「アリソン」から続いたシリーズの完結編、になるそうである。このシリーズは伝統的に2冊1編の構成だったのだけれど、今回は1冊でスパッと終わらせている。
とにもかくにも、読後感の爽快さにはまったく言葉もない。この「メグとセロン」シリーズの大きな裏テーマ(別に裏じゃないけど)として、タイトル通りメグとセロンの恋の行方があるわけだけど、とにかく「大変なこと」になっている。過去に時雨沢作品を読んだことのある人ならなんとなく感覚をわかってもらえると思うが、時雨沢作品において「大変」というのは、物語の展開や描写・情景・その他諸々が、読者を半ば置いてけぼりにして"ぶっ飛んで"しまうということで、しかしその展開こそが痛快で爽快で、時雨沢作品の醍醐味なんである。
今回もシグサワーはやってくれた。さすが、としか言いようがない。本当にきれいに、スッキリと締めくくってくれた。まさに大団円。読後に味わうこの爽快な気分こそが、ライトノベルのいわば「王道」なのだと思う。
登場人物それぞれのキャラクタも際立っているので、端的な所作や情景もイメージしやすくて読みやすい。会話のテンポもよく計算されて書かれていて、多人数の会話もスピード感を失わずにスムーズに読める。思わせぶりなところはチラ見せするくせに、全部を書かないので先が気になる、みたいな展開の書き方も巧い。文体そのものは、もしかしたら好き嫌いが分かれるかもしれないとは思うけど。
謎解き思考パズルは好きなので、新聞部シリーズはそういう要素が多くてとても楽しかった。学校が舞台なので、人が死なないのもいい。実に面白い。軽くミステリチックな物語を読みたい人にはお勧めできるシリーズだ。