一橋文哉のレビュー一覧
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これで「確定」でしょ?!
他の方々のレビューで「(この著者の書いてる事が)本当かどうか…???」みたいな感想の方が割と多い気がしたのですが、
自分としては「な~んだ、もう全部分かってるんじゃん」とすら思えるぐらい、こじつけ感も無くスンナリと理解出来ました。
そりゃ筆者個人のルポルタージュだから、当然公的な御墨付き等は付きませんが、これだけ調べて、これだけの証言が挙がってるなら、これでほぼ「確定」なのではないでしょうか?
日本の警察が縦割り組織で、頭が硬く融通が利かないのは周知の通りなので、國松長官狙撃事件もこの件同様、事実上お宮入りさせちゃった事を考えれば、この方の出した見解で十二分に説得力が有ると思いま -
購入済み
なかなかの力作です
紙面の関係で「割愛」させてしまった部分が多々あったのは残念ですが、その分読みやすく仕上がっています。
一読の価値はあるでしょう。 -
Posted by ブクログ
スピード感があり読み応えがあった。
本作でも書かれていたが小部屋に1千万持って隠れていたところを逮捕された弱視の男性というのを以前テレビで見て、非常に卑小な印象を受けた。その男がなぜサリンという巨大犯罪を起こした宗教集団を作れたのか。またその資金源はどこから来たのか謎だった。今回、本作を読んでロシアマフィアとの関わりや麻薬による資金作りなどなるほどと思うところが幾つかあった。
警察庁長官の狙撃事件などは警察が公安部主導によって結局迷宮入りになってしまったところなど残念としか言いようがない。
1番興味深かったのは麻原に詐欺の手法を教えた神爺、組織編成や教義などを作った長老、坊さんの3人という初期 -
Posted by ブクログ
オウム事件の幹部連の活動が、詳細に著述されています。表に出てくる幹部だけでなく、裏社会からの廻し者?の教団システム構築者が別に関与し、暗躍していたことにも驚きました。また海外での活動も活発で、危険極まりない兵器も入手し、現在もその所在がわからないなど衝撃的です。警察内部の失態も指摘され、噛み合わないまま大きな事態になってしまったこと、本書の指摘通りであれば残念です。また海外で活動していた刑執行された幹部が、最後の方では教祖と距離をおいていたような記載があり、走り続けて元に戻れない現実の中で、ジレンマがあったのであろうと思いますが、悪行と理解しつつも進むしかなかったと推察され、工学系の高学歴者で
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Posted by ブクログ
1.すべては話してません。
三億円事件の犯人の顚末については話したくない、など、秘密のままのことも多いです。様々な凶悪事件で犯人と目される人物の直撃取材もしているようですが、その内容も書かれていません。これは別の本にあるのかも?
スクープの取り方というパートがありますが、方法論などは書いてないので、さほどジャーナリストの参考にはならないと思います。
2.順番や時系列がバラバラ
色々な話題を飛びながら書いているので、さっきも読んだな、という箇所が結構あります。連載の再編なのでやむを得ないと思いますが。
そのせいか、著者の主張があまり頭に残りませんでした。
イマイチな点を先に書きましたが、昭和 -
Posted by ブクログ
一橋文哉『もう時効だから、すべて話そうか 重大事件ここだけの話』小学館文庫。
覆面ジャーナリストの一橋文哉が様々な事件の裏側や裏話を描いたノンフィクション。
特に幾つかの事件に焦点を当てるでもなく、類似事件を次から次へと羅列しながら事件の裏話を描いた感じで、今一つこれといた明確なテーマが読み取れない作品だった。
しかし、こうして昭和から平成、令和にかけて世間を賑わした数々の事件を眺めると、近年になって随分と卑劣で巧妙な犯罪や凶悪犯罪が増えているように感じる。本書に描かれているように犯罪の手口や殺害した遺体の隠蔽方法について容易にネットなどで情報が得られるからだろうか。
三億円事件やグリ -
Posted by ブクログ
一橋文哉『政界ヤクザ』角川文庫。
日本の戦後政治で暗躍した裏社会の人脈を描いたノンフィクション。
懐かしい事件や懐かしい名前が並ぶ。
巨額の富をもたらす利権を巡り、政界に食い込もうとする輩が居るのは今も昔も変わらない。それでも昔は総会屋、右翼、暴力団と利権を貪る悪の実体が明確だったが、今はその実体がよく解らなくなっている。次々と新たな悪が生まれては消え、やり方も巧妙になっているように思う。
今回の新型コロナウイルスに関連する政府の経済対策にしても、給付金配付事業、Go Toキャンペーン事業などの利権を巡り、一部政治家とべったりの企業と政治家だけが儲かる構図が見えている。少なくとも真面目 -
Posted by ブクログ
尼崎連続変死事件のルポルタージュ。
個人的には、小野一光さんの『家族喰い』の後に読んだが、事件の全体像を把握するにはその順番が分かりやすいかと。
本書が小野さんと決定的に異なるのは、“主犯格(角田美代子)に黒幕がいた”点。果たして、誇れるような学歴も人脈もないクレーマーの角田が、如何にしても多数の人間を操り、洗脳し、命まで奪うことが出来たか、なるほど理解出来る。
タイトルにもあるが、この事件の真相や『真実』は残念ながら、角田美代子が自殺してしまったが故に、誰にも計り知れない。だが、1人のモンスターの誕生秘話として、その一面を垣間見ることが出来たと思う。