伊藤朱里のレビュー一覧

  • きみはだれかのどうでもいい人

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    ネタバレ

    この物語の終着点とキーマンに気づいたとき、肌寒く感じた。なかなか最後までたどりつくのが難しいかもしれないけど、ハッとさせられる瞬間がある。作家さん本当すごい。

    パワハラやセクハラを受けた人なら、読んだときにつらくなってしまうんじゃないかと思う。私は気持ち悪くなった。ただ単に、電車に揺られて酔ってしまったのかもしれないけど。

    「難易度の高いパズル」で思い出したけど、ブラッシュアップライフでテレビ局のプロデューサーが、キャストの順番を決めるのをそのように言っていた。年功順でもなく実力順でもなく。個人的な好き嫌いは、学生時代じゃなくてもずっとついて回るんだろうな。社会人が終わった後も。

    「そう

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    2023年03月27日
  • 緑の花と赤い芝生

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    専業主婦の母に育てられたリケジョでバリキャリの志穂子と
    厳しい教師の母に育てられ家庭に重点を置く典型的女子の杏梨

    正反対な二人だったが、志穂子の兄と杏梨が結婚した事で密接に関わる事になってしまう。

    自分で選んだ道を信じて進んでいても
    選ばなかった方の道を思い悶々とする事は誰でもあるだろう。

    本著では志穂子VS杏梨だけではなく、それぞれの母親との軋轢も加わり
    終始ヒリヒリした描写が続きます。

    実の母親との激しい応酬は、その情景が浮かび胸が苦しくなる。

    27歳の女性二人のリアルな姿を微細に描いた、考えさせられる家族小説。

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    2023年02月12日
  • 名前も呼べない

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    久しぶりに解説を読んだあとまたすぐ頭から読み返してしまった。
     
    誰かを好きになること、それが性愛であろうと友愛であろうと、その事実がどこかで、誰かに、何かしらの犠牲がうまれてしまうことにとても絶望してしまった。持っていたものを失うのは怖いし辛い。

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    2023年02月04日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    なるほどね、同じ出来事や言葉でも人によってはこんなにも受け止め方が違うのだと。
    自分にとってあまり関わりのないような人の気持ちもこの本を読むとなるほどね、と思える。
    でもどこに救いはあるのかな。
    自分の気持ちを見つめ直して、その先はどうなるのか全く分からないまま終わってしまった。

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    2022年09月26日
  • 名前も呼べない

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    伊藤朱里さんは「クライマックスの会話シーン」がいい。この作品もそうだった。
    表題作のほかに「お気に召すまま」という書き下ろしが収録されている。こちらの作品の方が好きだった。ベッドの下に隠れるエピソードが印象的で、最後の会話シーンは力強かった。

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    2022年07月19日
  • 緑の花と赤い芝生

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    ネタバレ

    2人の対照的な女性の物語。皮肉を言う場面が多いが、皮肉の質が良いというか、読んでいて痛いところをつかれた..!という感じがして、笑ってしまう。例えば以下のような文が痛快だった。
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    兄と連れ立って現れた彼女を見たとき最初に抱いたのは好き嫌いよりも先に、「顔を覚えられないかもしれない」という危機感だった。一度写真を目にしていたにもかかわらず、だ。万人に嫌われないために好感度で個性を塗りつぶしたような、この手の美人はかなり判別の難易度が高い。
    ーーーーーーーーー
    実生活でこんなことを言ったら大変なことになる。

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    2022年03月20日
  • 緑の花と赤い芝生

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    主人公は2人とも27歳。いわゆるアラサー女子を取り巻くあるあるを真逆のキャラクターで描いているんだけれど、アラサー辺りだけで終わる話ではなく、家族、人生の選択に関して永遠に悩む所が浮彫りになった一点を炙り出している痛いヒリヒリする話。

    そんなんだから貰い手がないそんなんだから結婚できないそんなんだからって、いつになったら認めてくれるのよ。なんで嫌な事、嫌って言ったら『もう大人なんだから落ち着け』になるのよ、なんで私は私なのに他の誰かを見習わなきゃいけないのよ、なんでなんでなんでっ!
    荒れ狂えば狂うほど母が冷めていくのが伝わってきた、分かっているのに止められなかった。アリ地獄みたいだった。

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    2019年12月01日
  • 名前も呼べない

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    ネタバレ

    表題作は入り込めなかったな。
    題名の意味も「こうゆうとこ??!!」って感じ。
    主人公の性格や言動がちょっとね・・

    「お気に召すまま」のほうがわかりやすかった。

    もっとどろどろぐるぐる心をえぐってくるかと思いきや、そうでもなかった。

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    2019年10月11日
  • 名前も呼べない

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    表題作は恵那を取り巻く様々な人たちのやや異色の関係が交錯する.退職後に開かれた飲み会で宝田主任に子供が生まれたことを聞かされて驚く恵那を罵倒するメリッサ.恵那は宝田の妻亮子にピアノを習っていたが,微妙な関係になっていた.メリッサは実は男で女装して活動しているものの本職は保育士.恵那と宝田の会話,メリッサとの会話,恵那の心持.どれもつかみにくい感じだ.「お気に召すまま」の方がしっくりした感じで共感を持てた.英語教師の美波は子供のころベッドの下の隙間に入り込み母の出て来いという声を無視した.程なく母は失踪し妹の有紀と父の三人暮らしだった.成長して結婚したが離婚し教師を続けている.生徒の中島文乃との

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    2016年12月04日
  • 名前も呼べない

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    ネタバレ

    第31回太宰治賞受賞作品。

    表題作『名前も呼べない』ほか、書下ろし短編『お気に召すまま』も収録されている。
    どちらも子ども時代に負った傷を身の内に宿したまま大人になった女性が、自らの罪と対峙するというモチーフが織り込まれている物語だった。傷を負った場面の状況は詳細に描写されていない。ただその時や現在の主人公の感情が、日常生活の合間にふと現れ痛切に語られる。だから読んでいる途中相当心抉られたのだが、でも最終的には癒しの物語だと思う。
    次回作も楽しみ。これは波長が合う人にはとことん合う系統の小説だと思う。孤独な女性の、生臭くない透明なリアリティがある。


    以下重要な部分のネタバレ含みます。

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    2016年11月17日
  • 名前も呼べない

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    太宰治賞の表題作も書き下ろしの併録作も非常に上手い。むしろ上手すぎるほど、描写にも構成にも隙がない。それだけにしんどい。こんなものばかり読んでいたら女性として生きることがとてつもない苦行に思えてきそうで困惑する。

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    2016年01月09日
  • 名前も呼べない

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    第31回太宰治賞受賞作。

    表題作は、所謂、不倫小説なのだが、読み進めていくうちに最初に戻って読み返したくなる著者のトリックにまんまと引っかかった。
    読み返してみると、著者は何も「嘘」をついていないことがわかり、ズブズブと物語にのめりこんでいってしまう。

    書き下ろしの2作目も、著者特有の女性主人公があまり明るくない過去の体験をベースに、「いま」を見つめていくお話なのだが、どこか品があって、どこか救いがあるところがいいな、とおもった。

    たまたまかもしれないが、『名前も呼べない』『お気に召すまま』両作品とも、どこか欠落した部分を抱え、「わたしなんて…」思考の強い主人公なのだ。わたしはこういう受

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    2015年12月23日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    特におすすめするほどではない。

    何名か好きな作家さんがいたので読んだが、
    普段の本の方がだいぶよく、
    テーマ縛りのリレーでこの短さだと
    まとめるのが難しいのかなと思った。

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    2026年06月28日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    日々のルーティーンの中少しのしあわせ。気に入ったカレー屋さん、大学で知り合った裕福な友人の話がよかった。かなちゃんと友だちになれて本当によかった、と言う桃華。経済格差があると難しいけどふたりが仲良くいられますように。

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    2026年06月14日
  • 食べて、寝て、しあわせ?

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    ネタバレ

    伊吹さん目当てで読んだが、藤野さんがおもしろかった。
    伊藤さんはよく分かりませんでした。
    「食べて」はよく出てきましたが「寝て」がピンときませんでした。

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    2026年06月10日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    ネタバレ

    3.3
    p90
    ただ、こちらの努力に応えてほしい。誠意を尽くしたら、ありがたいと思ってほしい。応える力がないのなら、せめて負い目くらいは感じてほしい。あなたの苦労に報いなくて申し訳ないと、十字架を背負いつづけてほしい。

    p206
    傷つきやすい人は苦手。自分が傷ついたという事実にばかりこだわって、その原因や周囲の状況にまるで注意を向けようとしないから。

    p374
    誠実さとは、なにか、と考えた。
    自分は、かならず誰かを傷つけている、という自覚ではないだろうか。

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    2026年05月27日
  • あなたが気づかなかった花

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    花のように名も違えば生き方も違う彼女たち。その美しさに優劣をつけられることもしばしば。自分を守る棘も時には必要だけど、使い所を間違えて人間関係をややこしくしたり。綺麗事だけでは生きられない、人生って難しいよね色々と。

    花言葉に添った話が進み、登場人物も繋がる連作短編集。ただ、登場人物が多くて繋がりが頭の中に残りにくかったな...

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    2025年11月23日
  • 名前も呼べない

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    「名前も呼べない」は、終盤に意味がわかると、思わず最初に戻ってしまいたくなるお話だった。
    一つ一つの描写が綺麗に書かれていて、すごく色んな比喩表現が丁寧だなと思った。
    「お気に召すまま」は、自分の中と重なる部分もあって色々考えさせられた。きっと、誰の人生にも後悔はあって、みんなそれに責任を背負って生きているのだと思う。
    どちらの話も、ズブズブと沼に落ちていくような終始暗い雰囲気が続くけれど、その重い雰囲気にまた魅了されていたと思う。
    今までにない読書体験だった。

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    2025年11月19日
  • きみはだれかのどうでもいい人

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    ネタバレ

    腹立つ相手がいても、「この人も誰かの大事な人なんだよな…クッソー…」と
    自分を律する話は よく聞く。

    そうやって自分を律することがよい と習ったわけではないけれど
    この流れをよく聞くから
    なんだかそうすることが正解なんだと思っていた。

    このタイトルを見てまず、「確かに」と思った。

    誰かの大事な人かどうかは そもそも不確かで、
    どちらかというと「誰かのどうでもいい人」な場合の方が高いんだよな。

    ひとつの職場の、
    4人の登場人物の主観に分けて、
    4章から成る本書。

    ちなみに、
    「君はだれかの大切な人」というフレーズは出てくるけれど
    「どうでもいい人」というフレーズは、直接的には出てこない

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    2025年10月01日
  • あなたが気づかなかった花

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    題名と表紙に惹かれて読んだ本♪
    各章に花の名前と花言葉がついており、花を検索してイメージを持ちながら読み進めていくのが楽しかった。
    各章に関係する登場人物が散らばってでてくるが、個人的には読み進めるうちに忘れてしまっている部分もあり、繋がりを見逃している部分もありそうで勿体無いなと思った。

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    2025年08月28日