湯川豊のレビュー一覧

  • 原爆の落ちた日【決定版】

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    この本は1941年、日本で原子爆弾の研究が始まる所からスタートする。アメリカ、ドイツの視点でも書かれ、やがてアメリカが広島に原子爆弾を落とすその日までが克明に記録されている。
    日本がどんな戦争をしたのか、どうして原爆が落とされてしまったのか、原爆が落とされた時どんな事が起きていたのか…
    “歴史にifは許されない”という1文があって、全くその通りで、今何を言っても歴史は変わらないのだけど、もしあの時ああしていたら原爆は投下されなかっだろう、と思う場面が多くあり、戦争によって犠牲になった沢山の人達の事を思うと色々と考えさせられる。
    教科書だけでは知り得ない所まで書かれているので、知れば知るほど、衝

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    2023年08月25日
  • 文学のレッスン(新潮選書)

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    丸谷才一による、文学に関する縦横無尽の講義。歴史的かつ同時代的にも文学を縦断・横断的な解説。聞き手の湯川さんも博識でこのようなインタビューはもうできないのではないかと思うと同時に、自分の勉強不足を痛感させられる。
    以下、自分の関心を中心に本書の内容を簡単に紹介する。なお、下記は本書のメモに近く、本書の魅力は数多くの作者・文献が各種紹介され、それぞれの作品の魅力が語られることにある。

    短編小説
    ・短編小説の面白さは本歌取り。短編の中に他の説話を盛り込むことにより、短い筋であるにも関わらず話の深さ広がりを作ることができる
    ・長編小説はイギリスで生まれた。生活に余裕ができて小説を読むという時間を持

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    2021年09月05日
  • 植村直己・夢の軌跡

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    冒険家 植村直己さんを支え続けた記者の視点で書かれた「伝記 植村直己」。
    植村直己さん自身が書かれた著書では分からないようなエピソードが面白く、偉大な冒険家の人間味あふれる一面を垣間見ることができました。

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    2017年02月18日
  • 原爆の落ちた日【決定版】

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    日本に2発の原子爆弾が落とされるまでの様子が淡々と、しかし確実な現実として語られていく。多くの日本人が知るべき事実、それは日本も原爆開発を進めていたこと。けっして他人事ではないのだ。しかし確実に進行していく戦争の現実の前にその可能性は低くなっていく。
    歴史にifはないと言われるが、本書を読むと、何カ所も「もしあのときこうしていれば」という思わされるところがある。それでもなお、やはり日本への2発の原爆投下はある程度の必然性というか、不可避であったのだとうということも同時に理解していくことができる。
    最後の広島の描写も最低限でありつつも力強い。
    多くの人に読んでもらいたい1冊。

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    2015年08月21日
  • 原爆の落ちた日【決定版】

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    前半は、どんどん不利になっていく戦況を受け入れられずに無謀な本土決戦に向かっていく日本と原爆の完成・投下を着実に準備していくアメリカを冷静に時系列に対比してあり、時限爆弾の爆発を待つような緊迫感がありました。
    後半は、投下後の地獄絵図が多くの人の証言で詳細に記録されており、現実を目の当たりにしているような迫力がありました。
    600ページを越える長編でしたが、あっという間でした。読んでよかったです。
    多くの方、特に若い人に読んでほしいと思いました。

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    2025年06月18日
  • 一度は読んでおきたい現代の名短篇

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    短篇小説の名作を小説読みのプロである著者が選びぬいた計44作品を取り上げた良質のブックガイド。「現代の」と銘打って入るのが、取り上げられた作家は、亡くなられた方も含めて一番年長が松本清張(1909生まれ)、一番若手で三浦しおん(1976生まれ)といった幅。
    短篇小説の醍醐味は、削ぎ落とされた文量で、いかに読者をその作品の世界に引き込み、楽しませるのかがキモ。ただでさえ少ない登場人物の心理を描かれる行動から読み取れれば作品の奥深さをより感じるのだろう。
    普段はエンターテイメント性の高い作品を好むので奇想天外なストーリー展開を期待し文章を追いかける読み方なので、今更ながら、この本で気づきを得られた

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    2020年08月10日
  • 新しい須賀敦子

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    確かに、何度も読みたくなる文章というのはあんまりないし、それが ”いい文章” ということだと思う。

    須賀敦子の文章は、時々読み返したくなるし、何度でも読みたくなる。

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    2016年05月18日
  • 新しい須賀敦子

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    須賀さんの魅力がぎっしり詰まった本書は、2014年に神奈川近代文学館で開催された
    「須賀敦子の世界展」に付随するかたちで行なわれた対談や講演を軸にまとめられたもの。
    文章を書くためには「ある種の力が湧いてくるまで」ひとりで考えること。それがはやくから分かっていた須賀敦子さんだったからこそ、執筆にとりかかるまでに時間が必要だったのかもしれないけど‥作品を通じてもっともっとお会いしたかったと思う。

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    2016年03月08日
  • 海坂藩に吹く風 藤沢周平を読む

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    正直なところを言えば、藤沢作品をあまり読んでいない。その分、藤沢周平作品を原作とする、映画は何本も観た。たそがれ清兵衛、隠し剣、蝉しぐれ、花のあと、、、などなど。いずれも胸を打つ美しい映画だ。その原作者の小説も、さもありなんと思い、この本を手にとった。登場する作品群を、時間がかかっても、ぜひ読んでみたいと思った。

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    2022年05月20日
  • 一度は読んでおきたい現代の名短篇

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    穂村書評集の時にも思ったけど、やっぱり本文からの切り貼りが過ぎる書評は苦手。”解説するよりも素敵な文章を抜き出した方が”って意見にも、与することは出来ん。だったら書評要らんじゃん。という訳で、本書も半分以上が物語からのコピペ、ないし要約に終始している。あらすじを知りたいだけならネットで十分だし、なぜ勧めるのかをもっと熱く語ってもらわんと、そもそもホントに好きなんかどうかも怪しく思えてくる。とこきおろしたついでに、本書の中から読みたくなった作品もまた、皆無なのでした。

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    2019年05月16日
  • 植村直己・夢の軌跡

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    何でも初が価値を持っていた当時、南極単独横断がフォークランド紛争でのアルゼンチン敗北により、実現できなくなったが故に、マッキンリー(現名 デナリ)を無理してでも登頂しようとした。
    もし、アルゼンチン軍の支援が得られて入れば、と思わざるを得ない。

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    2017年10月06日