伊藤朱里のレビュー一覧

  • きみはだれかのどうでもいい人

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    同じ職場で働く年齢も立場も違う4人の女性たち。
    見えない刃でお互い傷つけ、行き場のない怒りが交錯する。どうでもいい人と突き放せたら楽だけど、そうはいかないのが現実。人間関係のややこしさ、この話から漂うヒリつきがリアルで引き込まれました!

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    2025年05月14日
  • ※個人の感想です

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    誹謗中傷はじめ様々な言論が飛び交い日夜誰かが炎上しているSNSもとい昨今のインターネット空間。いやはや読んでて背筋が凍る…w令和ロマンくるまが言う「ベタ・メタ・シュールの三すくみ」で自分だけは俯瞰で的確に物事を見られていると思ってる人や最近もはやテンプレ化した「思ってたことを言語化してくれた!」といいね押しがちな読者をガンガンに刺してくる。殺伐としたSNSが苦手な人(そもそもそういう人がこの私の個人の感想まで辿り着くのかは若干疑問の余地があるがw)は閲覧(?)注意な一冊かも。その中で第2話の『純粋に疑問なんだけど』は(このタイトルからしてもう最高!)ラストに少しだけ救いが垣間見えた気がした。

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    2025年03月09日
  • ※個人の感想です

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    還暦のおっさんです。
    アイドルや推しのことには疎いのですが、色々と学ばせてもらいました。

    多層的なので読むのに頭を使いました。
    3つ目の「なんで怒らないんですか?」が、一番ツボに嵌りました。

    講談社のバタやんのポッドキャストから来ました。

    たくさん笑わせてもらいました。

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    2025年02月16日
  • ※個人の感想です

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    それって「あなたの」
    感想ですか?

    借り物の言葉で、
    安全な場所から投げつけられる悪意になんか、
    負けない。

    推して、推されて、無責任な「感想」に振り回されて、抗って。
    氾濫する言葉と格闘する女性たちを描いた全4篇。

    切れ味抜群、なのに愉快でクセになる‼︎
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    インフルエンサー、
    インフルエンサーの本を出版する編集担当、
    インターンの大学生と契約職員のおばさん、
    アイドルオーディションで最終選考で落ちた候補生

    もう読みながら、痛くなりました。
    スマホが

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    2025年02月12日
  • 名前も呼べない

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    ネタバレ

    『名前も呼べない』と『お気に召すまま』の2篇。
    バシッと読者に突きつけられる、印象的な文章がいくつもありメモをとっておきたくなる。迷ったときに思い出せたら、きっと力になってくれそうな言葉たち。
    どちらの主人公も自分の気持ちがよくわかっていなくて、人生において何を優先して何を大切にすべきかも見失っている状態だった。ただこれは第三者として見ているから冷静に考えられるだけで、もし当事者だったら彼女たちと同じように困難な状況に陥ると思うし、誰しも自分のことになると偏った物の見方をしてしまうものだと思う。
    そんな主人公が、片や親友に、片や教え子に気付かされる形で、自分を取り戻していくラストに前向きさを感

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    2024年12月18日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    再読!県税事務所に勤める年齢も立場も異なる4人の女性たちが織りなす連作短編集
    あまりにリアルすぎてヒリヒリしながら読んだ
    どんな人でも何かを絶対抱えていて、私自身も経験したことのある過去の仕事のトラブルや嫌な気持ちをつらつらと思い出した
    ”県税事務所”という場所柄相手をしなければいけない人たちもまた大きな怒りや辛さを抱えていることが多い
    読んでいるだけでヒュッと心臓が縮む場面がいくつも出てくる
    けど、それが”働く”ということをより鮮明に、リアルに感じさせてくれた
    今、働くことになんだかしんどい思いをしている人ほど読んでほしい

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    2024年05月12日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    過去と他人は変えられない。
    変えられるのは未来の自分だけ。
    という言葉を思い出しました。

    あなたのためを思って、を振りかざされても、相手はそれを望んでいないことだって大いにある。
    勝手に向けた恩を相手から回収することを生き甲斐にされても困る。与えるなら、最後まで自己責任で。

    でも、
    他人をどうでもいいと思えないのは、その人に心の底からは失望していないからと思うと、少し希望のようなものを感じます。
    本当に諦めているなら徹底的に無関心になるはずだから。

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    2024年03月23日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    歌の歌詞にも出てくる「って誰もお前のことなどきにしてないだろ」ってやつですね。強く生きていけそうな気がしてきた。

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    2024年02月20日
  • 名前も呼べない

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    この本を読めて良かった!が読後すぐの感情。

    『名前も呼べない』と『お気に召すまま』。
    前者は固定観念をやられた。
    そして後者が特に好き。
    主人公(美波)の心情に共感する。

    どちらの作品も表現が好きだったので、
    伊藤朱里さんの他の作品を読みたい。

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    2024年02月03日
  • 内角のわたし

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    死ぬまで自問自答して、自分の中でああでもないこうでもないを言い合っていくのだろう。
    自分を甘やかす声と糾弾する声、その他いろんな声と仲良く向き合っていかなきゃならない。

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    2023年11月16日
  • 緑の花と赤い芝生

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    出来の良し悪しは分からないが、すごく好きな作品。杏梨の家族の話が特に心をめちゃくちゃにした。終盤の杏梨の母親やマリーの描写、それから氷の女王の言葉に泣いてしまった。最近の作品では久しぶりだと思う。ぜひ再読したい。

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    2023年07月23日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    自分は染川さんや須藤さん側の、誰かに尻拭いをしてもらっている側の人間なので、読んでいて居た堪れなくなった。

    分かりやすいパワハラセクハラじゃなくても、
    善意でやっていることが
    誰かにも負担を強いているかもしれない…
    めんどくさ‼️‼️‼️‼️‼️‼️

    職務

    それぞれの立場を考えて
    バランスを崩さないように立ち振る舞う

    これで安月給、昇給は雀の涙なんだから
    やってられないよな世の中と思った

    どうせどんな態度を取っても誰かには嫌われて、
    悪意はなくても傷つけているかもしれない。

    自分の思慮の届く範囲で気をつけながら
    どうでもいい人の言葉にいちいち傷つかず
    金稼ぎがんばろーと思った。

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    2023年05月07日
  • 内角のわたし

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    何も知らずに読み始めたときは、3人いると思ったらこれ、みんな主人公の人格なのね。って感じで最初は読みにくかったー。

    そこに理解が追いついてからはサクッと読めました。サイン、コサイン、タンジェントの3つの人格がバランスをとって生きている主人公。そこから浮き彫りになるのは、女性という性が直面する理不尽さや不条理さ。

    物語で女子高生が電車でおじさん?に怒鳴られるシーンに主人公が居合わせる場面が妙に印象に残っている。そこで思い出したのはかつてバイト先の店長に言われたひとこと。

    「もし、事故があったときは迷わず警察を呼びなよ。〇〇ちゃんは女だからってことでナメられることもある。だから警察を呼んでき

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    2023年04月28日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    ネタバレ

    この物語の終着点とキーマンに気づいたとき、肌寒く感じた。なかなか最後までたどりつくのが難しいかもしれないけど、ハッとさせられる瞬間がある。作家さん本当すごい。

    パワハラやセクハラを受けた人なら、読んだときにつらくなってしまうんじゃないかと思う。私は気持ち悪くなった。ただ単に、電車に揺られて酔ってしまったのかもしれないけど。

    「難易度の高いパズル」で思い出したけど、ブラッシュアップライフでテレビ局のプロデューサーが、キャストの順番を決めるのをそのように言っていた。年功順でもなく実力順でもなく。個人的な好き嫌いは、学生時代じゃなくてもずっとついて回るんだろうな。社会人が終わった後も。

    「そう

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    2023年03月27日
  • 緑の花と赤い芝生

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    専業主婦の母に育てられたリケジョでバリキャリの志穂子と
    厳しい教師の母に育てられ家庭に重点を置く典型的女子の杏梨

    正反対な二人だったが、志穂子の兄と杏梨が結婚した事で密接に関わる事になってしまう。

    自分で選んだ道を信じて進んでいても
    選ばなかった方の道を思い悶々とする事は誰でもあるだろう。

    本著では志穂子VS杏梨だけではなく、それぞれの母親との軋轢も加わり
    終始ヒリヒリした描写が続きます。

    実の母親との激しい応酬は、その情景が浮かび胸が苦しくなる。

    27歳の女性二人のリアルな姿を微細に描いた、考えさせられる家族小説。

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    2023年02月12日
  • 名前も呼べない

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    久しぶりに解説を読んだあとまたすぐ頭から読み返してしまった。
     
    誰かを好きになること、それが性愛であろうと友愛であろうと、その事実がどこかで、誰かに、何かしらの犠牲がうまれてしまうことにとても絶望してしまった。持っていたものを失うのは怖いし辛い。

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    2023年02月04日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    なるほどね、同じ出来事や言葉でも人によってはこんなにも受け止め方が違うのだと。
    自分にとってあまり関わりのないような人の気持ちもこの本を読むとなるほどね、と思える。
    でもどこに救いはあるのかな。
    自分の気持ちを見つめ直して、その先はどうなるのか全く分からないまま終わってしまった。

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    2022年09月26日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    ここ最近、「どんな人にも色んな事情があって大変。だからどんなことも受け入れられる寛容な心を持ちたい。みんなに優しくしたい」という気持ちでいた。(映画や読書、実体験なども含めてそんな思考になっていた)でもそんなスタンスでいたら自分が辛い時もあるなと思い始めていた。
    そんな時この本を読んで「そんなの知らねえよ」で済ましていいこともあるってことに気付かされた。

    あと「人を試す権利があるってどうして思えるんだろう」ハッとした。

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    2022年09月11日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    超リアルでこの人もと公務員かしらと思ったほど。
    わたしも県税事務所に勤務したことがあるので、いるいるこんなひと、こんな人間関係と、共感しきりでした。

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    2022年09月07日
  • 名前も呼べない

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    伊藤朱里さんは「クライマックスの会話シーン」がいい。この作品もそうだった。
    表題作のほかに「お気に召すまま」という書き下ろしが収録されている。こちらの作品の方が好きだった。ベッドの下に隠れるエピソードが印象的で、最後の会話シーンは力強かった。

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    2022年07月19日