堀越英美のレビュー一覧
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教育の目的は感じよく従順に振る舞えるようにすることではない。しかし、親は子どもの行動がどれだけ自分を困らせ、多くの時間と注意を必要とするかに基づいて、重症度を評価する。ASD者は、医療や支援を与えられずに、わがままだとか自分勝手と言われると、仮面をつけざるを得ない。
仮面ASD者は脅迫的に人の機嫌を取りがちだ。行きすぎなほど感じがよく、素直で、受け身になる。私もみんなに変な人だと思われたくなくて、優しく穏やかで自立した素敵な女性を演出しようとしていた。自分の行動や言葉が他人にどう受け取られるかという計算を常に頭の片隅でしている。そのため人と深くつながれず、孤独な状態となり、消耗も激しい。ど -
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大河ドラマを見て、「源氏物語」を読んだら、紫式部の頭のなかを知りたくなった。この本は「紫式部日記」を、現代の働く30代女性の話し言葉に翻訳してある。文章に勢いがあり、読みやすかった。
紫式部が仕事(中宮のお世話)のことや、職場で感じたことを率直に語っている。まるで友達のグチを聞いてるみたいに、とても身近にかんじられた。平安時代の、皇族のお世話係という、いまの自分とはまるでかけ離れた世界のことなのに、親しみをおぼえた。
「紫式部は今日も憂鬱」という題名にも、心惹かれる。夫を亡くし、暮らしのために内裏で働く人生を憂鬱に感じていたようだ。自分の境遇を何度も嘆いている。
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購入済み
日本語って面白い!と再認識させてくれる本。
古典好きでなくとも、「上弦/下弦の月」や「両面宿儺」など、
有名作品の元ネタを知れたりして楽しめると思う。 -
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ケア・カルチャーの「ケア」とは英語のcareのイメージ。気配り、配慮、心配、お世話、他人を気に掛けけることすべて。
『鬼滅の刃』から『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』まで、漫画、本、ドラマ、映画を「ケア」の観点から読み解き、社会における疑問を論じています。
家父長制の意識の薄れと2017年にペットの猫の数が犬の数を上回ったことを関連付けて考えられることや、鬼滅の刃がなぜこんなに人気が出たのかに、かなり納得。著者と同年代の私としてはどれも、そうそう、と思えるものばかりでした。
この本で紹介されている本の中で私が唯一読んだ『ミシンと金魚』については、伊藤亜紗さんの『手の倫理』と -
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友人に勧められて読んだ本。ASDと聞いてイメージするASD像と、実際の女の子の実像との違いに驚く。それは社会的役割の差から生じるという一面も持つ。女性にはASDはいない、とまでは思っていなかったが、イメージするのはいつも男性だったなと振り返る。レインマンを代表する映画の影響もあっただろうと思う。診断名がつかないことでただ変わった人だと自他ともに認知してしまい、苦しんでいる女性が多く、鬱などの二次障害を発症する人も多いとのこと。診断名がつくことで楽になる人生もあるし、診断名がつくことで制限される、制限してしまうということも起こりうる。だから、一概に診断すればいいというものではないとは思うが、AS
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何年前か忘れましたが、「空気を読む」という言葉がとても流行った時期がありました。そもそも空気を読むという事がASDの方たちには理解できません。
僕自身も周囲に「なんでこの人はこんな当然な事を聞いてくるのだろう」「これを頼んだら普通これもセットでやるだろう」という事でイライラした事があります。
ASDやそれに類する人たちに抽象的な言葉で指示したり、頼んだりしてイライラしていたんだろうと振り返ると思います。
色々な事に名前を付ける事で、分類されて楽になる事ってこれに限らずあるので、本作のような女性のASDに関してしっかり診断して支援を受け、自分は異常ではなくそういう個性なんだ、同じような人が他にも