岩永亮太郎のレビュー一覧
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絵柄から受ける印象と、物語の中で行われている残酷さと、大人の愛とがちぐはぐである、作者が描こうとしている物語の濃度に絵柄が追い付いてない、とも言えるのかもしれないのは否めない、全体的に「モブ」顏ばかりで、この作者の一番得意な「人物の顔」がオーランド伍長とアリスだけ、と言う感じなのだが…アリスの存在感に焦点を当てると丁度いいと思える。ある意味では、残酷さから目を逸らさない様にしている様にも思える。
この感覚は荒川弘のハガレンにも言える事で、「少年漫画」としてはこう言う絵柄が好まれる、読み解きやすいのかもしれないし、これ以上の劇画寄りの絵柄だと、オーランド伍長の描写は痛すぎると感じてしまうかもしれ -
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英雄を求めるものはいったいどういった人なのか?劣勢続く戦場に必要なものが提示される17巻。
英雄を求める者。どういった人が英雄を求めるのか、今作品では幾度もその問いかけがなされます。英雄は人々を救うためその身を捧げるモノ。永久にその称号を背負わされ頼り続けられる、それでも立ち続けるのが英雄と言う。ならば、その英雄を頼る人は誰なのか。誰にだって出来ることはある、すべての人が勇者だなんて言うのは簡単ですが、そんな人達が諦めた時に必要なのが英雄じゃないのか。正義を成したい人のために英雄はいる。改めて、パンプキンシザーズの英雄像を語る機会が今回有りましたが、詭弁を詭弁としないための見せ方をしてく -
Posted by ブクログ
今回も濃い、濃い巻でした。今まで謎とされていたカウプランの目的。今回すごいなとおもったのが、カウプランが死を恐れ始める前、彼は無力感、焦燥感、疎外感も感じない本当の意味の超人だったこと。そして、そんな超人を変えたのががたった一つの知らないという感情。
全能キャラが行き着く先はいつだって他者を殺していくことになるもんですが、これまたその作業がひどく現実的で段階的なところがいいですね。それもまだ科学的水準が低い段階でのこの狂気の沙汰がより恐怖感を煽ってるところがいい。
そして、ミュゼ=カウプランから告げられる言葉に無力感を感じるバーニー、この作品では何度も何度も同じ押し問答をしてそのたびに無