湯川豊のレビュー一覧
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この本は1941年、日本で原子爆弾の研究が始まる所からスタートする。アメリカ、ドイツの視点でも書かれ、やがてアメリカが広島に原子爆弾を落とすその日までが克明に記録されている。
日本がどんな戦争をしたのか、どうして原爆が落とされてしまったのか、原爆が落とされた時どんな事が起きていたのか…
“歴史にifは許されない”という1文があって、全くその通りで、今何を言っても歴史は変わらないのだけど、もしあの時ああしていたら原爆は投下されなかっだろう、と思う場面が多くあり、戦争によって犠牲になった沢山の人達の事を思うと色々と考えさせられる。
教科書だけでは知り得ない所まで書かれているので、知れば知るほど、衝 -
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丸谷才一による、文学に関する縦横無尽の講義。歴史的かつ同時代的にも文学を縦断・横断的な解説。聞き手の湯川さんも博識でこのようなインタビューはもうできないのではないかと思うと同時に、自分の勉強不足を痛感させられる。
以下、自分の関心を中心に本書の内容を簡単に紹介する。なお、下記は本書のメモに近く、本書の魅力は数多くの作者・文献が各種紹介され、それぞれの作品の魅力が語られることにある。
短編小説
・短編小説の面白さは本歌取り。短編の中に他の説話を盛り込むことにより、短い筋であるにも関わらず話の深さ広がりを作ることができる
・長編小説はイギリスで生まれた。生活に余裕ができて小説を読むという時間を持 -
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日本に2発の原子爆弾が落とされるまでの様子が淡々と、しかし確実な現実として語られていく。多くの日本人が知るべき事実、それは日本も原爆開発を進めていたこと。けっして他人事ではないのだ。しかし確実に進行していく戦争の現実の前にその可能性は低くなっていく。
歴史にifはないと言われるが、本書を読むと、何カ所も「もしあのときこうしていれば」という思わされるところがある。それでもなお、やはり日本への2発の原爆投下はある程度の必然性というか、不可避であったのだとうということも同時に理解していくことができる。
最後の広島の描写も最低限でありつつも力強い。
多くの人に読んでもらいたい1冊。 -
Posted by ブクログ
短篇小説の名作を小説読みのプロである著者が選びぬいた計44作品を取り上げた良質のブックガイド。「現代の」と銘打って入るのが、取り上げられた作家は、亡くなられた方も含めて一番年長が松本清張(1909生まれ)、一番若手で三浦しおん(1976生まれ)といった幅。
短篇小説の醍醐味は、削ぎ落とされた文量で、いかに読者をその作品の世界に引き込み、楽しませるのかがキモ。ただでさえ少ない登場人物の心理を描かれる行動から読み取れれば作品の奥深さをより感じるのだろう。
普段はエンターテイメント性の高い作品を好むので奇想天外なストーリー展開を期待し文章を追いかける読み方なので、今更ながら、この本で気づきを得られた