あらすじ
ネットで話題の連載がついに電子書籍化!
『不道徳お母さん講座』の著者、最新刊!
正しい母親になりきろうとするのではなく、
自分を貫いて独特な育児をするスゴい母、
それを本書では「スゴ母」と呼びたい。
自我を捨てて子どもに尽くす聖母も、
子どもの自我を自分の自我と同一視する毒母も、
母子一体型という意味ではいずれも日本的な母親像である。
ひるがえってスゴ母は強烈な自我を持つあまり、
子どもの自我と真正面からぶつかり合う。
スゴ母たちは、母親を監視する世間の目に追い立てられ、
「少しでも育児を間違えたら取り返しのつかないことになる」
という思い込みにハマりがちな現代の母親に希望を与えてくれる、
実にありがたい存在なのである。(本文より)
【本書が注目する「スゴ母」たち】
■岡本かの子 ――岡本太郎の「不思議な母」
■マリー・キュリー ――「キュリー夫人」とふたりの娘
■青山千世 ――婦人運動家山川菊栄の母は「日本一頭のいい女の子」
■三島和歌子 ――「いだてん」の、あのスゴ母
■鳩山春子 ――明治社会を「大冒険」した元祖・教育ママ
■リリアン・ギルブレス ――「仕事を科学する」の先駆者は12人のママ
■マリア・モンテッソーリ ――カリスマ教育者の知られざる「苦悩」
■マーガレット・ミード ――娘を「研究・発表」し続けた母の人生
■養老静江 ――恋とワガママを貫いた養老孟司の母
■山村美紗 ――ミステリー界の女王の不器用な愛情
■アストリッド・リンドグレーン ――『長くつ下のピッピ』は遊び大好き母から生まれた
そのほか、黒柳朝(黒柳徹子の母)/桐島章子(桐島洋子の母)/桐島洋子(桐島かれん・ノエル・ローランドの母)/小池恵美子(小池百合子の母)/樹木希林(内田也哉子の母) なども掲載
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Posted by ブクログ
母親と子どもの組み合わせの数だけ、子育てのバリエーションはある。
一つとして、同じ「子育て」はない。
それなのに、私たちは「正解」を求めて右往左往してしまう。
この本の「スゴ母」たちを見ていると、そんな自分がちっぽけに思えてくる。
どんな子育てをしたいか、ではなく、どんな自分でありたいか、
ということを優先していけば、おのずと子どもとの関係は対等になり、
まわりがなんと言おうと尊敬し合えるようになるのではないかと思う。
各項目の分量も適度で読みやすく、ぜひ続編があれば読んでみたい!
Posted by ブクログ
最近流行りの毒親(特に母親)という言葉が大嫌い!お母さんだって一人の人間として生きていく権利があるのだ。どんな育て方が正解なんてないんだと思わせてくれる。世の中のお母さんが自信を持てる本。
Posted by ブクログ
それにしても圧倒された…。同じお母さんでも、こんなにオールラウンドな生き方があるなんて。全員分(メインの11人とプラスアルファ数名)振り返っていかないと明確に思い出せないくらい、濃密で多種多様だった。
この1冊で世間が求める「母親像」(献身的で慈愛に満ちている)が、いかに手狭でみみっちいものであるかがよく分かる。
「自分を貫いて独自の育児をする母親」を本書では「スゴ母」と呼ぶ。
歌人 岡本かの子(岡本太郎の母)やA.リンドグレーン(『長くつ下のピッピ』作者)など古今東西のスゴ母を集結させ、悩める母たちの自己肯定感に拍車をかけたい…同じ母の肩書を持つ著者は、そうした目的で執筆されたようだ。資料集めも大変だったろうに、まるで一人ひとりの人生を目の当たりにしてきたかのように鮮明に書かれていた。
「男性がどういうものか、これでよくわかります。(……)なぜ、頼んでもいないのに、罪のない者の平安を乱すのでしょう」(マリー・キュリー/物理学者・化学者)
上半期ベスト本に選んだ『化学の授業をはじめます。』(ボニー・ガルマス著)を想起させるスゴ母が2名いる。マリー・キュリーとリリアン・ギルブレスだ。
キュリー夫人は2度もノーベル賞を受賞した凄腕物理学者だが、超多忙なため子育ては舅に委任していた。そして彼の死後は科学的見地に基づいた教育を施すこととなる。
「脳科学の観点からも理にかなう」体育を重視したり、娘たちへの手紙に数学問題を書いてよこしたり…。男性に振り回されたり、得意分野を活かした子育て術や反抗せずに合わせてくれる子供たちは、まさに『化学の…』の母娘そのものだった。
リリアン・ギルブレスは心理学者だが、職場や家庭における時短術を追求し、フットペダル付きゴミ箱等の時短アイテムを数多く開発した。
『化学の…』の主人公エリザベスは調理を科学的に分析していたが、「生活を科学する」という意味ではギルブレス氏も共通していると思う。「手間暇かける=美徳」と考えがちな日本人にとって、ギルブレス一家の日常は大いに参考になるのではないか。
「ママはどんなときでもあなたたちの味方よ。[中略](←ここに書かれていることがまた面白い!)だから、どんなに悪いことをしたときでも、いってちょうだい」(山村美紗/推理作家)
肉親の趣味に付き合い、それが自分の得意分野になった母もいれば(山村美紗)、「家庭へ入るとともに世間との交渉を断たれ」た母(青山千世/山川菊栄の母) もいる。
自分は母親でも何でもないけど、人間として仰ぎたくなる方も少なくなかった。たとえパートナーがいなくなっても自立していて、まさに「どこへでも行ける」。
そして世間の母親像から逸脱しようとも(目に余るDVやネグレクトをしない限り、多少外れてても良いと個人的には思う)、皆子供のことを気にかけ愛している。
以前読んだ育児書にも書いてあったが、親の第一の仕事は無条件に子どもを愛すること。
愛情だけは何があっても手放さず、更には子供たちを立派に育て上げた…。その御業こそが「スゴ母」と呼ぶに相応しいだろう。
Posted by ブクログ
11人のスゴ母たち。
まぁ、凄いというか、とんでもなく凄い。
圧倒される。
歴史上のヤバ母たちも相当なもので、とにかく悲鳴が出るほど。
どれも真似しようとも思ってもできない人たち。
そもそも真似なんて出来ません。
お手本とか…それも違う。次元が違う。
ただ、どの母たちも自分の好きなことを一生懸命しているのである。
Posted by ブクログ
いい母は天国に行ける ワルい母はどこへでも行ける と言う副題のついたスゴ母烈伝。日本と海外の11人のぶっ飛んだ母の逸話。
真似も出来ないし参考にもならないが、時代や社会に負けず、自分をつらぬく潔い生き方にスッキリと読み終えた。
Posted by ブクログ
ファッション、趣味、性格…かつての自分自身が好んだものに蓋をしてしまう人が多い(特に日本の)母たちの中にあって、自分らしさ全開のまま母となった自由人たちの姿に嬉しくなった。