柳宗悦のレビュー一覧

  • 沖縄文化論集

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    沖縄事前読書週間4冊目。沖縄文化論は個人視点で面白かったが、こちらはこちらで包括的感があってよかった。年代も古いものが多いが、押さえるべき評論や議論の流れの数々なんだろうなと。
    琉球の宗教(折口信夫)をお勧めされてから手に取ったのだけど、柳田邦夫やら伊波普猷やらも読めてよかった。『月と不死』やはり読まないとなあ。

    そのほか「南島の入墨(針突)に就いて」、「尾類考」が面白かった。本当はここら辺も深めたいんだけど、一旦沖縄シリーズはこちらで終わり!

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    2024年11月04日
  • 民藝とは何か

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    そもそも高価な貴族的な品物の、ほとんどすべてに見られる通有の欠点は、一つに意識の超過により、一つに自我の跳梁によるのです。一言で言えば工夫作為の弊なのです。

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    2024年07月14日
  • 民藝とは何か

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    日本の民藝についての第一人者である柳宗悦による美の論説。本書で語られる柳の主張は、一切の反論の余地も与えないようなものでは確かにない。例えば創意工夫が美を損ずるとか、僅少で高価であることはそれ自体が不完全であるとか、絶対にそうとは言えないのでは、とその論理づけにおいて指摘したくなる部分は少なからずあった。
    しかし柳の功績は貴族趣味的なものばかりがやたら有り難がられて、日用品が工芸品として評価されていなかった風潮に待ったをかけて、用の美というキーフレーズでいわゆるクラフトの価値を土俵に上がるところまでに押し上げたところにあると思う。現に日本のクラフトデザインの歴史を柳抜きに語ることはできないであ

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    2024年06月30日
  • 民藝とは何か

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    まさに「民藝」の入門書として、提唱者の柳宗悦より平易な表現で、分かり易く解説されている。
    「民藝」は、明治近代化の中でしばしば登場する概念であり、その影響力から、言葉としては認識していたが、体系的に理解できたことは収穫。
    このように原則論を読んでいると、時代を超えた普遍性があり、現代においても意識すべき概念ではないかと思う。

    以下抜粋~
    ・用が生命であるため、用を果たす時、器は一層美しくなってきます。作り立ての器より、使い古したものはさらに美しいのではありませんか。

    ・廉価であるということが、実に美を増す大きな基礎なのです。安いものであるから、強いて美を盛ろうとは工夫していません。

    ・無

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    2023年10月21日
  • 蒐集物語

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    柳宗悦の蒐集に対する愛を感じた一冊
    分かるなぁと思う部分が多い一方で、
    蒐集にまつわる様々な病気は自身も気をつけようと
    指南書的な役割も果たしてくれました。

    単一的な蒐集ではなく、統一性のある蒐集を目指して
    自分の直観を大事に、選ぶ。
    直観=新鮮な印象、をしっかり磨いて
    「守る蒐集」ではなく「創る蒐集」へ

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    2023年10月11日
  • 新編 民藝四十年

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     岩波文庫の『民藝四十年』をやっと入手できたと思ったのも束の間、ちくま学芸文庫から『民藝四十年』が刊行された。本書は新編増補版。刊行にあたってとの編集部の文章が付されているが、それによると、1958年に刊行された宝文館より刊行された『民藝四十年』の目次には柳自身による書き加えがあり、改訂の考えがあったらしい。本書はそれら15編の論考を新たに増補したもの。
     かなり厚い本になったが、確かに柳の言わんとしたことが、より具体的に分かりやすくなったように思う。

     「美の法門」では、仏教の教えが今一つ良く理解できなかったが、詳しくその考えを論じた「無有好醜の願」、「知」るよりも前に「観」ねばならないと

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    2023年09月19日
  • 民藝とは何か

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    駒場にある日本民藝館を訪問し、何冊か購入した中の一冊。
    民藝が好きで、民藝運動を興した柳宗悦さんやバーナード・リーチ先生らが好きで色々な作品を見たり読んだりしてるけど、そもそも民藝とは、という事を柳宗悦先生より直接教えていただいている様な感じがして楽しかった。
    民藝の価値をここまで高めた功績は偉大だ、と感激します。

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    2023年07月02日
  • 手仕事の日本

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    紙上の日本民藝紀行。各地で伝統に忠実に民藝品を制作し、自らの名を遺すことを望まず静かにこの世を去っていった無数の職人達への、畏敬の念が込められています。

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    2022年08月20日
  • 民藝とは何か

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    読んでおかないとという本。同じ主張がずっと繰り返される。用と美と利。用を追求すれば美に至る。組合的な組織で、無心に、数多く作るのが大事。国の文化が豊かになる。利を追求した大量生産は画一的、効率的で美をうまない。
    美術品と工芸品の対比は正直よくわからない。どちらも美しいと感じるものはあると思う。

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    2021年11月29日
  • 手仕事の日本

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    無名の職人たちが作った民藝品は実用に耐えるからこそ健康的な美しさを持つ。そして柳宗悦が起こした民藝運動は、民藝という新しい美の標準を蒐集して展示し、その美の性質を理論化して啓蒙し、民藝の美に即した新しい器物を生産して世に普及させることだった。

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    2021年03月03日
  • 民藝とは何か

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    民藝とは、運動である。
    民の協働としての運動である。
    とても面白い視点を与えてくれた、と思う。
    芸術というものが権力を志向するのに対して、民藝は協働を呼ぶ。現代のシェアリングエコノミーにも通じる、何かがここにはある。

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    2019年05月29日
  • 蒐集物語

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    特に前半が非常に面白い。
    コレクター気質の人はおおきく頷きながら読むに違いない。コレクションの良さはわからないものも多かったが、いつの時代もコレクターは変わらないのだなぁと思うと同時に、先立ってコレクションをしている著者が羨ましい。時代を感じさせない内容。他の本も読んでみたくなった。

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    2019年04月01日
  • 手仕事の日本

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    どうして彼らにそんな力があるのか、どうして実用品に美しさが約束されるのか、否、用途に交わってこそ現れてくる美しさがある、そしてどうして尊ぶべき美しさなのか
    結局は健全な美しさなるが故だという事実、健康なものが一番本当の美であるという心理

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    2018年08月10日
  • 民藝とは何か

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    しばらく前に日本民藝館の展示を見に行った際、館内の売店で見つけた本。

    本書は、民藝運動の創始者である、柳宗悦(やなぎむねよし)による、民藝論の入門書です。
    著者自身が民藝学概論、と位置づける表題の小編と、やはり民藝の概念や良さについて、簡潔に語った随筆がいくつかおさめられています。
    原本は1941年に刊行されていますが、現代仮名づかいに改められ、文字の大きさや組み方も新しく、読みやすい仕上がりが有り難い。

    本書における著者の主張は終始一貫していて、民藝品は、大衆が用いる工藝品として、大量に、廉価に、簡単な手法で、実用的であるために不要な装飾を省き作られたことで、無心の健康的な美がやどってい

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    2018年07月29日
  • 手仕事の日本

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    日本の手仕事、民芸の日用品の持つ美を紹介した本。日本中(北海道を除く)の手仕事を20年もかけて実際に観て回り、紹介している。ちょうど「日本民藝館創設80周年記念 民藝の日本 ~柳宗悦と『手仕事の日本」を旅する~」が開催されていたため、本書で紹介されているモノをたくさん実際に見ることが出来た。
    挿絵も素晴らしいのだが、それでも紹介されているモノらが多く馴染もないことから、イメージが文章からだけでは理解しにくい点は残念。今回は展示会を観に行けたため実物を見て初めて理解したりもした。逆に元々知っていたものは、とても共感して読めた。自分の想像力不足によるものだが、やはり実際に観られるかどうかの影響は大

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    2018年03月07日
  • 手仕事の日本

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    実用的なものは、なぜ美しいのか。それは、実用的なものは健康的であり、健康的であるということは一番自然で、素直で、正常な状態であり、そのようなものに人は美しさを感じるからである。

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    2017年01月12日
  • 手仕事の日本

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    民藝が失われることはそれを使っていた生活(伝統)と、社会関係、それを生み出し使ってきた美意識、そして風土への感性を失うことだ。僕たちの課題は、民藝を芸術として鑑賞するのではなく、民藝を生み出した生活を学ぶことだ。そして新たな民藝を創り出すことであり、今ある民藝を支えることである。

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    2013年03月22日
  • 手仕事の日本

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    昭和17年12月~18年1月に書かれた。
    柳は手仕事の現状を示し、将来に向かっていかに発展させるか、という課題をもって書いた書物であるにもかかわらず、戦争、戦後の混乱、さらに近年の高度成長に伴う社会の変貌はまた別の意義をこの書物に荷わせた(解説より)。

    各県の手仕事が示される。
    真っ先に三重県をチェックして、お、四日市!と見てみたら、
    「四日市は有名な『万古焼』の土地ですが、この焼物には不幸にも見るべき品がほとんどなくなってしまいましたから、通り過ぎることと致しましょう。今も沢山作りはしますが、いやらしいものが余りにも多いのであります。」
    ですと。
    いきなりのけぞってしまった。

    素晴らしい

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    2012年09月29日
  • 手仕事の日本

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    60年も前に書かれた本著は、民芸品・工芸品の挿絵を添えながら、職人さんの功績、実用美、健康美など、日本のモノづくりの良さを現代に伝えてくれます。

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    2012年05月04日
  • 民藝とは何か

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    この名文にやられた。ただ、「真の美」という発想がいかにも時代を感じる。私の世代の人間には、逆に民藝もまた骨董の一種と化しているように見えるから。それに、他の本で見るようなゴテゴテと色んな民芸品を所狭しと並べている人は、正直言って悪趣味にしか思えない。ただ、河井寛次郎記念館や日本民芸館のように、客への心遣いを感じる装飾としての民芸品はさほど嫌みはない。何事も中庸を良しとするのだろうか。その意味で、「なぜ柳氏は茶道の世界を批判したのだろう?」というのが自分の中では疑問として湧いた。茶道のデフォルメはもはや用の美を忘れたと言いたいのか。それとも、千利休を称揚し、その美的感覚がスタンダードとなる中、流

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    2011年05月03日