伊藤朱里のレビュー一覧

  • 名前も呼べない

    Posted by ブクログ

    家庭のある相手と不倫をしていた主人公の恵那は前職の新年会でその恋人に子どもが生まれていたことを知る。最後にネタバラシがあって、おっと思ったけど、それがわかったあとだと題名はもしかしてこういうこと?ってちょっとしらけてしまった。
    文章はすらっと読めるしうまいと思う。けど会話文のセンスが残念で、メリッサは痛々しくて聡明にはいまいち見えないし、ここで一言!って時のインパクトがない。あと新人は短い中でややこしい生い立ちを付け気味。

    『お気に召すまま』離婚経験者の主人公は家族、友人、勤務先の学校の人の中で色々を乗り越えていく

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    2016年04月14日
  • 名前も呼べない

    Posted by ブクログ

    すっかり騙されました。しかも後味の悪い方に。
    途中で違和感を覚えつつも「まあ常識的に考えてそういうことはないよな」と思い込んでいた自分への、
    これは罰か、それとも復讐か。
    「名前も呼べない」ことの意味(もしくは意図)が、今になってようやくわかった。
    名前には、意外といろんな意味が含まれているのだ。暗号のように、符丁のように。特に、その「響き」の中に。

    陳腐な感想だけれど、女性はやっぱり恐ろしい。
    主人公の恵那にはほんとうにイライラさせられた。自分が知る小説の登場人物のうちでも一二を争う「嫌な女」だ。少なくとも今年の内では一番の、「嫌な女オブザイヤー」である。
    しかし彼女を打ちのめすのだから、

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    2016年03月24日