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Posted by ブクログ
国立近代美術館で柳宗悦没後60年の「民藝の100年」という展示や、近所の日本民藝館に行ったことなどもあり、民藝に興味を持って手に取った。
柳宗悦は、ロダンを中心とする汎神論的な芸術の受容からキャリアをスタートしているが、彼の民藝評には汎神論的な感覚を感じる。なぜ民藝が美しいかと言えば、それは「用」の美。なにかに用いられるということを想定された美しさなのである。近代の美術において評価されてきた貴族的な品物と民藝と比較すると、前者が有想(想像を巡らせ、意匠を凝らすこと)であるのに対して、後者は無想であり、より清い境地にある。また、前者が意識なら、後者は無心、前者が主我ならば後者は忘我の境地であるとも言われる。こうした無想・無心・忘我になぜ美しさがあるかと言えば、この世の中の叡智とは、1人の人間が作り出さんとするものではなく、集合的無意識のような個人の枠組みを超えたところに現れるからである。このような柳の考え方は、個人がオーサーシップを持ち、自由であることを基盤する近代的な考え方への超克を目指すものであるとも受け取れる。民藝は、製造過程で多くの人がかかわっており、さらにその後も誰かに使用されて洗練されていく。民藝が目の前に存在しているというタイミングまでに無数の人の手を介しており、個人のオーサーシップを重視する近代美術とは一線を画する。こうした観点では先日、SOMPO美術館で見た川瀬巴水の版画の製造過程も、多くの人間がかかわっている。川瀬巴水は日本中を周遊し、絵画の着想を得るが、作品が完成する過程にはかならず優れた版の彫師が存在している。そうした作者の複数性と言う観点では、そこから日本的美術の美しさを見出すことができるのではないかと考えた。
Posted by ブクログ
柳宗悦の考える『美』について書かれています。
彼曰く、
・華美な装飾や高級なだけの工芸美術品は美しくない
・無駄を省いた実用性のある民芸品が美しい
そんなことを言っています。
本書を読んだ時は、工芸品と民芸品の定義がうまく飲み込めず、混乱しました。
DIYで作ったものは?こけしや赤べこなどの置物は?振袖は?無印良品・ユニクロは?国宝が作ったもの・クリエイターが作ったものは?
どれなら良くて、どれなら悪いのか、よくわからなかったのでマトリクスを作って思いつく限りのクラフト品をあげてみました。
そうすることで、柳宗悦が高価なクラフトや装飾の見事な着物などを全て否定しているわけではないということがなんとなくわかってきました。
柳宗悦の他の本も読んでもう少し理解を深めたいのと、加えてアーツ・アンド・クラフツ運動なども勉強してみようかと意欲が湧いてきました。
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