鳥飼否宇のレビュー一覧

  • 指切りパズル

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    動物園のイベントでアイドルがレッサーパンダに指を噛み切られてしまうという事故を発端に、次々と起こる指切断事件。動物園の警備員古林は、刑事に乞われるまま捜査に協力することに‥
    指を切られるというスプラッタな事件なのにちょっとコミカルな雰囲気だし、刑事が警備員に聴取を丸投げしたりと色々不自然なところはあるが、それぞれの指切断事件の真相が明かされてゆき、最後まで読むとプロローグの意味がわかるという構成はまさにパズルがピタッとはまる感じだった。新本格らしい作品。

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    2021年12月30日
  • 妄想女刑事

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    ネタバレ

    オチが「そういうこと?」っていう脱力系ミステリ。コメディ調なのでさらっと読めた。犯人が結構「どこで出てきたっけ?」っていう印象に残らない人が多いのも特徴?

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    2021年09月17日
  • 隠蔽人類

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    作者の頭の中を見てみたい。どうやったらこんな荒唐無稽な物語を書けるのだろう?

    最初の章から主人公だと思っていた人が次々と変わっていく。5章あるのだが、毎回結末が「そんなことある!?」って言う感じの結末で、最後は話が壮大になった。バカミスになるのかな?

    でも面白くて、あっという間に読み終えました。

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    2021年04月10日
  • 紅城奇譚

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    戦国時代の九州、暴君の城を舞台に次々と一族が殺されていく事件を描く。
    城主・鷹生(たかき)龍久の正室が首を切り落とされた遺体となって発見されたのを機に、第一側室が転落死し、城主の弟が毒殺され、その後も愛娘に父親に嫡男、第二側室と次々不審な死を遂げる。
    鷹生龍久は前の城主や主君を残酷な手法で打ち破っただけでなく一族郎党皆殺しにしている。この連続殺人はかつて龍久に敗れた一族の残党による復讐なのか。

    時代背景や城という舞台背景も全てミステリーのためのもの。首無し遺体があったり幼い子供が死んだり、暴君によって容疑が確定してもいない者が呆気なく斬られたりなどという残酷なシーンはあるが、本格ミステリーに

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    2021年03月06日
  • 天災は忘れる前にやってくる

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    怪しげなホラ話を配信しているネットジャーナリストの二人が地震や水害などの天変地異を取材に行くと、何かしら事件に出くわしてしまうという連作短編集。
    特殊な状況での犯罪がなかなか面白い。
    しかし事件を解決する郷田が頭は切れるが腹黒な小悪党で、深刻な災害と対比するとけっこうダークな読後感。
    ベストは何かのアンソロジーでも読んだ「株を守りて兎を待つ」。

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    2020年01月23日
  • 天災は忘れる前にやってくる

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    ネットジャーナリストという怪しい肩書の男が、(最終話を除いて)自然災害に絡んだ殺人事件の謎を解く連作短編集。
    鳥飼さんは今までに硬軟取り混ぜた作品を書いているけど、これは明らかに軟の方。短いページの中に伏線を入れながらの犯人当てにはなっていた。ただ、「本格ミステリ」と謳ってある程には本格っぽさを感じなかった。展開に強引な所が目立ったな。
    それでも、犯人を警察に知らせずに、金銭の取引で犯人を逃がせようとする探偵役は、居そうで居なかったからそこは面白かったね(^-^)。

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    2019年08月05日
  • とり研の空とぶ事件簿

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    主人公が好奇心から他人のプライバシーに土足で踏み込む感じが何だか不快。しかも邪推して周りを巻き込みつつ変な方向に進むし。こんな人がいる組織にいたくないわ。

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    2019年06月09日
  • 紅城奇譚

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    ネタバレ

    【収録作品】序/破 破の壱 妻妾の策略/破の弐 暴君の毒死/破の参 一族の非業/破の肆 天守の密室/急 
     犯人も動機もわかりやすく、そこはメインではないのだと思う。でも、機械トリックがキモというのもそれに興味のない者にはピンとこない。どことなく懐かしい雰囲気がある。

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    2018年03月23日
  • 紅城奇譚

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    ネタバレ

    九州の大名鷹生家で、城主一族が次々に謎の死を遂げる。ついに城主龍政も死んで後継がいなくなり城主の側近だった弓削月之氶が城主になるが、実は月之氶は鷹生家に滅ぼされた市房家の生き残りで、同じく鷹生家に滅ぼされた椎葉氏出身の龍政の正室と共謀して鷹生家に復讐したのだ。
    登場人物の名前にやたら鳥が使われていると思ったら著者のプロフィールに「奄美野鳥の会現会長」とあって、すごく気になってしまったので他の作品も読みたい。

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    2017年09月25日
  • 紅城奇譚

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    ネタバレ

    予想通りの密室トリック。綾辻行人の館シリーズのどれかに似たようなトリックがあったのではないか?
    天正年間の九州という設定に食指が動いたのだが目新しいのはそこだけで、首無し死体のトリックはどうにも無理があるし、五歳の女児がお絵描きをするのは現代で何の不思議もないが、当時紙そして絵の具は子供の遊びに使えるようなものではない。つまりトリック成立のためのプロットになっていて、それが見えてしまった以上私には興醒めな作品となった。
    トリックは難しい。

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    2017年08月01日
  • 非在

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    嵐による遭難、たどり着いた目的の地、そして帰るべき手段も食料も失ったサークル一行。
    極限状態の中で、思いもかけない心理状態に陥っていく人間の弱さが露呈していく。
    閉ざされた孤島での連続殺人を描いているクローズド・サークルものである。
    海岸に流れ着いた1枚のフロッピーの中に綴られていたのは、驚くべき内容だった。
    いたずらかもしれない…拾った猫田は該当する大学のサークルに確認をとる。
    すると行方が知れないメンバーがいるという。
    これは本当に助けを求める知らせかも。
    そう思った猫田は警察に連絡を取り捜索が始まる。
    だが、捜索に向かった島には彼らの痕跡はなかった。
    歴史、民族学、そして自然科学。

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    2017年04月26日
  • 書き下ろしミステリー第3弾! 激走─福岡国際マラソン 42.195キロの謎

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    ネタバレ

    初めて読む作家さん、北京オリンピックの出場枠をかけ福岡国際マラソンに出場する各選手の心理面を綴る事で物語が進んで行きます。各選手自分の資質に応じた戦略を立てて臨む大会、しかし全ての選手の思惑が合致することはなく、常に状況に応じた軌道修正を迫られる。その心理面も描写も面白いですが、そんな中で一つの事件が起きる。僕としては物語の中でわざわざそんな事件を起こすよりも、事件に巻き込まれた選手も後半のデットヒートに参加させてレースを盛り上げてほしかった。。。
    それでも本は面白かった事には変わりないです。。まる。。

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    2016年04月03日
  • 生け贄

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    靭帯を損傷してしまった猫田は地元の名家に世話になる事に。しかしそこは白崇教という宗教家の総本山だった。そこで教祖が殺される。
    ミステリ部分は神が白鰐ではなくシャチだとするロジックは解り易く面白かった。ただ盛り上がりに欠ける。もう少しサスペンス感があれば。十分に楽しめるけど。

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    2015年07月07日
  • 生け贄

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    生物探偵鳶山シリーズ。
    写真家の猫田は撮影先の高知で怪我をして、アルビノを崇める宗教団体の施設に滞在することになる。
    そんな中、教団関係者が密室で刺殺され、続いてサメに食い殺されたような無惨な死体が…
    カツオ漁の網元として栄えた家が宗教教団になるというのは奇妙な設定だと思ったが、信仰の対象となっているアルビノのサメや複雑な家系図などがラストで繋がってくるところは面白かった。海洋生物の蘊蓄はちょっとお腹いっぱい。
    それにしても鳶山さんって”そろそろ五十歳に手が届こうかというところ”という記述があったが、そんな年だったのか。

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    2015年06月02日
  • 生け贄

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    教団を運営する明神家の人間が次々と変死する事件に、一族の因縁、信仰のシンボルであるアルビノ(先天性白皮症)の鮫・タイガが絡む、結構複雑なお話。
    猫田夏海と鳶山久志がタイガの正体についてディスカッションしていく展開や海洋生物に関する薀蓄披露は、このシリーズならではで楽しめました。
    ただ、漁船沈没の真相は驚いたものの、その他のトリックや明神家の設定などに既視感があり、物足りなく感じてしまいました。

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    2015年05月07日
  • 憑き物

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    観察者(ウォッチャー)シリーズらしい。
    3冊目?
    植物写真家の猫田さんと観察者、鳶山さんが岩手の寒村で、鳥取の山村で、奄美大島の村で事件に遭遇する。
    猫田さんが巻き込まれ、鳶山さんが謎を解く。
    過疎化した山村の薄暗い森の中、廃墟というロケーションに心を躍らせ、イズナサマやユタの神儀にドキドキ。
    なのだけど、なんだろ。イマイチ盛り上がりに欠ける。暴かれた真相が後味のよくないっていうのもあるのかな。
    うーん。もっと面白くできたんじゃ?という気持ちが拭えない。
    共感できる登場人物が不在なのかな。この世界に入りこめなかった。
    それこそ鵺を相手にしているよう。

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    2015年04月02日
  • 密林

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    ネタバレ

    【本の内容】
    沖縄・やんばるの森は、人の手の入っていない自然がいまだ残る原生林だった。

    昆虫採集家・松崎と柳沢は、ギネス級に成長するオキナワマルバネクワガタの幼虫を求め、森へと踏み入る。

    台風の襲来により荒れ狂う森で、二人は軍から脱走した米兵と出会い、森に財宝が隠されている事を知る。

    傷ついた米兵から、難解な暗号で書かれた財宝の地図を残された二人は…!?

    米軍、ハンターと二人の三つ巴での、命を懸けたサバイバル宝探しゲームが始まる!!

    奄美大島で生物観察を続ける鳥飼否宇が描く、迫真の大自然アドベンチャー。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    鳥飼否宇というと、横溝賞を受賞した「中空」の

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    2014年11月26日
  • 中空

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    設定、舞台ともに良いのだが、どうしても軽さを感じてしまい、ストーリーにのめり込めなかったミステリー作品。軽さを感じた理由の一つは登場人物の名前がカタカナで表記されているためだろうか。

    鳶猫シリーズの第一弾とのことだが、恐らく続編は読まないと思う。

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    2014年08月20日
  • 書き下ろしミステリー第3弾! 激走─福岡国際マラソン 42.195キロの謎

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    万人受けしない競技なので面白味に欠けるかなと思いましたが、過去の回想を挟みながら各ランナーの思惑が少しずつ明らかになる展開は飽きさせません。物語が単調にならないよう工夫されているなと感じました。
    途中に挟まれるアクシデントの真相はかなりあっけないものでしたが、それをダミーにしてメインを気づかなくさせる手法はお見事でした。
    なかなかの良作ですが、あまり知られていないのが不思議です。硬派過ぎるタイトルが邪魔しているのかなと思いました。

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    2014年04月07日
  • 中空

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    荘子の教えを大事にしている人里離れた
    小さな村という物語の舞台設計は良く出来ていて
    雰囲気も作りこみもしっかりしているけど
    残念ながらそこで展開される事件やストーリーが
    イマイチ惹きつけられるものがない。

    時折挟み込まれる竹の植生や荘子の思想の薀蓄は
    興味深くはあるし、事件に深く関わってくるのだけど
    最後までいくとトンデモになっているし、
    作者のやろうとしていることに中身が追いついていない感じがした。

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    2014年03月01日