伊藤朱里のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
すっかり騙されました。しかも後味の悪い方に。
途中で違和感を覚えつつも「まあ常識的に考えてそういうことはないよな」と思い込んでいた自分への、
これは罰か、それとも復讐か。
「名前も呼べない」ことの意味(もしくは意図)が、今になってようやくわかった。
名前には、意外といろんな意味が含まれているのだ。暗号のように、符丁のように。特に、その「響き」の中に。
陳腐な感想だけれど、女性はやっぱり恐ろしい。
主人公の恵那にはほんとうにイライラさせられた。自分が知る小説の登場人物のうちでも一二を争う「嫌な女」だ。少なくとも今年の内では一番の、「嫌な女オブザイヤー」である。
しかし彼女を打ちのめすのだから、