いしいしんじのレビュー一覧

  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    音楽にとりつかれた祖父と、素数にとりつかれた父と慎ましく暮らす、とびぬけて大きなからだをもつぼくの物語。

    どこか遠い国の童話かおとぎ話のようなこの世界観に最後まで入り込めなかった気がするのだが、気がつくと読み終えてた。

    正直面白かったかと言われればそうでもなく、かと言って面白くなかったかと言われればそういう訳ではない。

    なんとも不思議で難しい作品。

    終盤までは、不思議な世界の中、悲しい話で埋め尽くされるが、決してネガティブではない。

    「麦は、つぶされることで強く成長する。それで成長せずにくさってしまった種があったとしても、それは畑の肥やしになる。どんなことも、無駄だったということは何

    0
    2014年07月03日
  • 白の鳥と黒の鳥

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ファンタジーな色合いの中に、毒々しさが混じる短編集。
    いしいさんの作品の中では、全体的にはそれほど良いとは思えなかったが、「緑春」と「紅葉狩り顛末」がすごく好き。

    あと、春日武彦氏の解説も「おお、その通りだ」と思えて良かった。

    0
    2014年06月27日
  • ポーの話(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    うなぎ女たちの深い愛情に守られていた純粋無垢なポーが、人間の光と闇に触れながら「たいせつなもの」を見つけていく話。善や光、純粋なものとは対極する、悪や闇、汚れをも飲みこんで、はじめて真理が理解できるというような壮大なテーマだと感じました。今までのいしい作品に比べ、ちょっと説教臭さが鼻について、うんざりした部分もありましたが、でもやっぱり読み終えた後は、こちらが浄化されたような気持ちになります。「悪」ととられやすい人々や物事にも愛しさを感じさせるものが、いつもいしい作品の根底には流れているからかな。。。

    0
    2014年05月18日
  • みずうみ

    Posted by ブクログ

    京都の老舗パン屋、進々堂の創業100周年を記念して店頭で無料配布されていたブックレット『毎日のパン』を手に取り、感銘を受け、著者のいしいしんじに興味を持って購入した一冊がこれなんだけど。。。
    難解と言うのはあまりに雑な感想だが、著者自身の極めて私的な世界観に、一歩たりとも入り込めなかった。
    それでも、この感性を理解したいと思わせる、何ていうか、玄妙な読後感がある。
    初期作品から読み込んで行きたいと思った。

    0
    2014年04月03日
  • 白の鳥と黒の鳥

    Posted by ブクログ

    好きな料理研究家が読んでいたことがきっかけで読んだ。
    あまり、つっこみをしないで軽く流す感じで読んだほうがおすすめです。

    2013.10.10(1回目)

    0
    2021年09月11日
  • 白の鳥と黒の鳥

    Posted by ブクログ

    周りの声や講評で童話チックな文章と聞いていたのと装丁が可愛かったので借りましたが、何というか肌が合いませんでした。

    0
    2013年08月17日
  • 白の鳥と黒の鳥

    Posted by ブクログ

    妙な気分にさせられる。

    人も動物も植物も非生物も関係なし。

    暗くも寂しくも怖くもありつつ
    あたたかさと優しさも感じられる。

    0
    2013年03月12日
  • ポーの話(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    後輩なっちゃんから拝借。
    不思議ワールドが展開されているので、好みが別れるところだと思うが、
    私にとっては、ひとつの哲学書かなと思えた。

    不思議ワールドのなかに織り込まれた、
    普遍的な価値観。本当に大切なもの。
    それがちりばめられた本だな。
    その代表が、天気売りであり、ボロボロの女人形なんだろう。

    川の水は海へ流れ、蒸発し雲となって、
    また川へ戻って行く。
    ずっと前からそうであり、これから先もきっと、変わらない。
    人間の根っこの部分も、きっとそうだろう。

    0
    2013年03月05日
  • 四とそれ以上の国

    Posted by ブクログ

    いしいしんじは高校のとき(5年前?)に奪うように読み漁った記憶があり、それからすこし離れて、そしていま、「みずうみ」「四とそれ以上の国」を立て続けに読み終わり、びびっている。
    なんとなく雰囲気だけ味わう感じで読み進めたけれど、いったいどんな小説だったかと思い返しても、私のなかには何もない。

    0
    2013年02月17日
  • ポーの話(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    今まで読んだいしいしんじ小説の中で1番の長編。良い意味でも悪い意味でも純粋無垢なポーが人の心を知っていく様が印象深い。思い悩む大切な人に何もして上げれない時に渡すと良いかも。

    0
    2013年01月20日
  • ポーの話(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    1ページ目で「うなぎ女」が登場し、のちに「ポー」が生まれ・・・最初から何?何?の連続。だったけど、深く考えず読み進めるうちに、ゆっくり独特な世界観に入り込んでいく感じ。うなぎ女の母性愛はスゴイな。

    0
    2012年11月08日
  • ポーの話(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    愛すべきいしいしんじさんの作品だったので、購入。

    うなぎ女に拾われ育てられたポーのお話。
    ポーは善人でも悪人でもない、完全なる無垢な存在で、それが善人や悪人やどっちでもない人とかかわっていくお話。

    雰囲気はいつものいしいしんじさん節全開。
    ただ、展開が今まで以上にシュールでした。
    地方に伝わるおとぎ話の原文・・・という感じでしょうか?
    個人的には今回のようなお話よりも「プラネタリウムのふたご」みたいな話のほうが好きではあります。

    でも、メリーゴーランドを愛してます。

    0
    2012年09月24日
  • 白の鳥と黒の鳥

    Posted by ブクログ

    「少なくとも最後の最後、ばあさんはいいやつに会ったんだ。それで、きもちのいい運転でドライブを楽しんだ。車に乗ってるあいだは、楽しかったろう。少しのあいだ、身の回りのことさえ忘れたかもしれない。おまえさんはな、まちがった場所へ運んだんじゃあない。あの磯できっと正しかった。ばあさんの行き先が、おまえにはちゃんときこえたんだよ」
    メカさんは口をつぐんだ。
    運転手も黙っていた。
    みな口をとじ、その場に集ったまま、みも知らない老婆の姿を思い浮かべた。それぞれに、思い描いた相貌はちがっていたが、誰の頭にも、微笑みをたたえた皺まみれの顔しか浮かばなかった。
    (ボウリングピンの立つ所)

    0
    2012年07月04日
  • 四とそれ以上の国

    Posted by ブクログ

    難解・・・感覚的にはわからなくもないんだけど。たぶん、私が凡人過ぎるのだろうな。もう一度じっくり読んでみたい気もするけど・・・独特過ぎるww

    0
    2012年05月13日
  • 四とそれ以上の国

    Posted by ブクログ

    ちぎって投げた文章を集めて、カタに嵌めてぎっちぎちに詰めたみたい。
    ぎっちぎちに詰まれた文章から、四国の土や水のにおい、人の肌や汗のにおいがしてくるような作品だと思う。

    0
    2012年05月06日
  • ポーの話(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    子どもの発想みたいに無邪気で残酷なんだけど、どこかせつない。

    ひまし油が一番好きかなぁ。不思議な世界観。

    うなぎ女のあたたかさにうっかり感動しそうになった。

    0
    2012年05月03日
  • 白の鳥と黒の鳥

    Posted by ブクログ

    薄桃色の猫たちという短編が印象に残っている。
    毛をすべて剃られた猫たち。みんなが愛してるのは毛なのだと言う「甥」。
    狂喜的で怖かった。

    0
    2012年04月15日
  • ポーの話(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    それは、ながいながいお話だった。
    感覚としては読み終えた時そんな感じでした。
    充実感というのか。

    一人の人の一生の物語を読んだ感じ。

    水の流れや
    女の人たちのあたたかさ。
    それに触られたかの様なあのリアルさは何なのだろう。

    0
    2011年06月29日
  • みずうみ

    Posted by ブクログ

    アルプスと猫を読んでからだと余計に三章が苦しかった
    作者はのたうつような悲しみの中でこれを書いたんだろうなと思ったから
    好きかと言われれば素直に頷けないけれど では嫌いかと言われたら そんなことはない と言いたい それにしても最近のいしいしんじは粘性というか生々しさを感じるようになった ポーのあたりから特に

    0
    2011年02月21日
  • みずうみ

    Posted by ブクログ

    今回のいしいしんじ作品は3章からなる小説。



    1章はかわいらしくて生々しいファンタジーの世界。
    みずうみとともに暮らす村を描く。

    2章の舞台はどこの世界かも分からない、いつかも分からない、どこか、異国。
    そこでタクシー運転手をする男性を描く。

    3章の舞台は松本市、ニューヨーク、キューバ、メキシコなどである。
    日本人と外国人カップルを描く。



    この3つの章に共通して流れているのが水。

    1章はごりごりのファンタジー、2章は現実かどこかおぼつかない世界、3章は現実世界。
    相互をつなぐのは節目にでてくるキーワードだけで直結した連続性はない。
    しかも物語はある時間を切り取ったようで完結して

    0
    2011年01月16日