見田宗介のレビュー一覧

  • 社会学入門 人間と社会の未来

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    社会学の研究者が、社会学とは何かを基本的には平易に語ったもの。
    何度か読んだが、なんとなく繰り返し読み返したくなる魅力がある。
    筆者が、インドに行った時の話などは、神秘的な話。

    他方で、初読の場合、「補 公共圏とルール圏」の〈関係のユートピア・間・関係のルール〉の定式化や「交響するコミューン・の・自由な連合」という筆者独特の言い回しは何となくイメージをしにくい気がするが、本文や図などを合わせて読めば理解はできるように思われる。

    基本的には、社会学の基本を押さえるために良い本だと思う。

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    2026年10月03日
  • 現代社会はどこに向かうか 高原の見晴らしを切り開くこと

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     世界価値観調査における日本の分析には自分の感覚とも近く、割とすんなり読めた。フランスの若者の自由記載内容がフランスらしくて微笑ましく良かった。
     「ピダハン」は読んでみたい。ダニエル書の話も知らなかったけれど、今を幸せに過ごせるならばキリスト教などの信仰心は溶けてなくなるというのは強烈な表現だ。

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    2026年09月16日
  • 現代社会はどこに向かうか 高原の見晴らしを切り開くこと

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    ネタバレ

    社会学者・見田宗介の名前は、料理研究家・辰巳芳子の著作『いのちと味覚』で知った。
    本書において著者は、人類史的な大局の視点から「これからの社会のあり方と幸福の形」を展望する。近年の状況は、人類が減速期に入ったことを示しており、経済成長こそが最高であるという今までの価値観・考え方とは異なる創意工夫が必要であるという。
    世界全体の人口増加率の変遷を見たときに、1970年を先鋭な折り返し点として、それ以後は急速にかつ一貫して増殖率を低下している、というデータには、説得力がある。(「序章 図4」)

    日本には、すでに”縮小”の現実がある。持続可能な世界を実現するためにも、いま世界が必要とするのは、実は、ゆるやかな”縮小”を受け入れ、著者の言う「高原(定常・安定)」を狙ってゆくことではないかと考えさせられた。
    日本が直面している”縮小”の現実を、最も軽やかに、かつ肯定的に生き始めているのが「いま、ここ」を大事にする現代の若者たち(物欲に縛られず、シェアや他者とのつながりを重んじる世代)だとする、著者の分析はおもしろい。

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    2026年06月13日
  • 現代社会はどこに向かうか 高原の見晴らしを切り開くこと

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    ビジネスの未来で紹介されていたのでいつか読もうと思っていた。とても未来に希望の持てる内容だった。そう。今問うべきは人の根源的な幸福とは何か、それを享受できる日々を過ごせるように何ができるかということ。確かにそんな未来は来る気がする。今の合理性からの移行が難しいところ。

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    2026年03月29日
  • 社会学入門 人間と社会の未来

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    大学で40年間教鞭をとった筆者の「教養としての社会学」としての講義の内容の圧縮(「あとがき」より)
    語りかける文体。ですます調の章とだ・である調の章と両方ある。
    全体的に「文学的」な印象を受けた。
    論理で何かを主張・提案するというよりは、読者が自ら考えてみるための材料として語り聞かせてくれている印象。

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    2026年01月10日
  • まなざしの地獄 尽きなく生きることの社会学

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    1970年代、当時19歳のN.Nの連続射殺事件を通して社会を考察した本。農業が廃れ、若者はもはや帰るべき場所としての故郷を失い、新しい居場所を求める自由意志を持った人間として上京する。都市は若者を歓迎するが、あくまでも安くて丈夫な使い勝手の良い労働力としてであり、両者には溝が存在していた。N.Nは出身地や貧困が理由で差別的な扱いを受け、去ったはずの過去をみる人々のまなざしに苦しめられ、国外への脱出をはかりその過程で事件が起こる。特殊事例を考察することで、普遍的な事象を観察できる。統計的事実の実存的意味。

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    2025年08月11日
  • 社会学入門 人間と社会の未来

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     本書は社会学の総論といった形で展開されている。専門的な内容に入る前の著者の実体験による雑談の章があるが、これが非常に面白く、ページをめくる手が止まらなくなってしまった。
     随所に多くの引用、そして時々挟まるコラムも背景理解に大変役立った。補講の章も加筆されているが、小難しい部分もあるので、そこは改めて戻ってきた際に味わえれば良いのではないかと思う。
     本格的に社会学に触れる予定のある方や、社会学という学問がどのようなものであるのか気になる方におすすめしたい。

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    2025年06月05日
  • 現代社会はどこに向かうか 高原の見晴らしを切り開くこと

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    鶴見俊輔さんから、連綿と続くポジティブでラディカルな道が伸びていく。

    よく考えればわかること、がなかなかわかられなくてそちらの方向に行かない。

    2022年に読んでも新しいというか、10年前から見据えておられたことが今やっと一部の人にとどき共感とひっ迫を持って今まさにの感性として受け止めらる。
    よく考えればわかることなので10年あればラディカルにもポジティブにもリベラルにも進んだであろうによく考えない人よく考えない人に支配されているクニ、セカイ。

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    2022年06月09日
  • まなざしの地獄 尽きなく生きることの社会学

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    社会学の面白さを教えてくれた本。 授業の教科書として購読したが、初めは堅苦しい本に感じてあまり面白いと思わなかった。しかし、無駄のない簡潔な短い文章でありながら、そこらじゅうに考えさせられる言葉が敷き詰められている。 尽きなく生きるとは何なのか。 何ヶ月後、何年後と何回も繰り返し読んで、自分が今感じている感想とぜひ比較したい。

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    2022年03月14日
  • 現代社会はどこに向かうか 高原の見晴らしを切り開くこと

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    増殖する欲望の終着点を私たちは探らなければいけない。
    倒さなければいけない敵ではなくて、高歓し得ることのできる相手として捉えたい。
    共存共栄を今後実現できるのではないかと少しポジティブに未来を見つめることができた。

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    2022年01月27日
  • 戦後思想の到達点 柄谷行人、自身を語る 見田宗介、自身を語る

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    編者のお二人に対する深い造詣と敬意、鋭い切り口から、お二人の考え、概念を分かりやすく掘り下げながらどんどん引き出してくれています。
    しかも最終章でお二人の鍵概念をつなぎ合わせ、それぞれの思想が混交されていくところが、なんというか、新たな可能性を感じました。

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    2021年10月23日
  • 現代社会はどこに向かうか 高原の見晴らしを切り開くこと

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    2021.10.13 久しぶりに見田先生の本を読んだが感銘を受けた。とてもとても頭の整理がついた。これからの大きな糧になった。いろんな方にも勧めたいと思う。心からありがとうございますと言いたい。

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    2021年10月13日
  • 現代社会はどこに向かうか 高原の見晴らしを切り開くこと

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    2021.47

    良書すぎた。
    ・「成長と開発」から、「共存と共生」が基本的価値観に
    ・人や自然との交歓(交流)こそ、幸福度を高める。
    ・キーコンセプトはシンプル、ナチュラル、ボーダレス、シェア、脱商品、脱市場経済

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    2021年07月30日
  • 現代社会はどこに向かうか 高原の見晴らしを切り開くこと

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    ネタバレ

    子育てで迷った時に読みたい本。

    他者との交歓と自然との交感をたくさん経験させてあげよう。
    positive 肯定的であるということ。
    diverse 多様であること。
    consummatory 現在を楽しむ、ということ。
    自分自身でも大事にすることで子どもに伝えたい姿勢。

    自分の親たちやさらにそのずっと前から無限を信じて築いてきてくれたもののおかげで生存のための物質的な基本条件の確保が達成され、それによって「現代」だけに固有の、二重のリアリティの喪失という経験をするが、有限と向き合い解放を実践することで、自分がここに一つの花を開かせることができるかもしれない。

    私は宇宙への興味や挑戦する勇気もなければ、原子に造詣が深くもない。だからこれからの未来に何もできないのかというと、そうでもなさそう。
    私にも私の思考と行動で一つの胚芽を作ることができる。そう前向きに励ましてもらい勇気までもらった。

    ”今ここに一つの花が開く時、すでに世界は新しい。”
    なんて美しい言葉なんだろう!

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    2021年02月20日
  • 現代社会の理論 情報化・消費化社会の現在と未来

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    前半は現在の情報化・消費化社会の諸問題を挙げており、後半は前半で挙げた問題の解決の糸口を提示している。
    内容もさることながら、文章も難解で一度では理解しきれない部分が多かった。
    現代社会(の情報化・消費化)という面について、過去と現在、表と裏、内部と外部など比較や対立を持ちいた表現が多いことが特徴で、読み間違えれば混乱してしまうが、正しく読めれば著者の意図を十分に理解するに足る文章になっていると感じた。

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    2021年01月29日
  • まなざしの地獄 尽きなく生きることの社会学

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    誰もが犯罪者になりうることを示している。
    個人責任論を見つめ直すきっかけになる作品。
    文学チックで素敵。

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    2020年08月10日
  • 現代社会はどこに向かうか 高原の見晴らしを切り開くこと

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    見田宗介氏によると、キリストやブッダが宗教を説いていた人間の歴史の第Ⅰ局面に続く現代の第Ⅱ局面は、持続可能な幸福な世界が訪れるという。

    その際のキーワードは、幸福感受性である。
    来たるべき未来の目的のために現在の生を手段化し、耐え忍ぶのではなく、現在それ自体を楽しむ。

    人々は、経済競争の呪縛から解放され、芸術や生自体を楽しむ。

    格差など暗い時代に思うが、あまりにもオプティニズムに満ちた考えのように思うが、そういう暗い時代だからこそ、こういう意見は貴重で尊重されなければならないかも知れない。

    非常に読み易く、薄い本なので、1日でほとんど読めました。

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    2020年07月03日
  • 現代社会の理論 情報化・消費化社会の現在と未来

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    予言の書みたいだ。20年以上前にこの本が書かれていることに驚愕する。

    資本主義がこれまでぶつかってきた限界と課題
    ① 需要の限界 → 不況と戦争
    ・モノが人々の手に行き渡り、「必要」を根底とする需要が無くなる。市場が飽和するという限界。
    ・モノが売れなくなることで不況が発生し、不況を乗り越える(需要を創出する)ために、戦争が発生するという課題

    ★ 需要の限界は、需要創出を「戦争」以外の方法で乗り越えること、で克服された。
    ・ケインズ:政府によって、有効需要を作り出す(公共事業とか)
    ・情報(デザイン・広告・モード):
    フォードとGMの例で説明する。
    - フォートは、「便利な」車を、単一モデルで、生産ラインを徹底的に合理化・効率化することで、低価格で販売し、市場を席巻した(=市場を飽和させる)
    - 一方GMは、車を「デザイン」で売った。「魅力的」なデザインの車を売り、そして定期的な「モデルチェンジ」を行い「新しい」車を売っていった。デザインには、「正解」がないため、需要には、理論上限界がない(ブランド車を複数所有する金持ちとかをイメージするとわかりやすいかと。便利さだけなら一台で良い。「魅力性」を王ならば、理論上需要/欲望は底なしとなる)。そして定期的な「モデルチェンジ」を行うことで、既存の車はどんどん古いものとなり、新たな「新しい」車への需要を創出する。デザインとモデルチェンジを人々に広めるために、需要を喚起するために、広告が活用される。

    モードに関してはMEMO
    モードのリズムは以下の二つによって構成される
    ・消耗のリズム(u)
    ・購買のリズム(a)
    モードは、a/u。購買が消耗を上回っている時、モードが存在する。
    購買のリズムが消耗のリズムを超えていればいるほど、モードの力が強い。
    モデルチェンジと<モードの理論>が消費社会を駆動するメカニズム。
    モードは、広告を通じて、自己否定することで、回転を早くしていく。

    ② 資源と環境の限界 → 資源の枯渇と環境の破壊と格差
    ・「情報」によって、需要が無限になったことで、大量生産→大量消費のサイクルが回る。
    ・「大量採取→(大量生産→大量消費)→大量廃棄」という限界づけられたシステムであり、地球の「資源」と「環境」という外部的な制約にぶつかる。
    「資源」:エネルギー、鉱物、一次産品、労働力など
    「環境」:地球環境

    ★ 資源の枯渇と環境の破壊と格差は、大量採取・大量廃棄しない、システムを構築することで、克服される。
    ・本書では、<消費>すなわち「存在それ自体の幸福」的な話になっている。

    ▶︎ 個人的には、情報(エンタメ)を消費する社会になると考えている。今後は、基本的に「必要」がテクノロジーによって満たされ始めるので、本書に即していうならば、情報(エンタメ)商品としての「消費」する社会になるかと。
    <消費>とエンタメ「消費」がメインとなる社会になると思う。

    Youtuber、「好きなことして生きる」、生き様コンテンツ、信用経済、諸々これに関連している。見田さん的に言えば、これらは「ソフト」な側面に属するのかと。


    最高に面白い本。

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    2020年01月04日
  • 超高層のバベル 見田宗介対話集

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    見田宗介の対談を集めた一冊。対談時期もテーマも多様なので一つ一つを咀嚼するのは大変。しかし、見田さんが何を目指して自らの営みを続けてきたのかはなんとなく分かった気がする。

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    2020年01月02日
  • 現代社会はどこに向かうか 高原の見晴らしを切り開くこと

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    <情報化/消費化資本主義>では、需要や欲望が無限であっても、資源が有限(「材料」と「ゴミ箱」が有限)であるため、限界にぶつかる(そして社会/人の精神構造が変容する)。人はよりシンプル、よりエコを、more lessを、志向する。ミニマリストも、グレタさんも、若者の○○離れも、SDGsも全て、つまりは「資源の有限性」から立ち現れている現象である。

    一方、ここで見落としていけないことがある。それは、需要や欲望が、情報によって無限化されたのと同様に、情報によって、供給や資源も、無限化できると言うことだ。

    「経済競争の強迫から解放された人間は、アートと文学と学術の限りなく自由な展開を楽しむだろう。歌とデザインとスポーツと冒険とゲームとを楽しむだろう。知らない世界やよく知っている世界への旅を楽しむだろう。友情を楽しむだろう。恋愛と再生産の日々新鮮な感動を享受するだろう。子どもたちとの交歓を楽しむだろう。動物たちや植物たちとの交感を楽しむだろう。太陽や風や海との交感を楽しむだろう。 
    ここに展望した多彩で豊饒な幸福はすべて、どんな大規模な資源の搾取も、どんな大規模な地球環境の汚染も破壊も必要としないものである。」

    youtuber、ブロガー、(西野亮廣さんがエンタメにフルベットしているのもきっと)、それに関係している。

    これからは、物質的な資源を(多く)必要としない、広い意味での「エンターテインメント」が、社会に広がっていく。これは、間違いない。




    なお「天国に経済成長はない」は痺れる。

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    2019年12月28日