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Posted by ブクログ
見田宗介氏によると、キリストやブッダが宗教を説いていた人間の歴史の第Ⅰ局面に続く現代の第Ⅱ局面は、持続可能な幸福な世界が訪れるという。
その際のキーワードは、幸福感受性である。
来たるべき未来の目的のために現在の生を手段化し、耐え忍ぶのではなく、現在それ自体を楽しむ。
人々は、経済競争の呪縛から解放され、芸術や生自体を楽しむ。
格差など暗い時代に思うが、あまりにもオプティニズムに満ちた考えのように思うが、そういう暗い時代だからこそ、こういう意見は貴重で尊重されなければならないかも知れない。
非常に読み易く、薄い本なので、1日でほとんど読めました。
Posted by ブクログ
<情報化/消費化資本主義>では、需要や欲望が無限であっても、資源が有限(「材料」と「ゴミ箱」が有限)であるため、限界にぶつかる(そして社会/人の精神構造が変容する)。人はよりシンプル、よりエコを、more lessを、志向する。ミニマリストも、グレタさんも、若者の○○離れも、SDGsも全て、つまりは「資源の有限性」から立ち現れている現象である。
一方、ここで見落としていけないことがある。それは、需要や欲望が、情報によって無限化されたのと同様に、情報によって、供給や資源も、無限化できると言うことだ。
「経済競争の強迫から解放された人間は、アートと文学と学術の限りなく自由な展開を楽しむだろう。歌とデザインとスポーツと冒険とゲームとを楽しむだろう。知らない世界やよく知っている世界への旅を楽しむだろう。友情を楽しむだろう。恋愛と再生産の日々新鮮な感動を享受するだろう。子どもたちとの交歓を楽しむだろう。動物たちや植物たちとの交感を楽しむだろう。太陽や風や海との交感を楽しむだろう。
ここに展望した多彩で豊饒な幸福はすべて、どんな大規模な資源の搾取も、どんな大規模な地球環境の汚染も破壊も必要としないものである。」
youtuber、ブロガー、(西野亮廣さんがエンタメにフルベットしているのもきっと)、それに関係している。
これからは、物質的な資源を(多く)必要としない、広い意味での「エンターテインメント」が、社会に広がっていく。これは、間違いない。
なお「天国に経済成長はない」は痺れる。
Posted by ブクログ
2020年を控え、今こそ大局観を持とうと購読。数千年の歴史の中で人類は大きな曲がり角を経験している。一つ目は紀元前後の世界的宗教が確立した頃。それまで群・部族でしかなかった集団が、「現世は来世の幸せのためにある」という一つの世界観を共有し、何千キロを隔てても共通の価値観でものを語れるようになった。同時に、この見えないもので争うようになったが、それはより良い未来のために覇権をかけての争いである。第二の曲がり角はまさに現代であり、「未来・来世とはからなず良いものである」と信じられない世界。未来・来世がどうなるかわからないから、ものを所有することに意味はないし、耐え忍んだり苦行する意味もわからない。もう一つの観点は、国内における世代間ギャップ。40代→50代→60代のギャップは大きいのだが、20代→30代→40代のギャップは小さい。これは消費行動やコミュニケーションにも現れていて、普段の活動の中で気づかされることもある。再読したい一冊。
Posted by ブクログ
希望が持てる本であった。現代社会は歴史的に着実に進化している。マルクスが唱えた予言は資本主義が発展すれば、共産主義に移行するというものであったが、その予言が当たりそうである。ただし自由と民主主義があればとの前提だが。ただ、その予言がうまくいかなかったのは、1.否定主義(とりあえず妥当)、2.全体主義(三位一体という錯覚)、3.手段主義(終わりよければすべてよし)、が二十世紀を賭けた革命の破綻の構造だそうだ。「憎しみは人間を破綻に導く、最も強力な感情である」と、その通りである。この失敗を繰り返さないために、1.肯定的であること、2.多様であること、3.現在を楽しむ、これを統合したイメージが「胚芽をつくる」ということらしい。データも示され、説得力のある、明るい展望が開ける本であった。
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