伊藤朱里のレビュー一覧

  • 内角のわたし

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    万人受けはしないと思うけど、なんっか好きなんだよなあ、伊藤朱里さん。
    気持ちよく読み終えられる本ではない、けれど、誌面にほんのり私がいる。その感覚がいいのかもしれない。

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    2024年09月07日
  • ピンク色なんかこわくない

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    ネタバレ

    4人姉妹と母。
    家族だけどみんなそれぞれ生まれついた性格があり、互いを理解できずの日々。

    長女は美人でおっとりしていて、昔から彼女に好意を持つ人たちの戦いが渦巻いていながらも、張本人の長女は何食わぬ顔で自由に過ごしている。

    次女は美人の長女と比べられたり、問題児の三女に迷惑をかけられながらも、得意の勉強を武器に世界に飛び出していく。

    三女は潔癖症でどこにも馴染めず何かと問題を起こしがちだったが、大人になって小説の新人賞を取りそれを生き甲斐にしている。

    歳の離れた四女はそれぞれの姉たちのお下がりや説教にウンザリして、自分を見失いかけていたけれど、新しい世代ならではの生き方を模索している。

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    2024年07月24日
  • 緑の花と赤い芝生

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    いわゆる「女性らしさ」を気にせず仕事に邁進する志穂子と、本音を隠しながらでも夫や姑と理想的な関係を気づこうとする杏梨の対比、赤と緑の対比が際立つ。嫌味っぽさやネチネチした思考が多くて、読んでいていい気分にはなれなかったのが正直なところ。

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    2024年07月06日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    きみはだれかのどうでもいい人
    辛いときもそう割り切って考えられるようになれる話と思いきや、救いのないリアルな人間模様。
    傷つけられたと思っている側も誰かを傷つけ、それでも関係は続けていかないといけない中で、人に相談したときに限って、きみはだれかにとってどうでもいい人、というタイトルが響いてくる。

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    2024年06月22日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    すごく深く、不快な内容だった。世の中のリアルを表現しているが、こんな現実見たくない、という内容。職場により環境により著書のような現実はあると思うが、人間社会の本当にいやなところを垣間見た気がした。子供の職場環境に興味が湧いた。

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    2024年06月10日
  • 名前も呼べない

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    元職場の女子会で恋人に娘ができたことを知らされる主人公・恵那
    かつて家族間で起こったことや、以前働いていた職場でのこと
    どうにも上手く自分を受け入れられず、生きづらさを抱えつづけている恵那…表面はへらへら取り繕っていても、そのしんどさがこっちにも伝わってきた
    怒るべきところで上手く怒れない恵那の代わりに親友のメリッサが気持ちいいほどの怒りを表してくれる
    物語として絶対必要だけれど、わりとメリッサも背負いこんでいるものは大きいんだよな…
    巧みで繊細な文と恵那の心情がマッチしていた
    ぐるぐると内へと沈み込むような内容なので元気なときに読むのをおススメします

    本作は「名前も呼べない」と「お気に召す

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    2024年06月08日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    リアル過ぎて暗い気持ちになった。
    誰かにとっての自分は対して気にされてないとわかっていても周りからの評価は気になるし、よく思われてないなら傷つく。自分だけ傷つけられてるつもりでも、無自覚に誰かを傷つけていることもあるっていう話。

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    2024年06月07日
  • ピンク色なんかこわくない

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    「ここまで極端じゃないし頻度だって低いけど近しい出来事や関係性、なくはなかったな」と感じる本でした。女家族のあれこれを誇張して煮詰めてグロテスクにしたのが本書で、それらを、舞台となった「家」でどうにかこうにか昇華したかったのかなあ。

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    2024年04月06日
  • 内角のわたし

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    森ちゃんの内側に住んでいるサイン、コサイン、タンジェントの3人が脳内会議を開き外界を測りにかける。
    うぁー、三角関数とか無茶苦手なアレルゲンなんですけど。呼吸できなくなるんですけど、保健室行っていいですかっていいたくなる感じに読みづらかったんですが次第に慣れてくると、可愛いが大好きで愛想ふりまくサイン、勝気で毒舌おばさん入ってるコサイン、日和見主義でやりすごすタンジェント、内角に守られて自分を形成してる森ちゃんは、他人からの無自覚な悪意や好意からも傷ついてしまう知覚過敏で許容量超えるとフリーズしてしまうこともあったりで、女の子って器から抜けきれないでいる。
    歯科助手の先輩には、毅然として隙のな

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    2023年12月20日
  • 緑の花と赤い芝生

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    正反対だけど家族との軋轢があるのは似ている2人。
    本音を曝け出した時すこし近づいたなという感じがした。

    肉親だからこそ根本的に考え方が合わないことってよくあると思う。(実際自分がそうだからそう思うのだけど)

    毒親という言葉で括られてしまうけど
    一生分かり合えない物悲しさ。でもこのまま適度な距離進むしかない感じがわかるなあと。

    『お母さん心配してるよ』などのまわりが諭す言葉は大嫌いだから読んでてうあああってなりました。

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    2023年12月16日
  • 内角のわたし

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    「好きと似合うがイコールじゃなくなったら死んだほうがマシ」
    と混乱する “サイン”
    「だったら死ねばっ」
    と毒を吐く “コサイン”
    「いやそれうちらも困るやん」
    と茶々を入れる “タンジェント”

    駅前のファッションピルに入っているショップで、洋服の試着をしている場面から始まる。

    え〜〜(⁠@⁠_⁠@⁠)
    サイン・コサイン・タンジェント
    って、高校の時に苦戦した三角比!?
    頭の中が苦手意識でいっぱいになる。

    でも数学嫌いの皆さん、安心して下さい。
    数学の話ではありません(笑)

    主人公は、理不尽な事だらけの世の中を懸命に生きる女性、森ちゃん。
    変化し続ける社会に対応し、女性である自分を守る

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    2023年11月21日
  • 緑の花と赤い芝生

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    タイプの違う2人の女性。自分はどっち側かなと思いながら読み進めていたけど、最終的にはどちら側も分かるしどちら側も理解できない部分がある。それぞれ相容れない部分はそのままに少し歩みよったかもしれない(?)二人で終わったのはベストだったのかもしれない。
    女の人特有の「あるある」が上手に表現されてて面白かったです。

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    2023年11月06日
  • 名前も呼べない

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    ネタバレ

    元職場の女子会で、自分の恋人に娘が生まれたと聞かされた。
    恋人は家族のある人、不倫の関係であった。
    恋人って言い方が気にはなっていたけど
    そういうことね。
    とにかく恵那が重いし、なんか好きじゃない。
    子どもの頃の出来事や、初めに就職した保育園での出来事かわいそうだけどね。
    亮子の恵那への気持ち、子どもの頃の父親との出来事もホントはどうなのか、メリッサとのこれからは、とかいろいろ気になる。

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    2023年11月04日
  • 内角のわたし

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    ネタバレ

    今までにない設定すぎて最初は混乱したが、なぜかするすると読み進めてしまい、世界観にハマっていった。自分が日々生きる中で感じたことのある思いも詰まっていた。
    そうとは書いてないけれど、多重人格の人の頭の中みたいな感じなのかも。でも最後は自分ひとりで歩いていく結末なのかと思ったら、いっときは消えたサインコサインタンジェントが再び現れたのが希望の話としては違和感があった。直線のその後が気になる。

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    2023年09月14日
  • ピンク色なんかこわくない

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    ネタバレ

    4姉妹の物語。それぞれ長所があり短所もある。
    拒食や潔癖が理解されない時代。
    1番下の妹が自由にならなきゃと思い込みすぎて、逆に自由に縛られていた印象。見ていてイライラした。
    お母さんは何がしたかったんだろう。

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    2023年08月20日
  • 内角のわたし

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    生きづらさを抱え、「愛され守られていたい」(サイン)、「隙を見せず強くありたい」(コサイン)、「無関心で平穏に過ごしたい」(タンジェント)という3人の「わたし」の意識がめまぐるしく移ろう、歯科助手のアルバイトをしている女性が主人公の小説。
    自分の中に複数の人格がいてせめぎ合っているという設定は面白いと思ったが、そのせめぎ合いの感じ(ここまでくるともはや多重人格では?)やストーリーの流れは、自分にはあまりしっくりこなかった。
    配偶者の呼び方や多様性についての小説中のやりとりは、なかなか興味深かった。

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    2023年08月04日
  • 名前も呼べない

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    ネタバレ

    「名前も呼べない」

    騙された... ずっと宝田(夫)と不倫してるのかと思ってた。これぞ、先入観です。
    メリッサはとても素敵な人だと思いました。


    「お気に召すまま」

    割と好きでしたね。全部ものごとに理由をつけなきゃいけない奴らなんて放っておきなさい。というこにスカッとした。
    最初の方読んでて、ずっと 元夫が頭良い嫌な人で "対等‪”‬ な関係を望めなくて、自分というものを無くしてしまいそうになっている人の話かなと思ってたけど、違うかった。

    生徒に対して 自分のせい だと思うのはやめなさい。そんなのは貴方の手にあまる問題であるし、1回や2回の過ちで、挽回の機会の一切を奪われる

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    2023年07月28日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    県税事務者に勤める4人の女性が主人公。
    同じ時間帯を1章づつ4人の視点でそれぞれ書かれているので、読み進めると、あーそういう事だったのかぁーとか、いやいやそんな事思ってたのかぁーとかが、次々出てきます。
    職場って色々有りますよね。
    皆プライベートでも色々有りますよね。
    スッキリする話では無いけれど、皆色々有るよねーと思ったら、何時もより人に少し優しくなれるかも。

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    2023年05月29日
  • 内角のわたし

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    なんと表現していいのか。主人公の気持ちが痛いほどわかるし、敏感すぎにも思えるし、若さやかわいいさを重要視させらてきた過去の自分にもシンクロして、それが彼女の中の3人の意識と同化してざわざわします。加害者が「年配の男性」とも限らない、被害者が「若い女性」とも限らない、自分が被害者と思っていても加害者であるかもしれない。そして至る所にそれらは存在して"つぎたしのタレ"のようになくならない。そんな世の中はなんて生き難い。主人公がたどり着く、とにかく考えることをやめないことしかできないのかもしれない。感想をうまく言うことが難しい小説ですが、喉に小骨が引っかかったような読後感が残る小

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    2023年05月24日
  • 内角のわたし

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    ネタバレ

    自分の中に3人いて、それを見ている感じ、懐かしい。おばあさんの話、こういうの説得力があるからすごい。

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    2023年05月21日