あらすじ
植物写真家・猫田夏海が訪れた岩手県の寒村に住む滝上家は代々“イヅナサマ”を操り託宣を下す霊能力を持つという。満月の山中、夏海は滝上家の一人娘・沙姫の憑依現象を目撃する。その翌日、祈祷堂での刺殺死体が奇妙な書き置きとともに発見された!生物に知悉した先輩ライターの鳶山が調査に乗り出すが……。二人が出会う、様々な憑依の不思議を<観察者>の論理が斬る!(――「幽き声」他三編を収録)
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
出版直後に本屋で見かけたのに前作の『物の怪』と勘違いして「うん、これは読んだ」とスルーしてしまっていた。
妖怪というものを、理解不能な現象を体験した者に、とりあえずの説明として納得させ不安を取り除くための装置と考えると、真相がこれだけエグいのも頷ける。
Posted by ブクログ
「観察者」シリーズ連作短編ミステリ。ややホラー的な雰囲気もあって、謎はきっちり解かれてもなんだかどんよりとした余韻が残ります。それがまた、ホラー好きにはたまらないなあ。
お気に入りは「憑き物」。いったん解かれたかに思えた事件が、ラストでまた繋がって新たな真相が浮かび上がるところが何ともいえません。あまりに残酷な真相には絶句。
Posted by ブクログ
観察者(ウォッチャー)シリーズらしい。
3冊目?
植物写真家の猫田さんと観察者、鳶山さんが岩手の寒村で、鳥取の山村で、奄美大島の村で事件に遭遇する。
猫田さんが巻き込まれ、鳶山さんが謎を解く。
過疎化した山村の薄暗い森の中、廃墟というロケーションに心を躍らせ、イズナサマやユタの神儀にドキドキ。
なのだけど、なんだろ。イマイチ盛り上がりに欠ける。暴かれた真相が後味のよくないっていうのもあるのかな。
うーん。もっと面白くできたんじゃ?という気持ちが拭えない。
共感できる登場人物が不在なのかな。この世界に入りこめなかった。
それこそ鵺を相手にしているよう。