スタニスワフ・レムのレビュー一覧

  • ソラリス 下

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    下巻では、引き続き酉島伝法タッチのキャラクターが随所に出現する。3人の乗組員はそれぞれ秘密を隠しながら照射実験の打ち合わせを続ける。一方、形成物であるハリーは、人間と紛うことなき心を持つようになり絶望感で液体酸素自殺未遂まで起こすことで自分の正体を知ることになる。そしてスナウトによりハリーは消え去ってしまう。コミックスのラストシーンは少し中途半端。何かのメッセージを以って締め括って欲しかった。原作に忠実という意図は理解できるが、少しぐらい自由度を上げても良いのではなかろうか。p149~p153の空白、要りますか?

    今回あらためて、1961年に書かれた「ソラリスの陽のもとに」、1972年に映画

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    2025年02月14日
  • ソラリス 上

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    SFマガジンに本作品の第1話(冒頭部分?)が掲載された時に、このコミックスが今後連載されるのかと思ったが、そうはならなかった。少々残念な気持ちのままその時は諦めたが、今回単行本2冊という形態をとって出版された。最初はネットでしか見られないという先入観もあったので、この快挙に(大げさかな)年甲斐もなく興奮してしまった。書店でも結構な冊数が出ていたので、販売元もかなり気合が入っているのではないだろうか。

    ソラリスというと真っ先に思い浮かぶのは映画「惑星ソラリス」。タルコフスキー監督によるこの作品は今までに何回も観てきた。ストーリーが解っていても何回観ても飽きない。未来の交通網「首都高」、驚きのラ

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    2025年02月14日
  • ソラリス

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    殆ど現象に近い生命のかたち。水蟲のようなもの。対話は叶うのか?まだ彼は諦めていない。映画はどうしてそうなっちゃうのか

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    2024年08月11日
  • ソラリス

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    何度も映画化されたSFの名作です。ホラーか恋愛ものか、見知らぬ者とのコンタクトの話か、様々に読める本作ですが、不可解なものに対峙した時の人間の反応が生々しく描かれており、興味深かったです。分からないものを受け入れたときに人間はどうなるのか、相互理解は難しいでしょうね。宇宙もののテーマですが、人間間でもいえる問題のようにも感じましたね。

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    2023年12月18日
  • ソラリス

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    読み終えた後、一番に思ったことは、人間の存在の不確かさでした。生命とは私達が考えうるよりも、もっと機械的であり、機能的であり、古代的でもあり、包括的で遊びのような余白を備えた存在なのではないでしょうか。
    私たちはその生命体の一部分であり、無機質的な機能の一つであるとそう思えてならないのです。

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    2023年04月13日
  • インヴィンシブル

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    SF。旧題『砂漠の惑星』。
    著者お馴染みのファーストコンタクトもの。
    ホラー小説といってもいいくらいに怖かった。
    自分の想像力では思い浮かべることができないほどの、圧倒的な情景描写が魅力。
    もちろんSF的なアイディアも素晴らしい。
    著者の作品は、いつも理解が及ばないことが唯一の難点だと感じているが、充実した解説が理解の助けになってありがたい。

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    2022年09月18日
  • マゼラン雲

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    SF。
    太陽系外探査。コンタクト。
    コンタクトもののSFとしては、ハッキリしない感じが、『ソラリス』を思わせ、著者らしさを感じさせる。
    登場人物が理性的な人ばかりで、全体的に静かな物語。
    個人的には、最後の2章が好きすぎる。
    「地球の花々」でのグーバル教授の推論にワクワクし、別れに感動。
    最終章「マゼラン雲」は…とにかく最高。ラスト一文が美しい。
    あまりに難しく、読み応えがありすぎて、全く理解できた気はしないが、もしかすると傑作なのでは?

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    2022年08月15日
  • 泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕

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    自分史上いちばんエグいディストピアものだった。ドラッグで万能の理想郷に魅せられている間に、現実は地獄のように、自分の体がオリジナルじゃなくなっている恐怖。 映画『コングレス未来学会議』を先に観たんだけど、そのときは刹那的に世界や人間が変容していくことに対しびっくりするほど泣いた。ただ本作には泣く要素はなく、ブラックなユーモアの効いたSFだった。造語が沢山出てくるが、これらを意味の通るしっくりくる日本語に訳すのはとんでもなく骨の折れる仕事だったと思います。薬の名前とか、ドラえもんの道具みたいで秀逸だった。

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    2020年11月02日
  • 泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕

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    p.189
    「何事にたいしてももはや自然な反応をするものなどだれもいないのだー化学薬品の作用で学習し、人を愛し、反乱を起こし、ものを忘れるのだー薬物で操作された感覚と自然のそれとの間には違いがなくなっている。」

    レムのSFを読んだのは、ソラリス以来かな?相変わらず一文一文奇妙な文章だらけなのに伏線が回収されなくずっと話が続いていく感じで捉えどころがない。でもとんでもない未来への想像力、予想もつかない展開、そしてちらりと見える社会問題への皮肉など読んでいて楽しい。

    薬品がドラえもんの道具みたいで面白かった。
    一層剥がれるたびに残酷な現実が、という瞬間が恐怖。

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    2016年11月18日
  • 泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕

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    レムのユーモアものってちょっと苦手にしているのですが、やっぱりレムなので読んでみる。

    70年代の冷戦時代に書かれた、ディックばりの薬物で現実がコントロールされてしまう世界。
    トリガーが薬物なだけで、自分が認識している世界は現実のものなのか区別がつかなくなってしまうという点では仮想空間と現実の融合が始まっている現代も同じなのではないでしょうか?ディックほど病的な精神状態を描くわけではありませんが、淡々と追い詰めていきます。国家間戦争ではなく、テロが横行してるっていうのも現代的。怖っ。

    レム祭りスタートするか!

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    2015年08月30日
  • 泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕

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    ただのほら話でも、クスリの見せる幻覚の模写でもなく
    現代からみてリアルなところはないのに、
    そっちの方向ではなく知恵を使って
    現実の世界を変えていかなければ
    とてもグロテスクな世界になるということ、
    数々の造語と、言葉の変化で楽しませながら、
    当たり前ではあるが、主人公よりぶっ飛んでいるのは
    これを生み出せる、著者の頭の中。

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    2015年06月30日
  • ソラリス

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    ネタバレ

    9/16-25難しかった。作り出されたハリーが自我を持って自殺を試みるのが不思議だった。海とは結局なんなのだろう。時間が経ったら読み返したいけど、たぶんもう読まないかも。

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    2025年10月16日
  • 電脳の歌

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    遠い昔なのか遠い未来なのかわからないが、宇宙のどこかで、どんな要求をも満たす全能でサイバーな曲者マシーンを生み出す宇宙有数の“建造師”トルルルとクラパウツィウスの壮大な叙事詩というか冒険譚というか寓話というか法螺話というか。とになく意味がないけど意味ありげなお伽話でびっしりと埋められていて、正直読んでも読まなくても、飛ばしてどこから逆から読んでもかまわない。とにかくまじめに読む必要はないが、そこには量子力学だったり作者の豊富な科学的知識が詰め込まれていて、クスリ、ニヤリとさせられることも多く、作者スタニスワフ・レムが1921年生まれと考えると、何やらとても示唆的でもある。手元に置いて気が向いた

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    2025年08月07日
  • ソラリス 下

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    スタニスラフ・レムによる傑作SF小説の漫画化。原作の哲学的な問い掛けが、漫画だからこそ可能となる表現で象られる。静かな会話、迫る不穏感。人間が愛の外に投げ出され、しかし愛のようなものが心を抉るように覗き込んでくる。人類を超越する知性とのコンタクトが哀しく胸に迫るのは、愛や孤独や希望が、人間の幻想に過ぎないものだからか。

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    2025年05月26日
  • ソラリス

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    確かに地球外生命のイメージといえば、人型で、人類と当たり前のようにコミュニケーションが取れる存在だったが、そうではない可能性ももちろんありると気付かされた。

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    2025年05月04日
  • ソラリス

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    良くわからないけど何か分かりそうだけど結局よく分からなかった話。なんなんだと思ったけど、長い間よく分からなかったモノが一人の人間がチョロっと探査に行ってる間に分かるようになるわけないもんなと最終的には納得した

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    2025年04月15日
  • ソラリス

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    ネタバレ

    「宇宙人は人間とは違った生き物であるが、人間が理解できるような体の構造や意思をもっている。」と私たちは知らぬ間に思い込みがちだけど、それって絶対おかしいよなと思ったことがある人にとっては、ある意味とても納得感のあるファーストコンタクトものだと思う。
    私自身の感想としては、この物語は「極限状態でのラブロマンス」と言うよりは「欠陥のある神の無邪気な遊びに翻弄される人間たち」というイメージが近かった。

    森見登美彦先生の『ペンギン・ハイウェイ』が本当に大好きで、『ソラリス』から影響を受けていると知って読もうと思ったのはいいけど、ハードすぎて読み終わるまでに半年ぐらいかかってしまった。
    途中までは、

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    2025年04月06日
  • ソラリス

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    これこれ!これが言いたかったんよ!
    地球外生命体とのコンタクトってこっちの理屈が通じる前提なのおかしいべ。少なくともこのぐらい意味不明なはず。

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    2025年03月07日
  • ソラリス

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    比較的わかりやすいストーリーで面白かった。が、後半は解釈が難解。その後の訳者解説にて全体を理解することができた。
    本作は、人類が宇宙への進出をまさに進めている時代に描かれた。未知なるものと出会った時、どう行動するか?どう理解するのか?を描いたとのこと。ただのラブロマンスではない。
    中盤までサスペンス感があり、その流れは面白かったな。ミモイドの話は理解が難しい。なんとなくでしか理解できてない。

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    2025年01月20日
  • ソラリス

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    もう戻らない恋人との幻のように切なく淡い時間の話してくれるのかと最初はワクワクしてたけどどうも違ったみたい。
    この話はとにかく惑星ソラリスの生態記録がメインで、中盤からひたすらその説明パートになるんだけども登場人物の目の前で起きてることが想像力で補える範疇を超えすぎて途中から諦めつつあったので、現代の最新CGを使いまくった映像で見たい気持ちがあるな。
    ヒトと異なる生命体と、戦争するわけでも意思疎通するわけでもなくただそこにあるものとして共存する、それが海の形をしているのは、なんとなく良かった。海に対する印象って大体そんな感じだったから…

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    2025年01月09日