一橋文哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
組織犯罪の戦後史…というところか。新潮文庫の『未解決』と
重複する部分が多々あるのはご愛嬌か。
多くの報道陣の目の前で刺殺されたのは、オウム真理教の村井秀夫
だけではない。豊田商事の永野会長刺殺事件も、実行犯が堂々と
「俺が刺した」と報道陣の前に登場した。
この豊田商事のペーパー商法の詐欺のノウハウが、現在の振り込め
詐欺やオレオレ詐欺に連綿と引き継がれている…なんてのは興味
深い。詐欺の「秘伝書」なるものが存在しているそうだ。
さぁ、では誰が何のために永野会長を刺殺させたのか。
豊田商事事件に限ったことではないが、著者お得意の謀略説が
延々と述べられている。分かっているんだ。「闇社会 -
Posted by ブクログ
「人を殺して死刑になりたかった」。犯行動機をそんな風に
語る容疑者が増えたのはいつからだろう。思うに、これは
動機とは言えない動機なのじゃないか。
怨みだったり、金銭目当てだったり。分かりやすい動機での
犯行よりも、どうしてそんな犯行に及んだのかが不明な犯罪
が増えた。
そして、年々増えていく容疑者の精神鑑定による減刑。
宮崎勤による幼女連続殺人事件は、繰り返される精神鑑定
によっても彼の心を捉えることは出来ず、確たる動機も解明
出来ぬまま宮崎本人は刑死した。
神戸の連続児童殺傷事件も動機は不明。犯人の少年は更生
したとして、既に社会復帰している。
近年の重大事件を例に取り、人間の心 -
ネタバレ 購入済み
本当の真実は何処に有るのか…?
2022年11月読了。
つい先月、工藤會幹部、佐藤容疑者が逮捕された。本書内で「暴力団幹部X氏」とされていた人物だ。
本書では「餃子の王将」に関する、あらゆる後ろ暗い闇の部分を全て洗い直しているが、結局確定的な説は見出だせず、著者にしては珍しく前後に起こった同様の事件や、闇社会に関する独自ルートから仕入れた情報等を色々とまぶして「どうにか一冊の本にした」感じで、とても「真相に迫る本」とは言い難かった。
ただ、叩けば色々と埃の出る過去を持った企業であるのは間違いなく、著者としては本書中に記した怪しい闇社会の何れかか、怨恨の線も捨てきれないと踏んで、両論併記のまま書き終えている。