林望のレビュー一覧

  • 日本語へそまがり講義
    「日本語へそまがり講義」常に変化していて曖昧で、決して一つの物差しでは捉えることができない日本語。一見へそまがりで偏屈な24編のエッセイを通して、「最近の若者の言葉遣いはなっていない」「ラ抜きは文法的に間違っている」といった規範意識にとらわれることなく、自分自身の「ことば」についてもっと自覚的であっ...続きを読む
  • 知性の磨きかた
    自分の足で歩き、自分の目で見、自分の頭を使って、主体的に外の世界と関わっていけること。そしてそのための正しい方法=ものの見方を身につけていること。そんな「本当の知性」を磨くには一体どうすればよいのか?
  • 古今黄金譚
    脱線…。みっちゃんは、なぜなめちゃったのか? 人はなぜ尾籠な話が好きなのか? 古典文学を解説しつつ、日本人の糞尿大好き的ココロの奥深い謎に迫る。

  • 書藪巡歴
    本にまつわる本、というものが好きだ。著者はエッセイで世に知られることとなったが、「本業」は日本文学及び書誌学の専門家である。彼がその学問を志すまでの途上や、書物にまつわるあれこれについて語る。文章に品があっていい。
  • テーブルの雲―A Book for a Rainy Day―
    何につけ一過言あるハヤシセンセイ。テーマは多岐に渡るけれど、軽妙にして洒脱な文章で、するする読める。
  • 枕草子の楽しみかた
    学校で学んだ平安時代の宮廷暮らしを綴ったという「枕草子」、さらには「源氏物語」等は当時さっぱり面白味に欠けていた単なる古書だと思っていたが、現代訳された本書のような男女関係が多い物語(恋愛、恋文、女心・男心)少々エロチックな場面等は学生に教えようとすること自体がやはり難しかったのかと言う気がする。こ...続きを読む
  • すらすら読める風姿花伝
    フリガナ付きの原文と現代語訳が並列されているので、原文に興味がある方にはオススメ。各章ごとの著者の解説が面白く、理解が深まったように思う。ただ「神儀に云く」の章が省略されているので、注意が必要。
  • 源氏物語の楽しみかた
    源氏物語の訳者が読みどころを解説する。人間の喜怒哀楽は1000年前も変わらないと思った。本書の解説を踏まえれば、原文を読む際により深く味わえるだろう。
  • 習近平の中国 百年の夢と現実
    「中国の夢」のことは初めて知ったが、中国がこの先どこの向かうおうとしているのかが朧げながら見えてくる感じ。
    原則を破り三期目を迎えたことが、長い目で見て、この先吉と出るのか凶と出るのか。
  • 天網恢々(てんもうかいかい)~お噺奉行清談控~
     『耳嚢』で有名な、南町奉行である根岸肥前守鎮衛が公にせず比較的穏便に、なおかつ関わった人物それぞれにとってなるべくいい結果になるようコトを収めた事件のいくつか。まあ、人情系といえるでしょうか。鎮衛のキャラクタがいい。

    ▼簡単なメモ

    【一行目】春の彼岸になろうとしていた。

    【銀次】薬売り。根岸...続きを読む
  • 天網恢々(てんもうかいかい)~お噺奉行清談控~
    「林望」の連作時代小説『天網恢々 ~お噺奉行清談控~』を読みました。

    『薩摩スチューデント、西へ』に続き「林望」の作品です。

    -----story-------------
    江戸南町奉行「根岸肥前守鎮衛」。
    通称「耳九郎」のところには、今日も奇怪な話がやってくる。
    ある日、老掏模の「河童の平六」...続きを読む
  • リンボウ先生の文章術教室(小学館文庫)
    エッセイの指南書。小説や文章全般で心がけるべきことも載っており勉強になった。記憶に留めたい内容は下記。

    ・文字を惜しむ
    ・他人をこき下ろさない。流行語や手垢のついた表現に飛びつかない
    ・おいしかった、感激した、などの主観的な言葉に頼らない。対象の良かった点をどう表現すれば読者に伝わるかを意識し、客...続きを読む
  • 思想する住宅
    イギリスの景観が揃うのは、家が道路に面して同じ方向を向き、反対に庭も同じ向きを向いているから。

    日本人は通い婚でもよい。
  • 役に立たない読書(インターナショナル新書)
    本は、買って読むべし。(なんなら、2冊買っても良いのだ!)というのは、とてもわかる。そうしたいのは山々なのだけど…という点はあるが、読書は楽しむためのものであり賢くなるためのものでは無い。それだけで十分。


    私の読む本の選び方や、読み方がオススメされていて読書初心者としてホッとした。しかしその一方...続きを読む
  • 恋の歌、恋の物語 日本古典を読む楽しみ
    恋の和歌、物語や随筆の恋について。
    万葉集から、古今集、新古今集への流れはわかりやすい。
    万葉集は呪術的な様相が和歌にもふんだんに含まれている。
    古今集では、自然に心情を託し、新古今集では修辞法と心情がみごとに一致。描かれる情景に趣が増す。

    袖の話が特に面白く感じた。
    魂を呼び寄せる、魂を取り込む...続きを読む
  • 「芸術力」の磨きかた 鑑賞、そして自己表現へ
    自分の知らない芸術世界を知りたい欲求はある。だからこそこういう本も手に取ってみる。でも、最低限のいろはくらい、せめてまず掴んで、それから実際の作品に触れて、ってなると、どうしても必要な時間の捻出がネック。結局、まあ良いかってなっちゃう。で、昔取った杵柄の中で、ちんけな芸術生活が繰り返されていく訳です...続きを読む
  • 古典文学の秘密
    日本の古典文学のなかから、エロティックな話を紹介している本です。

    名エッセイストとして知られる著者だけに、品位を落としすぎることのないユーモアにくるんで、古典文学の教科書ではあじわうことのできない魅力を読者に伝えています。
  • 「芸術力」の磨きかた 鑑賞、そして自己表現へ
    仕事は人生に必須のものではない
    自己表現は本源的な欲求

    ニュージーランドのラグビーチームのウォークライ

    画一的な教育では芸術は育たない
    違いを許容する社会を

    自己表現とは、自分らしい自分を見せる

    観察し、考えることから芸術が生まれる
    物事を深く考える
    芸術はきわめて知的な営み
    つまらないこと...続きを読む
  • 能の読みかた
    どの程度一般的な読み解き方かはわかりませんが、それぞれ納得のいく読み解き方。
    能の演目(と言うのかな?)の知識を広く得るのにも良い本ですね。
    ちょっと能も観に行きたい感じがしますね。
    もう少し気楽に観られる環境があるといいんだけどな。
  • すらすら読める風姿花伝
    芸を愛する者として一度は読んでおきたいと思っていた本。

    一般的に、長い歴史の中で生き残って今に伝えられている著作は、個別の特殊技能(ここでは「能」)を超えて、ほとんど人生訓的な内容となっているのではないだろうか?

    芸であれ、仕事であれ、極めれば極める程、その人となりが現れるのであろう。実際、その...続きを読む