伊藤朱里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
誹謗中傷はじめ様々な言論が飛び交い日夜誰かが炎上しているSNSもとい昨今のインターネット空間。いやはや読んでて背筋が凍る…w令和ロマンくるまが言う「ベタ・メタ・シュールの三すくみ」で自分だけは俯瞰で的確に物事を見られていると思ってる人や最近もはやテンプレ化した「思ってたことを言語化してくれた!」といいね押しがちな読者をガンガンに刺してくる。殺伐としたSNSが苦手な人(そもそもそういう人がこの私の個人の感想まで辿り着くのかは若干疑問の余地があるがw)は閲覧(?)注意な一冊かも。その中で第2話の『純粋に疑問なんだけど』は(このタイトルからしてもう最高!)ラストに少しだけ救いが垣間見えた気がした。
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Posted by ブクログ
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それって「あなたの」
感想ですか?
借り物の言葉で、
安全な場所から投げつけられる悪意になんか、
負けない。
推して、推されて、無責任な「感想」に振り回されて、抗って。
氾濫する言葉と格闘する女性たちを描いた全4篇。
切れ味抜群、なのに愉快でクセになる‼︎
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インフルエンサー、
インフルエンサーの本を出版する編集担当、
インターンの大学生と契約職員のおばさん、
アイドルオーディションで最終選考で落ちた候補生
もう読みながら、痛くなりました。
スマホが -
Posted by ブクログ
ネタバレ『名前も呼べない』と『お気に召すまま』の2篇。
バシッと読者に突きつけられる、印象的な文章がいくつもありメモをとっておきたくなる。迷ったときに思い出せたら、きっと力になってくれそうな言葉たち。
どちらの主人公も自分の気持ちがよくわかっていなくて、人生において何を優先して何を大切にすべきかも見失っている状態だった。ただこれは第三者として見ているから冷静に考えられるだけで、もし当事者だったら彼女たちと同じように困難な状況に陥ると思うし、誰しも自分のことになると偏った物の見方をしてしまうものだと思う。
そんな主人公が、片や親友に、片や教え子に気付かされる形で、自分を取り戻していくラストに前向きさを感 -
Posted by ブクログ
自分は染川さんや須藤さん側の、誰かに尻拭いをしてもらっている側の人間なので、読んでいて居た堪れなくなった。
分かりやすいパワハラセクハラじゃなくても、
善意でやっていることが
誰かにも負担を強いているかもしれない…
めんどくさ‼️‼️‼️‼️‼️‼️
職務
+
それぞれの立場を考えて
バランスを崩さないように立ち振る舞う
これで安月給、昇給は雀の涙なんだから
やってられないよな世の中と思った
どうせどんな態度を取っても誰かには嫌われて、
悪意はなくても傷つけているかもしれない。
自分の思慮の届く範囲で気をつけながら
どうでもいい人の言葉にいちいち傷つかず
金稼ぎがんばろーと思った。
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Posted by ブクログ
何も知らずに読み始めたときは、3人いると思ったらこれ、みんな主人公の人格なのね。って感じで最初は読みにくかったー。
そこに理解が追いついてからはサクッと読めました。サイン、コサイン、タンジェントの3つの人格がバランスをとって生きている主人公。そこから浮き彫りになるのは、女性という性が直面する理不尽さや不条理さ。
物語で女子高生が電車でおじさん?に怒鳴られるシーンに主人公が居合わせる場面が妙に印象に残っている。そこで思い出したのはかつてバイト先の店長に言われたひとこと。
「もし、事故があったときは迷わず警察を呼びなよ。〇〇ちゃんは女だからってことでナメられることもある。だから警察を呼んでき -
Posted by ブクログ
ネタバレこの物語の終着点とキーマンに気づいたとき、肌寒く感じた。なかなか最後までたどりつくのが難しいかもしれないけど、ハッとさせられる瞬間がある。作家さん本当すごい。
パワハラやセクハラを受けた人なら、読んだときにつらくなってしまうんじゃないかと思う。私は気持ち悪くなった。ただ単に、電車に揺られて酔ってしまったのかもしれないけど。
「難易度の高いパズル」で思い出したけど、ブラッシュアップライフでテレビ局のプロデューサーが、キャストの順番を決めるのをそのように言っていた。年功順でもなく実力順でもなく。個人的な好き嫌いは、学生時代じゃなくてもずっとついて回るんだろうな。社会人が終わった後も。
「そう