民芸品が俗に流れてしまったことを嘆くとともに、確かな手仕事だけに現われる「健康の美」を取り戻すべきだという主張をくり返している。

    本書の中心は各地の民芸品を紹介

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    2011年12月29日
  • 手仕事の日本

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    2008/9
    民藝運動の中心である著者が、全国各地に残った、まさに民藝といえるものを紹介している一冊。戦前にかかれたものながら、今でもまだ伝統工芸といきづいているものもあり、これからも残していきたいものも多数紹介されている。デザインなどを志している人には一度読んでおくことを強くおすすめする。

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    2009年10月04日
  • 民藝とは何か

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    民藝運動で有名な柳宗悦の本。意外に読みやすい。
    今和次郎とはまた違った観点で、名もない職人による民間工芸に美的価値を見出した人です。
    ちなみに東大では超能力の研究をしてたらしいです。

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    2009年10月04日