堀越英美のレビュー一覧
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いわゆる日本社会の「全体主義」的な息苦しさを
学校に通う児童を持つ母の目線で、道徳の授業の
内容や、1/2成人式(つまり10歳を祝う)
なる不思議な学校行事を通して、「なんかオカシ
クね?」とライトに突っ込む本は、もっとたくさん
出ていいと思います。
前半は大まかに「そもそも道徳ってどういう内容
が”正しい”道徳として、人々の間でとらえられて
きたのか」
答えってあるの?
後半は「自己犠牲を強いる母性っていつから定着
したの?」という「同調圧力」を醸成しそうな
テーマを扱っています。
道徳なんて型にはめないでも「もっと自由に感じ
ていいじゃん」と、まっとうな社会のアンチテー
ゼを唱える一 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルに惹かれて読みました。二児の母でもある著者が、既存の教育や「道徳」の価値に疑問をもち、異議申し立てる?内容です。私はしがない一公立中学校の教員で、教科化された「道徳」の授業を行いながら「なんだかなぁ…」といつも思っているので、同意できる部分がたくさんありました。
現在の学校教育、国語教育、道徳教育が、なぜ今のようであるのか、歴史を紐解きながら分析している。
要するに、学校教育というものは国家権力により「こんな国民を育てたい」と思って方向づけられるものであるから、戦時中なら国のために犠牲になる精神を良しとし、そのような人をたたえて感動をあおるようなお話をみんなに読ませてきたわけだし、逆に -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者はきちんと自覚していて、本文にもむろん書いてある。だからこんな書き方はいけないと思うんだけど、「白人で、勉強ができて、アカデミックな世界にいられて、高い水準の給料を得られている」というのは、ASDとか、割り当てに合わない身体のつらさとかを加味しても……なんというか。属性(?)として強いんですよね。だから「『そこ』へ絶対に到達できないひと」にかれが連帯と呼びかけを行うことにモヤっとしてしまう。
必要でだいじだし、現状世界を牛耳っている白人シスヘテロ権威男性に対して立ってくれる、紹介してくれるのはとても素敵なことだし、アドバイスも実際に役にたつ。
けれど、「既に、権威に踏みつけられて息も絶え絶 -
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私の長男もアスペルガーである。
我が家は男の子だったので、この本が『女の子』と限定してることに興味を持ち、読んでみた。
ADSが今まで男の子にしか現れないとされていた事は知らなかった。男の子より、より症状が複雑で多様でわかりにくいようだ。
読んでいて、息子にはもちろんだが、私にも当てはまることがいくつもあった。私も自分で自分のことを複雑で面倒くさく生きづらいと感じていた。場の空気を読んだり合わせたりする事はできるけれど、3人以上で集まることが苦手で、極力人と会いたく無い。意味もなく皆が私のことを嫌ってる様に感じる。幼い頃から内気だと言われ、本を読むのが大好きだ。かろうじて友達はいたけれど学校生 -
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ネタバレ最近のヒーローは、ただ強いものではなく、他者をケアする学級委員的な「いい子」だ。
家父長制を助長する今の右翼な政権与党に対し、個人主義を推し進める資本主義がアンチテーゼになるとしたら、個人をケアしつつ全体も守るネットワークを作ろうとすることは、まさにプレモダン→モダン→ポストモダンの弁証法的なあり方だと思う。極端に走るのではなく、中庸を。私も大事、あなたも大事。個人も大事にしつつ社会も守る。家族だから大事にする、友達だから優先する、と言った排他的な「愛」ではなく、包括的な「親切」が今、大切にされようとしている。本当にそんな世の中であればいいなとは思う。右翼な与党が前近代すぎてムカつくわ。