鳥飼否宇のレビュー一覧
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ネタバレ世界中の死刑囚を集めたジャリーミスタン終末監獄で起きる事件を、シュルツ老人と助手の青年アランが解決していくお話。
特殊な設定で、面白い世界観。
シュルツとアランの本当の関係は、なんとなく予想できてしまった。
アランの死刑に至るまでの日々の描写が妙に生々しくて恐ろしくて良い。
で、そのアラン君を、助けにきた父。
その場面は感動的なんだけど、最後の最後の一行で、その感動が台無しになるくらいの大どんでん返し。
あ、そうきたかーって感じ。
正直、個人的にはあまり好みじゃなかった。
じゃあ、どうすれば面白かった?ってなると返答に困るんだけど。
そもそもあまりこの二人に感情移入できてないから、ハラハラ -
Posted by ブクログ
ネタバレ正直終盤までは驚きの少ない謎解きで退屈な作品だと思った。
終盤から主人公が監獄に入った経緯など生い立ちが明かされていき、面白くなるのだが父親が誰かは安易に分かってしまったので残念(事前に匂わせすぎだと思う)
唯一驚きをもらえたのはシュルツは好々爺になったかと思っていたが、最後までエゴの塊であり、
息子を脱獄をさせたのは救うためではなく自ら開発したウイルスの唯一のキャリアを世には放つためで(も?)あったこと
脱獄後に息子は発症したのかや、世界にウイルスが広がったのかという、「いったいどうなったんだ!?」とモヤモヤさせて心を離さないという点で、記憶に残り続ける作品になりそう -
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戦国の世、九州は西の龍造寺、東の大友、南の島津が睨み合う三氏鼎立の状態であったが、三氏の影響がいまだ及ばぬ地域があった。そこに頭角を現したのが、椎葉正忠の重臣鷹生(たかき)龍久であった。築城の名人として名をとどろかせていた市房信秀を、卑怯な計略で白兵戦に持ち込み打ち破り、市房城を下賜された後、代替わりした龍政は、勢いに乗じてこちらも代替わりした主君の椎葉義忠を打ち破り、椎葉氏の一族郎党を皆殺しにした。ただ、義忠の息女であり、傾城の誉れが高かった鶴姫だけは生け捕りにして、自らの妻にするために城へ連れ帰った。かくして、この地を平定した鷹生龍政は居城の市房城の白壁を辰砂で赤く塗り、紅城(くれないじょ
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死刑囚を収容する「ジャリーミスタン終末監獄」の中で起きる事件を描いた、連作短編ミステリー。
監獄を題材とした作品のため、探偵・助手・被害者・犯人が全員死刑囚という、異様なミステリー。この練り上げられた設定と魅力的な登場人物に脱帽した。また、本作のジャリーミスタン終末監獄は日本でなく海外にあるので、様々な人種が登場する。登場人物や専門用語もカタカナであることが多いのだが、読みやすさと独特な設定に引っ張られ、瞬く間に読み終えた。
考えてみれば作者の鳥飼否宇氏は日本人なので、日本人の私が読みやすいのは当然といえば当然なのだが、どうやら翻訳作品をあまり読まない私は、外国人の名前が出てきただけで小難し -
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綾鹿市動物園で行われる人気アイドル“チタクロリン”のコンサート。 メンバーの一人がレッサーパンダに触れようとして指を噛み千切られてしまう。 やがて関係者が次々に襲われていき・・・。 ある者は中指を、ある者は小指を、持っていかれたり、放置されたり、指にまつわる事件は連鎖していく、果たしてレッサーパンダの事故は偶発的な物だったのか? 誰かが嘘を吐いている。
○○的でお馴染み綾鹿市シリーズ、テーマは「指」。 なんと物語早々アイドルグループの指が噛み千切られる。 そして指切り事件は飼育員や他のメンバーに波及していく。 大事なのは殺してから指を切り取ったのではなく、生きている人間から指を切り落として -
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作者 鳥飼否宇(トリカイ ヒウ)
初めての鳥飼否宇さんの小説を読みました。
題名と表紙絵はインパクトがあり、
おどろおどろしい話かと思い、
少し躊躇いながら読み始めました。
途端、怖さよりもユニークさに驚きました。
登場人物が全て動物に喩えられていて、
一人ひとりが記憶にも残りやすく、
読んでいて楽しくイメージしやすい。
なので、一旦途中で本を閉じておいて、
少しして再開して読んでも直ぐにどの人物か
記憶が繋がり話に戻れました。
小説の中では指を切られる事件が続くので
本当なら面白いというのは不謹慎なのですが、
登場人物を動物に例える表現も面白いし、
出てくる刑事のキャラクター -
Posted by ブクログ
妄想女刑事というより暴走女刑事である。
エキサイトしたり、リラックスしたり、平静だったりする時にふと妄想してしまうというでは、それはもう四六時中妄想しているのと同じではないか。と思ったら即座に同様のツッコミが入った。
前半なんて、こんなのが天下の警視庁捜査一課のエリートで良いのかと思ってしまうレベルだ。
正直言って探偵の方がよっぽど似合いそうである。
トリックも突飛なものが多い、本格ミステリーと思って読むのではなく、肩の力を抜いて読んだ方がいい。もっともこのタイトルで本格ミステリーだと思う方も思う方だが。
ただし一巻を通してのオチについてはなかなか面白い