伊藤朱里のレビュー一覧
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誹謗中傷はじめ様々な言論が飛び交い日夜誰かが炎上しているSNSもとい昨今のインターネット空間。いやはや読んでて背筋が凍る…w令和ロマンくるまが言う「ベタ・メタ・シュールの三すくみ」で自分だけは俯瞰で的確に物事を見られていると思ってる人や最近もはやテンプレ化した「思ってたことを言語化してくれた!」といいね押しがちな読者をガンガンに刺してくる。殺伐としたSNSが苦手な人(そもそもそういう人がこの私の個人の感想まで辿り着くのかは若干疑問の余地があるがw)は閲覧(?)注意な一冊かも。その中で第2話の『純粋に疑問なんだけど』は(このタイトルからしてもう最高!)ラストに少しだけ救いが垣間見えた気がした。
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Posted by ブクログ
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それって「あなたの」
感想ですか?
借り物の言葉で、
安全な場所から投げつけられる悪意になんか、
負けない。
推して、推されて、無責任な「感想」に振り回されて、抗って。
氾濫する言葉と格闘する女性たちを描いた全4篇。
切れ味抜群、なのに愉快でクセになる‼︎
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インフルエンサー、
インフルエンサーの本を出版する編集担当、
インターンの大学生と契約職員のおばさん、
アイドルオーディションで最終選考で落ちた候補生
もう読みながら、痛くなりました。
スマホがなかった時代、
個々の言葉は拾いにいかないと収集できなかった時代、
いまはSNSが日常で、
スマホをタップすれば世界中の「個人の言葉」が溢れていて。
通勤電車でも、
一つの車両の乗客全員がスマホを見ていて、
なんか怖くなったことがありました。苦笑
最近、芸能ニュースとかも
たくさんの人たちが自分の言葉をつぶやいていて、
強すぎる共感と、論破的な風潮と、分断。
スマホから離れられる読書で、
スマホやSNSのことを考えて想像して、
ぞわぞわするし、ちょっと怖いし。
だけど本だってある意味、個人の言葉が溢れてて、
なんなら私が書いてるこのレビューに盛大なブーメランです。苦笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『名前も呼べない』と『お気に召すまま』の2篇。
バシッと読者に突きつけられる、印象的な文章がいくつもありメモをとっておきたくなる。迷ったときに思い出せたら、きっと力になってくれそうな言葉たち。
どちらの主人公も自分の気持ちがよくわかっていなくて、人生において何を優先して何を大切にすべきかも見失っている状態だった。ただこれは第三者として見ているから冷静に考えられるだけで、もし当事者だったら彼女たちと同じように困難な状況に陥ると思うし、誰しも自分のことになると偏った物の見方をしてしまうものだと思う。
そんな主人公が、片や親友に、片や教え子に気付かされる形で、自分を取り戻していくラストに前向きさを感じた。
人って怒るべきときに怒って悲しむべきときに悲しまないと、それをずっと引きずることになり次に行けないのだと思った。 -
Posted by ブクログ
自分は染川さんや須藤さん側の、誰かに尻拭いをしてもらっている側の人間なので、読んでいて居た堪れなくなった。
分かりやすいパワハラセクハラじゃなくても、
善意でやっていることが
誰かにも負担を強いているかもしれない…
めんどくさ‼️‼️‼️‼️‼️‼️
職務
+
それぞれの立場を考えて
バランスを崩さないように立ち振る舞う
これで安月給、昇給は雀の涙なんだから
やってられないよな世の中と思った
どうせどんな態度を取っても誰かには嫌われて、
悪意はなくても傷つけているかもしれない。
自分の思慮の届く範囲で気をつけながら
どうでもいい人の言葉にいちいち傷つかず
金稼ぎがんばろーと思った。
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Posted by ブクログ
何も知らずに読み始めたときは、3人いると思ったらこれ、みんな主人公の人格なのね。って感じで最初は読みにくかったー。
そこに理解が追いついてからはサクッと読めました。サイン、コサイン、タンジェントの3つの人格がバランスをとって生きている主人公。そこから浮き彫りになるのは、女性という性が直面する理不尽さや不条理さ。
物語で女子高生が電車でおじさん?に怒鳴られるシーンに主人公が居合わせる場面が妙に印象に残っている。そこで思い出したのはかつてバイト先の店長に言われたひとこと。
「もし、事故があったときは迷わず警察を呼びなよ。〇〇ちゃんは女だからってことでナメられることもある。だから警察を呼んできちんと対応してもらいなさい。」
当時の私はなんで?って思ったけど、大人になるにつれて、女ってだけでナメてもいいって思う人は世の中にたくさんいるんだなぁということも学びました。
あー生きづらい生きづらい。 -
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ネタバレこの物語の終着点とキーマンに気づいたとき、肌寒く感じた。なかなか最後までたどりつくのが難しいかもしれないけど、ハッとさせられる瞬間がある。作家さん本当すごい。
パワハラやセクハラを受けた人なら、読んだときにつらくなってしまうんじゃないかと思う。私は気持ち悪くなった。ただ単に、電車に揺られて酔ってしまったのかもしれないけど。
「難易度の高いパズル」で思い出したけど、ブラッシュアップライフでテレビ局のプロデューサーが、キャストの順番を決めるのをそのように言っていた。年功順でもなく実力順でもなく。個人的な好き嫌いは、学生時代じゃなくてもずっとついて回るんだろうな。社会人が終わった後も。
「そういう考え方は違う」って私もよく言われます。キリキリしました。「成長してほしい」って上司からよく言われますが、私は成長するために仕事しているんじゃないです。共感。
以下は気になった文の引用です。
「わたしは、人のストレスを受け止めてお金をもらっている。」
「泣きたくなんかないのに、涙腺だけが勝手に震えてしまうあの感じ。」
「すべての地雷を避ける作業はまるで難易度の高いパズルだ。」
「成長。そんなもののために毎日働いているわけじゃない。あたしはあたしだ。たとえ変化があったとしても、それは人に、ましてや堀さんに、認めてもらうためなんかじゃ絶対にない。」
「いつの時代も親というのは、子供にもっとも苦労が少ないとわかっている道を選ばせたいのだ。」
「傷つきやすい人は苦手。自分が傷ついたという事実にばかりこだわって、その原因や周囲の状況にまるで注意を向けようとしないから。」
「自分の人生に「生きやすい」ときがあったかどうか。」
「「違うわね」「ルールは思考停止のためにあるの。時間短縮のため、トラブルを起こさないため。(略)あなたがルールを破るのは『嫌われたくないから』でしょう。」
「家族のためってことにしておけばまあ格好がつくっていうか、人生、たいていのことは言い訳がきくから」 -
Posted by ブクログ
主人公は2人とも27歳。いわゆるアラサー女子を取り巻くあるあるを真逆のキャラクターで描いているんだけれど、アラサー辺りだけで終わる話ではなく、家族、人生の選択に関して永遠に悩む所が浮彫りになった一点を炙り出している痛いヒリヒリする話。
そんなんだから貰い手がないそんなんだから結婚できないそんなんだからって、いつになったら認めてくれるのよ。なんで嫌な事、嫌って言ったら『もう大人なんだから落ち着け』になるのよ、なんで私は私なのに他の誰かを見習わなきゃいけないのよ、なんでなんでなんでっ!
荒れ狂えば狂うほど母が冷めていくのが伝わってきた、分かっているのに止められなかった。アリ地獄みたいだった。
そもそも「自分で選ぶ」などと言うのが傲慢です。自己責任論に帰着しかねない危険な発想でもある。眼前の事物におのずとつき動かされた結果だけが現在です。あなたは誰かのコピーではない。何者にもなれない。
自分で選んだんだし誰も傷つかない選択なんかないんだしと、振り切って前進して、気がつくと真っ暗な海に1人ポツンと浮かんでいた。悠長に止まったらどちらが前かさえ分からなくなりそうで、振り返ることもできなくなっていた。いつになったらあきらめがつくんだろう。どうせわかってもらえないなら、せめていちいち傷つかない人間になりたかった。北極星を目指して歩く旅人のように、どんなに無謀で孤独な道でも一点だけを見て進みたかった。
同じ様な気持ちに誰しもなるんだろうな…
まぁ同じ立場側に感情移入してどうしても読むんだが… -
Posted by ブクログ
表題作は恵那を取り巻く様々な人たちのやや異色の関係が交錯する.退職後に開かれた飲み会で宝田主任に子供が生まれたことを聞かされて驚く恵那を罵倒するメリッサ.恵那は宝田の妻亮子にピアノを習っていたが,微妙な関係になっていた.メリッサは実は男で女装して活動しているものの本職は保育士.恵那と宝田の会話,メリッサとの会話,恵那の心持.どれもつかみにくい感じだ.「お気に召すまま」の方がしっくりした感じで共感を持てた.英語教師の美波は子供のころベッドの下の隙間に入り込み母の出て来いという声を無視した.程なく母は失踪し妹の有紀と父の三人暮らしだった.成長して結婚したが離婚し教師を続けている.生徒の中島文乃との会話が教師として地に着いたものを示している.父との会食での話の中にベッドの下が安楽地(save point)であったことを認識する美波.著者は弱そうだがしたたかな女性を描いたのかなと思った.