友藤結のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本格的に始まるラヴィとエドワズの対立。そうなると自然に発生するのは荒事
これまではラヴィやスバルが荒事に対処してくれたけど、中途半端にリチャードが戦える状態だとむしろ連れて行くのは危険となるわけか…。だからってあの流れで置き去りにされて納得するくらいならリチャードは旅になんて出なかったのだろうけど
リチャードを託す為にビーシアに頭を下げたラヴィの様には胸を突かれる。それだけ今のラヴィには余裕がないし、リチャードを巻き込みたくなくて必死になっていたのかな…
だからこそ、リチャードがラヴィを見捨てずに「ししょーの弟子だ…!」と自分を定義して戦いの場へ向かうのは良かったよ
そのようなリチャードにビーシアが王者の片鱗を見たのは納得というもの
物語が終盤に近づいた事でリンクしてくるのはレオンハートが進める人間の国との和睦交渉。そもそも物語は交渉の試練からリチャードが逃げ出した事から始まった
また、本作の敵となったエドワズの狙いも人間と魔族の関係破綻
だから物語の終幕は自然とその交渉の場へと集約されるわけで。つまりはリチャードがその場で何を成すかが試される
逃避行のような旅の中で彼は自分の正体を隠してきた。それはラヴィから嫌われない為でも有ったけど、いつの間にかそれはラヴィやスバルと対等でいる為の条件になって
なら、彼が正体を表す理由はやはり二人と対等で居る為で。スバルを守る為に傷ついたラヴィ、ラヴィやリチャードを守る為に自決を選ぼうとしたスバル
追い詰められた二人を守る為にリチャードが出来る事はそれこそ己とは何者かを明かす行為だったわけだ
ここで更なるリチャードの成長として描かれるは、二人に加えてエドワズならぬテディをも守ろうとしている点か
テディは悪ではなく優しい人間だと信じている。また、彼とてリチャードにとっては守りたい”みんな”に含まれる
その意志は簡単に認められるものではない。だからこそ最後の試練が父への反抗となる
レオンハートは統治の為には対立する者の犠牲をやむなしとした面もある王。対して平和な時代に生まれたリチャードは「全部守れる王様」を目指すのか…
それはレオンハートの言うようにどう考えても甘い理想。けれど、その証左とする魔物を聖獣へと変化させた彼の本質はきっと誰もが到達できるものではない。そこには未知の希望がある
そんなリチャードの在り方がラヴィやテディの思い違いを直してやり、また人間の国との和睦を成立させる流れは良いね
逃避行が終わってリチャードが己の正体を明かしたなら訪れるのはラヴィとの別れか…
ラヴィを慕うリチャードとしては簡単に認められない別れという最大の問題に対して、最高のタイミングで登場して収めてみせたサリフィには本編主人公の貫禄を感じてしまったよ
また、一瞬だけサリフィとスバルの視線が交錯するシーンは印象的
そして時は流れてリチャードは15歳ですか。……10歳の姿に慣れているせいかゴツくなった彼のインパクトは凄い(笑)
成長して少しずつ国の運営に関わり始めるお年頃。そのように成長した彼が改めての形でラヴィ達と再会するラストは良かったな
本編とはまた違った視点から人間と魔族が存在する夜の問題に向き合った本作。対立を越えて愛を紡いだサリフィとレオンハートの子であるリチャードを通して新たな物語を紡いだという点を評価し、また感謝したくなる作品でしたよ -
Posted by ブクログ
師弟関係を解消されたリチャードにラヴィは自分を見捨てたように映る。ラヴィとリチャードだけであればそこで終わってしまう袋小路。ここでラヴィの心情を客観視出来るスバルが傍に居る事で異なる見方が出来たのは良いね
リチャードはラヴィに負けたかもしれない。でも、それで全てが終わるわけではない
スバルの助言、ラヴィの教えたかった事。それらを自分の中で整理して成長できたリチャードは立派だね
続き行われるエドワズの捜索。けれどラヴィ達に手掛かりが有るわけではないから、当て所無い旅になる。探す場所も膨大になる
だからって人間の国も捜索範囲になるとは思わなかったな。本編でも特別な事情がない限り立ち入らなかった人間の国。それをこのような流れで立ち寄る事になるとは。おまけに手助けしてくれるのがあのテトラなんて本当に予想外ですよ!
リチャードの知り合いで機転も利くとなれば渡りに船のような存在。けれど、そんなテトラは意外な問題に直面しているようで
彼女が言うように王族であれば政略結婚の道具とされる事は珍しい話ではないのだけど、本編においてサリフィとレオが様々な問題を越えた結婚を実現しただけにテトラにもその可能性があるのではないかと思えるが…
兎にも角にも、リチャードが修行を頑張る理由の一つに知り合いの結婚問題が加わったのは今後を考える上で大きな意味を持つのかもしれない
人間の国で知れたエドワズの過去は壮絶と云うか、リチャードと幾つかの点で真逆と言える存在のようで
両親や周囲から愛されたリチャード、親類から疎まれ大切な兎すら食い殺されたエドワズ
世界を知るために旅立ったリチャード、世界を壊すために旅立ったエドワズ
その違いは一時的にでもエドワズに親しみを感じたリチャードを惑わせるもの
もしかしたらその迷いが原因だったのだろうかと思ってしまう程に終盤に訪れた危機は突然。スバルを傷つけ守れなかった
スバルを犠牲にしようとするエドワズの凶行は明確に人間の否定を伴うもの。人間と魔族の架け橋を目指すリチャードはどのようにして彼の恨みを乗り越えるのだろうね -
Posted by ブクログ
サリフィとレオンハートによる壮大な物語。それを引き継ぐリチャードの物語は想像とちょっと違うというか、サリフィとレオンハートが立ち向かった問題を思うとかなり毛色の異なる物語のようで
ただ、こうしてリチャードが自身の生まれに関する問題に直面しないなら、それはサリフィ達が産まれに関する諸問題の多くを解決してきた証と言えるのだろうね
それでもリチャードが自分自身の力で立ち向かわなければならない問題というのは有るもので
人間の国との和睦交渉の成否を占う召喚儀式。10歳を目前に控えた少年にはあまりに過酷な試練
これからリチャードが逃げ出してしまったのも仕方ないというもの
そんな彼が出会ったのが賞金稼ぎのラヴィとスバルですか
凄い聖獣を呼び出せるくらいの強い魔族。幼いリチャードには悪漢を打ち倒すラヴィはそういう存在に見えたようで
アナーキーな生き方をする二人の存在は王宮で暖かく育てられたリチャードにとって未知の世界の住人。だから憧れたのだろうけど、別世界に生きるラヴィにリオンは覚悟の定まらない子供にしか見えない
そういった点を考えると、リチャードのこの逃亡劇はいずれ聖獣を召喚させる、聖獣に自身を認めさせるためのものだけど、風来坊であるラヴィに自分を認めさせる事がまず第一歩として存在していたと言えるのかもしれない
まず行われたのはスバルによる試練だね
甘ちゃんなリチャードは衣食住を自分で獲得した経験なんて無い。だからこそ、自分の力だけで生きてきたラクとの出会いはリチャードに生きる術を教えるし、彼に感謝と友情の印を贈りたくなったのだろうね
次なる試練は魔物との友情か
相手は自分に敵意を向けてくる。そんな相手と仲良くするなんて難しい。なぜならケモモはリチャードなんて認めてくれないから
だから相手に認めて貰いたいなら、まずは自分が相手を認めていると伝える事だったのかもしれないね
一生懸命に自身を守ったリチャードに懐いたケモモ
これはもしかしたら聖獣を手懐けるよりも難しい偉業を為したと言えるのかもしれないね -
ネタバレ 無料版購入済み
面白そう。
「贄姫と獣の王」が好きだったので、新作が気になっていました。小さな頃に出会ったアリスとサビが成長してこれからどうなるのかと読み進めていくと、いきなりアリスが死んでしまってびっくり。アリスの体に宿った聖巫女が、サビをポチと呼んだり、巫女という感じの性格ではないのも新鮮です。クロウのそばにいる少年がどういう存在なのかよくわからなくて気になりました。