鳥飼否宇のレビュー一覧
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竹林に囲まれ竹を利用した生活を送る陸の孤島、竹茂村。
そこで起こる連続殺人事件。
珍しい竹の花から連想される「かぐや姫」のエピソード。
そして何より村に息づく『荘子』の教え。
いろいろネタはてんこ盛りで雰囲気出そうなのにあまり出ない。
何かちぐはぐというかとっ散らかったイメージ。
多分語り手役の猫田夏海さんのノリが軽すぎました。
個人の好みにもよると思いますが、
事件の陰惨さや歴史のミステリアスさに浸ろうとすると、
決まって腰を折られる感じがしました。
表紙から受けるイメージも歴史を紐解くような文章も、
もっと重厚な感じがするので、
その方向で進めた方が読み応えがあった気がします。 -
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“「なんだ、鳶さんが見たのはカラスだったんだ」
「違うよ。どうしてホシガラスが天狗なんだよ」
「だっていま烏天狗の話をしていたじゃない。日本の天狗のモデルとなった動物はカラスなんでしょ?それにホシガラスってなによ。わたしはただカラスと言っただけで......」
わたしがまじめに説明していると、変人生き物オタクが声を荒げて遮る。
「キミは壊滅的に愚か者だな。世界中探したとしても、カラスという種名の鳥なんかいない。カラスは科あるいは属の単位を指すグループの名称だ。おそらくキミはCorvus属のハシボソガラスやハシブトガラスを念頭に置いて発言したんだろうが、ヤツらは原則的にこんな高地には生息していな -
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大手玩具メーカー・トリストイに勤める物部真治。
彼の名刺には「人事部」としかない。それはある特異体質のために普通の社員には解決できない特殊事案を担当するためだ。
曰く、社内イジメの調査、会長婦人のペット探し・・・。
そんなある日、社の命運をかけた新商品<ハイパーT-REX>が盗まれた。
上司の命令で捜索を進めるうち、関係者の一人が転落死を遂げる・・・。
鳥飼さんの新刊。軽くゆる~いのですが、単純に面白かったです。
楽しんで書かれたのではないでしょうか。
社内の人間も個性的だし、ホームズ・ワトソン役の掛け合いも面白かった。
謎解きもなるほどで、その上ラストのサプライズ。
さすがです。
ですが -
Posted by ブクログ
子供のころから昆虫採集を趣味としていた松崎と柳澤は沖縄、やんばるの森へ来ていた。
オキナワマルバネクワガタの幼虫を探して米軍演習林に不法侵入をしていた二人は脱走兵らしいトム・コールマン曹長と出会い、宝があるという彼と3人でそこへ行くことになる。
ところが1月というのに時期はずれの台風がやってきて遭難しかけてしまう。
その途中見つけた洞穴にいくと宝を狙う猟師と一緒になるが、猟師はトムが宝の地図を書くと彼を射殺してしまった。
残された地図は暗号で書かれておりすぐには宝の場所がわからない。
しかし、森を熟知している猟師は宝を探しにでかけ、残された二人は森を出ようとするが、殺されたはずの曹長が生き返り