あらすじ
2013年12月19日早朝、王将フードサービスの社長・大東隆行氏が本社前で何者かに射殺された。1年経っても捕まらない真犯人とその黒幕を、関係者への極秘取材から明らかに! 文庫化にあたり最終章を追加!
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Posted by ブクログ
この事件結局何だったのかなぁ、と気になって読んでみた。事実は小説より奇なりと言うけれど、嘘みたいな本当のような話。ヒットマン血縁説はさすがにないと思うけど。闇社会につながりがなくて良かったと安堵する一方、関わらざるを得ない職種があったり、真っ当に仕事をしていても企業テロを画策されたりとどこか別世界で起きた事件のよう。くだらない組織のしがらみで捜査が難航したり逮捕できなかったりしているとするなら馬鹿馬鹿しい。実行犯は捕まったようだが、黒幕は野放しか。
綿密な取材を重ねてまとめあげられたことはわかるが、文章としては少し読みにくい。
Posted by ブクログ
2013年12月に起きた餃子の王将社長射殺事件の真相を探る著者渾身のルポ。
もちろん真犯人は2017年8月現在でもまだ明らかになっていないので、本書でも犯人の特定はできておらず、複数の可能性を示すだけにとどまっている。
なお、本書は文庫であり、2014年に出版された単行本に出版後の追加情報を加えた「最終増補版」である。
しょっちゅう王将の餃子を食しているので、どのような経緯や背景があったのかが気になり読んでみたが、思いのほか王将の闇が深いことがわかった。個人的には、射殺事件とは関係ないのだろうが、「大阪王将」との関係についてもちょっとでよいから経緯等に触れてもらえるとなおよかったと思う。
Posted by ブクログ
2013年12月19日、餃子の王将社長・大東隆行氏が本社前で何者かに射殺された。事件から3年経過したが、未だに真相解明には至っていない。大胆な推理で事件と裏社会の関係を暴き、秘められた真実を探る渾身の事件ノンフィクション。
テレビや新聞では報じられることのない、企業と裏社会の関係が分かりやすく記述されている。きれいごとだけで企業の成長はなく、関わる人間たちにも憎悪という感情が必ず起こる。率直に感じたのは、この事件は未解決事件にされてしまいそうだということだ。永遠の闇は存在する。
Posted by ブクログ
なにこれ面白くない。なにひとつはっきりしてないじゃん。訳わかんない。この中で一番面白かったのは王将創業者の孫がウクライナ人女性と結婚してその後DVを繰り返し仲直り旅行中のエジプトで息子を連れて失踪した、ってとこだけだわ。冒頭で婆さんが語る創業者は満州で憲兵だった、姉をレイプした、みたいなのも特に立派な伏線になってないし、思わせぶりなばかりな駄作ノンフィクション。
Posted by ブクログ
せっかくなので、本書のラストは王将で読み終わろうと思い、近所の王将へ行く。それはさておき、企業トップが殺されるという大事件、企業テロにも関わらず現在も未解決というのは、考えてみれば怖い話である。ヤクザやフロント企業、半グレ、チャイニーズマフィア、新華僑コネクションまで目白押しであり、王将に限った話ではないだろうが、それらのアンダーグラウンドと企業社会は切っても切れない関係だと再認識する。本書自体は同じ話の繰り返しや「俺は裏社会を知ってるぜ」感を出してくる著者の話に付き合うのに途中でダレてくるし、事件の本質に迫っているとも言い難い。しかし今後の事件の推移には注目したい。
Posted by ブクログ
王将の事件だけに限るとそう真新しい事は無い。ワイドショーでも語られていた背後関係とか王将の歴史みたいな事をもう少し丁寧に書いてある感じ。むしろ企業テロの歴史であるとか現代のヤクザ、チャイニーズマフィアについて王将周辺から学ぶみたいな感じ。あと、飲食が拡大、海外進出する際に生じるトラブルなどが語られる。そのへんに興味が持てれば面白く読めるかな。あと、後述、後で詳しくという記述が多く感じたかな。
本当の真実は何処に有るのか…?
2022年11月読了。
つい先月、工藤會幹部、佐藤容疑者が逮捕された。本書内で「暴力団幹部X氏」とされていた人物だ。
本書では「餃子の王将」に関する、あらゆる後ろ暗い闇の部分を全て洗い直しているが、結局確定的な説は見出だせず、著者にしては珍しく前後に起こった同様の事件や、闇社会に関する独自ルートから仕入れた情報等を色々とまぶして「どうにか一冊の本にした」感じで、とても「真相に迫る本」とは言い難かった。
ただ、叩けば色々と埃の出る過去を持った企業であるのは間違いなく、著者としては本書中に記した怪しい闇社会の何れかか、怨恨の線も捨てきれないと踏んで、両論併記のまま書き終えている。
本書(最終増補版)の出版が2016年9月、事件発生は2013年11月で、今回犯人逮捕と成ったのが2022年10月だから、事件からは9年、本の出版からも6年の歳月が流れた。
勿論、警察は公判に影響の無い些末な物証のみしか発表していないが、著者も書いている通り、この程度の証拠だけだとしたら、今後公判を貫けるのか、甚だ疑問である。
メディアの報道が、中国の「ち」の字も触れていない状況を見ると、矢張九州のゴルフ場や店舗出店時のトラブルが直接の犯行動機、と見ているのかもしれないが、損得勘定の長けたヤクザが手間暇掛けて社長を殺すだろうか?と云う疑問は以前として残る。「落とし前が付いた」としても「その後の利益に繋がらない」からだ。
創業者一族の不明朗な金銭取引問題についても、時間が相当に経過しており、本書中の「U氏」はテレビの取材でも明確に否定していたが、そこに真の動機が有るとは感じられなかった。
ただ最近の記事で、故大東社長が事件の一年前程から「もしかして俺は殺されるかもしれない」と時折呟いていたと云う情報が出ているので、著者が挙げた「怪しい容疑者候補」の中に、真犯人が居る可能性は低くないと思う。
但し今回の佐藤容疑者(X氏)は、煙草の吸い殻の件など、不自然に証拠に成るものを現場に置いていった点など、およそ「専門分野の人間」で有ればわざと置いていった可能性の方が高いし、本書にもある通り「現場には居たけど、自分は撃たないで(殺さないで)帰った」と言われたら、どう反証するのか、検察のゴーサインは出ているのだろうが、今後始まる公判の先行きが気になるところではある。