見田宗介のレビュー一覧
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ネタバレ[ 内容 ]
「ゆたかな社会」のダイナミズムと魅力の根拠とは何か。
同時に、この社会の現在ある形が生み出す、環境と資源の限界、「世界の半分」の貧困といった課題をどう克服するか。
現代社会の「光」と「闇」を、一貫した理論の展開で把握しながら、情報と消費の概念の透徹を通して、“自由な社会”の可能性を開く。
社会学最新の基本書。
[ 目次 ]
1 情報化/消費化社会の展開―自立システムの形成(新しい蜜蜂の寓話―管理システム/消費のシステム デザインと広告とモード―情報化としての消費化 ほか)
2 環境の臨界/資源の臨界―現代社会の「限界問題」1(『沈黙の春』 水俣 ほか)
3 南の貧困/北の貧困― -
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ネタバレ[ 内容 ]
「人間のつくる社会は、千年という単位の、巨きな曲り角にさしかかっている」―転換の時代にあって、世界の果て、歴史の果てから「現代社会」の絶望の深さと希望の巨大さとを共に見晴るかす視界は、透徹した理論によって一気にきりひらかれる。
初めて関心をもつ若い人にむけて、社会学の「魂」と理論の骨格を語る、基本テキスト。
[ 目次 ]
序 越境する知―社会学の門
1 鏡の中の現代社会―旅のノートから
2 「魔のない世界」―「近代社会」の比較社会学
3 夢の時代と虚構の時代―現代日本の感覚の歴史
4 愛の変容/自我の変容―現代日本の感覚変容
5 二千年の黙示録―現代世界の困難と課題
6 人間と -
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社会学と私たちは見て聞いてどのような学問かを想像するのは、学部生然り、社会学を知る機会がある人、または書店等で見かけて手に取ることから始まる。本著は、わかりやすく社会学について広く学ぶことができ、私たち人間という生き物の行動や習性、癖なども見ることができる良書である。
さて、本著では、時代やその時の環境が及ぼした影響が過去の歴史からも多分にも影響を受け前に進んできて現在に至る証拠と言え、今という時代も歴史の一部だと知ることができる。社会とは言っても様々な形や状態、習性などそれぞれの社会で色があり、形も、文化も違う。今、私たちがいる社会とは異なる社会と触れ感じ学習することで、自明性(当たり前だと -
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文章が難解で読みにくかった…。現代文の入試問題に使われていそう。。
同じ筆者のまなざしの地獄という本を読んだので、面白そうだと思ったが、この本はとにかく読みにくかった。
内容としては、冷戦終結後、この「情報化・消費化社会」がどうなるか、どうあるべきかを論評した本と解釈した。
筆者は、あくまでこの情報化・消費化社会の原理的な部分を肯定しつつ、環境問題や南北問題に代表されるような他者収奪的な問題をどう解決するかを論評している。
重要な観点が、原義としての消費=生の充溢と歓喜に直接的な享受にに立ち返ることと、「情報化」のメリット(データによるモニタリングと社会的費用を製品の中に組み込むこと、そ -
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出版と共に読み、更に何年か後に再読した。
合わせて「現代社会の存立構造」「人間解放の理論のために」も再読。
本書は、薄い新書だが、その奥深さに驚かされる。
社会学について語りながら、彼のマルクス理論を換骨奪胎した若き著作「現代社会の存立構造」という骨太の仕事にまったく触れていないことに、見田の転回(「気流のなる音」)を思う。
彼にとって、「存立構造」という仕事は、上に登るための梯子に過ぎなかったのだ。
登り終わったら、梯子は投げ捨てる。
そんな、彼の生き方を思わせる。
見田は、社会学という学問で、二つの課題に取り組んだ。
ひとつは、ニヒリズムの問題であり、もうひとつはエゴイズムの問題だ。