あらすじ
ソラリス──この静謐なる惑星は意思を持った海に表面を覆われていた。心理学者ケルヴィンは、惑星の謎を解明するべく派遣されたのだが……。人間を超える知性とのコンタクトは可能なのか? 連載中から絶賛の声続々! 人気作家が傑作古典を余すことなくコミック化
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Posted by ブクログ
意思を持つような持たないような、生命のような、そうでないような、人間の理解を寄せつけないソラリスの海。さまざまな構造物を生み出す、粘度の高そうなその海が、コミックでは濃密に描かれる。それに対して人間は、淡々とした、あっけないほどの線描。あくまでもソラリスの海が主役だということなのかもしれないなあと感じる。
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原作から主人公の過去の記憶とそれに関する体験にフォーカスしてコミカライズした一冊。SFと文学の持つ人間の主観的体験が溶け合ったエッセンスが体験できた。
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下巻では、引き続き酉島伝法タッチのキャラクターが随所に出現する。3人の乗組員はそれぞれ秘密を隠しながら照射実験の打ち合わせを続ける。一方、形成物であるハリーは、人間と紛うことなき心を持つようになり絶望感で液体酸素自殺未遂まで起こすことで自分の正体を知ることになる。そしてスナウトによりハリーは消え去ってしまう。コミックスのラストシーンは少し中途半端。何かのメッセージを以って締め括って欲しかった。原作に忠実という意図は理解できるが、少しぐらい自由度を上げても良いのではなかろうか。p149~p153の空白、要りますか?
今回あらためて、1961年に書かれた「ソラリスの陽のもとに」、1972年に映画化された「惑星ソラリス」を思い起こし、質の高い作品は今後も読み継がれ語り継がれるものなのだろうと朧気に感じ取っている。今後50年、いや100年200年も生き続けるSF作品となることは疑う余地もない。この様な普遍的な作品を創り出してくれたレムにはいくら感謝しても感謝しきれない。ありがとうございました。