あらすじ
2013年12月19日早朝、王将フードサービスの社長・大東隆行氏が本社前で何者かに射殺された。1年経っても捕まらない真犯人とその黒幕を、関係者への極秘取材から明らかに! 文庫化にあたり最終章を追加!
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本当の真実は何処に有るのか…?
2022年11月読了。
つい先月、工藤會幹部、佐藤容疑者が逮捕された。本書内で「暴力団幹部X氏」とされていた人物だ。
本書では「餃子の王将」に関する、あらゆる後ろ暗い闇の部分を全て洗い直しているが、結局確定的な説は見出だせず、著者にしては珍しく前後に起こった同様の事件や、闇社会に関する独自ルートから仕入れた情報等を色々とまぶして「どうにか一冊の本にした」感じで、とても「真相に迫る本」とは言い難かった。
ただ、叩けば色々と埃の出る過去を持った企業であるのは間違いなく、著者としては本書中に記した怪しい闇社会の何れかか、怨恨の線も捨てきれないと踏んで、両論併記のまま書き終えている。
本書(最終増補版)の出版が2016年9月、事件発生は2013年11月で、今回犯人逮捕と成ったのが2022年10月だから、事件からは9年、本の出版からも6年の歳月が流れた。
勿論、警察は公判に影響の無い些末な物証のみしか発表していないが、著者も書いている通り、この程度の証拠だけだとしたら、今後公判を貫けるのか、甚だ疑問である。
メディアの報道が、中国の「ち」の字も触れていない状況を見ると、矢張九州のゴルフ場や店舗出店時のトラブルが直接の犯行動機、と見ているのかもしれないが、損得勘定の長けたヤクザが手間暇掛けて社長を殺すだろうか?と云う疑問は以前として残る。「落とし前が付いた」としても「その後の利益に繋がらない」からだ。
創業者一族の不明朗な金銭取引問題についても、時間が相当に経過しており、本書中の「U氏」はテレビの取材でも明確に否定していたが、そこに真の動機が有るとは感じられなかった。
ただ最近の記事で、故大東社長が事件の一年前程から「もしかして俺は殺されるかもしれない」と時折呟いていたと云う情報が出ているので、著者が挙げた「怪しい容疑者候補」の中に、真犯人が居る可能性は低くないと思う。
但し今回の佐藤容疑者(X氏)は、煙草の吸い殻の件など、不自然に証拠に成るものを現場に置いていった点など、およそ「専門分野の人間」で有ればわざと置いていった可能性の方が高いし、本書にもある通り「現場には居たけど、自分は撃たないで(殺さないで)帰った」と言われたら、どう反証するのか、検察のゴーサインは出ているのだろうが、今後始まる公判の先行きが気になるところではある。