何年前か忘れましたが、「空気を読む」という言葉がとても流行った時期がありました。そもそも空気を読むという事がASDの方たちには理解できません。
僕自身も周囲に「なんでこの人はこんな当然な事を聞いてくるのだろう」「これを頼んだら普通これもセットでやるだろう」という事でイライラした事があります。
ASD
...続きを読むやそれに類する人たちに抽象的な言葉で指示したり、頼んだりしてイライラしていたんだろうと振り返ると思います。
色々な事に名前を付ける事で、分類されて楽になる事ってこれに限らずあるので、本作のような女性のASDに関してしっかり診断して支援を受け、自分は異常ではなくそういう個性なんだ、同じような人が他にもいるんだ。という救いはとても大きいと思います。
普通の自閉症に関しても親が現実を受け止められずに、普通学級に通わせることにこだわったり、認定を受ける事を拒んで結果何も支援を受けられないまま大人になってしまう事もあります。
いつかは親も居なくなり一人で生きて行かなければならない(パートナー居る居ないにかかわらず)。そのための準備は恐れずしなければいけないですよね。
自身のパーソナリティーを知る事で、まず自分が自分を許してあげる事が出来る。それによる自己肯定感の向上というのは人が生きていく上で無常の幸せだと思います。
身の回りに思い当たる人はいませんが、50人に1人というと実は身近にいる可能性もあるし、これから出会う可能性もあります。この本を読むことによって色々な人への理解に役立つし、何かの時には是非この本を勧めたいと思います。