一橋文哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この事件、関心があるので一気に読みました。
以下、本書の内容が「おおむね本当」と考えての感想。
この事件が迷宮入りした理由は、警察の初動のポンコツ捜査のせいで取返しがつかなくなった、というのは有名ですが、これ、現在の警察の能力と実力じゃ永久に犯人確保は不可能なんじゃないかなと。。。
本書で、犯人(容疑者?)および被害者の両方に韓国系のキリスト系新興宗教団体が関連していたとかぶっちゃけてますが、日本の今の警察じゃこの団体に絡む事件を解決できる気がいまいちしない、、、。そして著者が犯人と疑う人物と現場の犯人の「指紋が一致した」ってマジですか!?って。
とにかく、二度とこのような事件が起こってほ -
Posted by ブクログ
冒頭、「麻原彰晃、死す!あの男が、ついに死んだ。」から始まる本書は、オウム真理教松本死刑囚と教団幹部6人の死刑執行後に発刊されました。(発刊直前には残る7人の死刑執行がなされたが、それについては多分発刊には間に合わなかったのでしょう)
一橋文哉さんの本は、三億円事件や世田谷一家殺人事件などの著書も読ませてもらったが、事件のことを詳しく分かりやすく親しみやすい文章で書かれているので、私個人的には読みやすいです。
結局、オウム真理教の事件は何だったのか?
真実が語られないなかで事件の核心人物たちが一斉に死刑に処された今では、永遠の謎となってしまいました。 -
Posted by ブクログ
怖い話だ。
事件として知ってはいたが、ここまでの話だったとは知らなかった。
本の構成は面白いと言うか、こう言うの普通なんだろうか。ドキュメンタリーのように事件を追うわけではなく、もちろん、事件の内容は語ってくれているが、そうしたものを素材に、なぜこの事件が起きたのか、首謀者の内面に食い込んでいくなどで展開する。
事件の時系列は行ったり来たりする。途中で年表があったりするので、何が起きたかはスッキリするが、ややこしい人間関係を一覧にした表は、ちょっと眺めたくらいではわからん。
一番怖いのは、こんなことに巻き込まれるきっかけが誰にでもあって、実際自分の身の上にでも起きかねないと言うことか。警察も -
Posted by ブクログ
2013年12月に起きた餃子の王将社長射殺事件の真相を探る著者渾身のルポ。
もちろん真犯人は2017年8月現在でもまだ明らかになっていないので、本書でも犯人の特定はできておらず、複数の可能性を示すだけにとどまっている。
なお、本書は文庫であり、2014年に出版された単行本に出版後の追加情報を加えた「最終増補版」である。
しょっちゅう王将の餃子を食しているので、どのような経緯や背景があったのかが気になり読んでみたが、思いのほか王将の闇が深いことがわかった。個人的には、射殺事件とは関係ないのだろうが、「大阪王将」との関係についてもちょっとでよいから経緯等に触れてもらえるとなおよかったと思う。 -
Posted by 読むコレ
購入済み暴力団排除条例によって、「暴力団」という看板がまさしくわからなくなった。山口組の3代目田岡組長が「生業をもて」とはっぱをかけ、任侠の世界に生きていたヤクザは確かにさまざまな問題を起こしてきた。しかし、どこの世界にも「アウトロー」はいるわけで、「アウトロー」の世界は「力=暴力」のバランスで裏社会が維持されてきたのだと思う。
そこに、裏社会の力関係バランスを崩してしまった現在、「アウトロー」の生態系は崩壊してしまったのだろう。その結果、裏ルールはなくなり、表の世界で一般市民をえじきにした新手の「アウトロー」が台頭してきたともいえる。
そもそも、「荒くれ者」をまとめていた団体が活動停止に追い込ま -
Posted by ブクログ
主に平成に起こった殺人事件を題材に、犯人たちがどのようにして殺人という選択にいきついたのかその心性を追っていく。自分の存在を確かなものにしたいとか、自分に都合のいいように周囲がなっていないことが不満であるとか、そういったコミュニケーション不全によって生じた捩れた精神が引き起こす殺人だからこそ、社会的に常軌を逸したと思われるような猟奇性を伴うのだろう。犯人たちの多くが親から虐待を受けていたり、住んでいる社会に居場所がないと感じていたり、近年の事件を起こさせたその心の闇とは、それを生じさせた社会にも原因がある。近年の犯罪には近年の社会がかかえる問題がやはり鏡となって映されている。