トモセシュンサクのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【オチは読めるが、それ以上に楽しませる凄さ】
明らかに伏線を貼ってたり、ヘイトを溜めさせたりとで正直オチは読めると思う。
それでも、オチ自体の面白さではなく、オチへの持っていき方でどのように読者を裏切るかが今回は大切だったので、そこが予想以上にうまく作られていた。
それだけならばいつもの綾小路なのだが、もう一つの気になる展開では、読者も納得する選択で気持ちが良かったし、綾小路の成長と新な面が見られた。
さらにここに対しての新な展開も生まれそうで、相変わらずヒキが上手いなと感じさせらた。
それ以外でも龍園や櫛田、高円寺といったキャラにも変化が見られて今後の展開が期待できそう。
強いていうなら、ラストに持っていくためのストーリーになっている関係上しっかり描くとゴチャつくので仕方がない部分ではあるが、試験自体が面白みに欠けて、読む手が進みづらかったのは惜しいところ。
多少でもハプニングや接戦が見たかったかな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前巻「無人島試験」が終わり、そのまま「無人島特別試験」が開始。こちらが本命だったんですね。そして、この特別試験では退学者も出るようで。やっぱり退学者ありの方がヒリヒリして面白いですね。
結果的には、好き勝手暴れまわっていた篠原が案の定退学、ということに。そりゃそうですね。やりすぎました。伊吹や櫛田が退学にはならないだろうとは何となく分かっていましたので。それにしても櫛田はようやくこの巻で一皮むけましたね!毒舌、というか本音キャラでも全然人気あると思います。
個人的には、いつもベラベラ喋りまくっている森下が、他のクラスと一緒にいるときは一切会話に出てこない徹底ぶりが面白かったです。最後素直にトークン渡した所はちょっとびっくりしましたが、なんだかんだ綾小路のこと好きですよね。
そして、最後の絵怖すぎます笑笑
だんだん一ノ瀬がおかしな方向に行ってますね。最近は実力至上主義から一ノ瀬のホラー小説へと切り替わっていっているような気もしなくもないですね(笑)
巻末で読みましたが、衣笠先生×トモセ先生の新作が今秋にでも発表されるようです!予約必須ですね!楽しみ〜! -
Posted by ブクログ
サバイバルゲーム試験が終わってすぐに始まる特別試験。今回の特徴は必ず退学者が生じる点と各グループがバラバラに行動させられた点か
必ず誰かを退学させられるなら、そこには策略が求められる。けれどバラバラに行動する中では密に連絡を取るのも全体を把握するのも難しい。また、それぞれが持つトークン数を厳密に管理できるわけでは無いからどうしても学年全体の動きを想定した上での策略は現実的とならない
だから龍園はやけっぱちのような策略に出るしかなく、堀北や一之瀬は策略を差し込まず自分達のグループを上位にする当たり障りの無い作戦に出るしかなかった
対して綾小路は本当に凄いね。全体の把握が不可能なら全体を自分のペースに巻き込んだ上で自分達のグループから退学者を出す。それは誰かを出し抜く為とか誰かを退学させたかったからとかではなく、損得を冷徹なまでに計算した上での行動。だからこそラストに描かれた損得を超えた又は損得に反する行動が際立ってしまう、そういう内容だったんだろうね
今回の特別試験、タイミングが予想外に満ちたものなら、グループ分けも予想外に満ちたものに
本作ってクラス対抗要素が強いから、同盟等を組まない限りは他クラスと協力する利点は薄い。でも、今回のトークン収集特別試験は他クラスメンバーとある程度の協力が必要になるし、同グループのメンバーを過度に邪魔すれば自分へのマイナスとして返ってきてしまう。だから他クラスに対して攻撃しようと思えばある程度は自分へのダメージを覚悟しなければならなかった
龍園が平田の目があり綾小路に注目されない場所での策略を当初は諦めていたのも結局はそうした背景によるもの
他クラスへの攻撃を狙わないなら、順当にグループを盛り上げて協力体制を築く方が健全
それだけに以前よりも人間的な成長を見せて綾小路への不満を当面は引っ込めた池と篠原に対して空気が冷えるレベルの塩対応を行った綾小路には驚かされたなぁ。彼だからそうした態度にも理由があると解釈できるけど、綾小路の本質を知らなかったら彼への嫌悪感が湧いてしまいそうだ
池と篠原は綾小路の本質を完全に把握・理解しきれていないからこそ、彼が作り出す不和空間へと巻き込まれてしまうわけだ
綾小路の人心掌握術は恐ろしいね
そんな彼が狙うのは所属グループから退学者を選出する事か
これ、難しいのは先述したように、自分のグループから最もトークン数の低い者を出そうにも学年全体の状況は把握出来ないし、グループメンバーのトークン数を無理に下げるなんて出来ないだけに、どうやって狙いを成就させるのかと疑問、というか策略が全く読めなかったのだけど、明かされてみれば単純でありながら彼らしい謀略を感じさせるものだったな
冷徹な損得計算、そして計算を実現する為の容赦ないロジック、自分の決断に対して他者がどう動くかを完全に想定した上での事前対応。全てが高レベルで行われているから、堀北が綾小路の狙いの一部を看破できたとしても邪魔できなかった
全ては綾小路の掌中にて行われたわけだ
だからこそ、綾小路が最後の最後に行った理屈に合わない行為が際立つ、というか異様に映る
綾小路が自己分析しているように恋心が不条理な行動を起こさせたように見える。けど、綾小路は軽井沢との交際を経ても手に入れられなかった本気の恋愛感情をずっと求めている、いわば恋に恋している状態と言えなくもない。だからひより相手に覚えた感情を実感する為に敢えて不条理な行動を採った…と見えなくも無い
勿論、彼が条理を超えてひよりに恋している可能性は充分にあるけど、結局は綾小路という人間らしからぬ人間を信用できない為にこのひより相手の恋愛劇も素直に「綾小路は変わりつつあるのだ」と信じられないんだよね……
果たして綾小路とひよりの関係はどうなる事やら…
綾小路が恋愛における一つのハードルを越えた他方で彼は何人かの少女達を翻弄しているね
須藤が堀北クラスに裏切者が居るなんて言うから誰かと思えば、まさかの長谷部か…。彼女は愛里の件で一時は綾小路と強く対立した。けれど、文化祭での和解や綾小路移籍後の会話により以前よりも近しい雰囲気を放つようになっていた
そんな彼女がまさかなぁ…。篭絡した事で得られた堀北クラスにおける一種の虫。これは長谷部の今後に大きく響きそうな気がしますよ……
櫛田も大きな転機を迎えた形だね
彼女は長谷部より激しい形で綾小路を嫌悪、敵対していた筈の人物だった。それが冬の修学旅行前から少しずつ変わり始め、最近は綾小路への感情を認めないままに彼への対応に揺らぎが見えるようになっていた
だから彼女に変化が訪れるとすれば綾小路関連だと勝手に思っていたのだけど、まさか篠原からの度重なる嫌がらせが彼女を覚醒させるとは
彼女はどんな事をしてもAクラスで卒業するつもり。その意地のような感情が外面の維持よりも勝ったわけだ
次第に櫛田の変貌は学年中に知れ渡っていくのだろうけど、これまでに築いた加点がある以上はそれによって櫛田の評価が暴落する事は無いと考えれば、今後の櫛田は様々な面で堀北クラスにおいて武器となり得る人物となりそうだ
そして、何よりも言及したくなるのは一之瀬だね
彼女は2年末に綾小路を呑み込む程の凄みを見せて綾小路の共犯者となった。それは軽井沢がどれだけ願っても完全には手に入らなかった特別な椅子
特別な立場を手にした一之瀬は完全に変貌して見せた。それが彼女の新たな魅力となり、また本気を発揮し始めた綾小路の隣に相応しい人物と見せた
でも、考え方を変えると綾小路自身はその椅子へ積極的に一之瀬を座らせるつもりはなかったともいえる。勿論、一之瀬クラスとの同盟を考えた際の枢要として欲した部分はあるけれど、一之瀬でなければ駄目だったという程では無かった
だとしたら、綾小路が自らの勝利もポイントも捨て、形振り構わず迎えに行ったひよりという存在は一之瀬が欲しつつも手にする見込みが全くなかった立場をあっさり手にした人物と言えるのかもしれない。だからってああも闇堕ちするとは…という驚きはあるが
今になって前巻の表紙を見ると、とんでもない組み合わせだと思わせられるね
綾小路は一つの恋心に辿り着いた。けれど、その行為は一之瀬を闇堕ちさせ、龍園に綾小路の弱点を握らせる判断となった。また、今回の独断行動は綾小路クラスの面々にとって望ましくないものであるのは間違いなく
今回の特別試験、表面上は綾小路が全てを支配した形だけど、一方で彼の転落が始まりかねない分水嶺となり得てしまう気がするよ…… -
Posted by ブクログ
無人島試験が行われるのはこれで3年連続であり、毎度大規模になるから普段の学園生活では全く見られない光景が描かれるのが特徴だと思っているんだけど、今回はまさかのサバゲー+サバイバルですか。……それって優秀な学生または社会人を排出する事とどう関わってくるんだろう?という点はさておき、ライフルなんて触った事もない生徒が大半なのだから真っ当な勝負に成る筈もない、というより衝突する事こそリスクとなり得る試験な訳だ
それだけに綾小路率いるCクラスが早い段階から奇襲を受けてクラスが半壊するのは驚きの事態だったかも…と思いつつ、綾小路なら自らこの事態を招き入れたんだろうなぁと思える程でもあったんだけどね
読者は綾小路の異常性を幾らでも見てきたからこのように感じられる。けど断片的にしか綾小路の異常性を知らない他クラスの動きが本試験における流れの特徴となったのかな?
龍園は奇襲を成功させ綾小路のクラスに大ダメージを与えたというのに満足はできず。彼の目的には試験を勝ち抜く事だけでなく綾小路から勝ちを拾う事も含まれている。それだけにCクラスに大ダメージは与えられても綾小路が残った状況は彼を満足させない
これと似た傾向は堀北にも見られたね
彼女は徹底して衝突を避ける戦略を採った。そこには彼女の性格が反映された部分はあるけれど、綾小路の影響もある筈。それだけに綾小路が特に理由も見えずクラスを半壊させるなんて有り得ないと考えてしまう
堀北も龍園と同じく正体の見えない綾小路を過大に注目してしまう
同様に綾小路に注目しながら異なる視点を持つのが一之瀬だね
彼女は綾小路の本性に触れ、一時的には彼を上回る発想を示した事で綾小路の戦略に気付けたようで。そこにはCクラスの半壊を偶然と思わず、されど綾小路の戦略を大きく見込むような事もせず。だからか、綾小路が欲する最適なタイミングでCクラスへの手助けが出来る状況も整えられていたのだろうね
こうなってくると4クラスが入り乱れる試験に思えて、綾小路1人が全てを支配しているかの如く見えてくるのが面白い
特に身勝手な行動を繰り返す高円寺すら戦略の内に取り込んでいたのは驚き。かつての綾小路は彼を戦略に含む事を諦め、前巻において協力を取り付けた堀北ですら多大なコストを払った上での戦略だったと思えば、これは印象的な一手であるように思えるよ
また、綾小路に操られたという点では堀北が最も翻弄されたと言えるのかもしれないね
島の北部で誰とも衝突しない安全策を採っていた筈が、単独急襲を敢行した綾小路によって手痛いダメージを受けるなんて想像もしていなかった筈
龍園と同じく綾小路は注意人物だと判っていた筈だけど、綾小路が言及したようにプロテクトポイントを有していた点が彼女に一種の油断、予想外の出現への予測を鈍らせていたのだろうね
こうなってくると綾小路の狙いも見えてくるね。終盤で明かしたように綾小路はDクラスとの同盟を確実なものとしてCクラスに受け入れさせる為にこの試験を利用したわけだけど、その一方でCクラスを鍛えようとしていたのではないかと思える
かつて綾小路が在籍していた堀北クラスは落ちこぼればかり集められたクラスだっただけに、Aクラスを目指そうと思えばクラスメイトのレベル上げは必須条件だった。それはDクラススタートだっただけに共通見解を持ち易い意向
対して元Aクラスである綾小路クラスは優秀な生徒が多いだけに、こうしてCクラスに落ちた後も他クラスを軽んじる傾向が有ったように感じられる
それがサバゲーという苦手分野に直面し失敗、Dクラスとの同盟によって他クラスの良さを体感した。この一件はCクラス内の意識を変えるに役立つ経験だったのではないかと思えるね
結果は綾小路が想定した通りとなった。特に一之瀬クラスとの同盟が確約されたのは大きな成果
と、思えただけに予告無く始まる次なる試験の存在に驚愕させられる。どう考えてもあのボロボロの状態から始められる試験なんて無いと思うんだけど……
まさか、これが冒頭にて描かれたひよりの独白にある展開へ至る何かへと繋がっていくのだろうか…?
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