あらすじ
ソラリス──この静謐なる惑星は意思を持った海に表面を覆われていた。心理学者ケルヴィンは、惑星の謎を解明するべく派遣されたのだが……。人間を超える知性とのコンタクトは可能なのか? 連載中から絶賛の声続々! 人気作家が傑作古典を余すことなくコミック化
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Posted by ブクログ
原作とともに読み終わりました。(上下巻の感想として)
タルコフスキーやソダーバーグの映画とも違う、1番原作通りの内容だと思いました。
描き込みの少ない画風で、原作にも通じる静かな心理描写がうまく表現出来てると感じました。
ただ「風の谷のナウシカ」や「AKIRA」世代の自分にとっては、精密で描き込みの多いメビウスの様な画風をやっぱり期待してしまう。
でも久しぶりに漫画の新刊を買って良かったと思った作品でした。
Posted by ブクログ
本編を読んでいないのだけど、そういう意味では導入になりそうな気も。
読みかけの本をあれこれ読みおえたらチャレンジしてみようかなという気にさせられた。
SFセミナー(2025/5/4)の講演で、森泉さん、ハヤカワの編集の人に「うちのラインナップで何かコミカライズしたい作品はありませんか」と聞かれて「ソラリスやりたいです」と答えたら「ええっ?!」とのけぞられたという話をしてた(笑)。たしかにすごいチャレンジだけど、作画にとりかかるまえに物語全体をまとめて視覚的なメモをつくったときの作業を画像で紹介してくれていて、それを終えた段階で7割ぐらいは描きあがったも同然、というのがまたすごかった。
Posted by ブクログ
SFマガジンに本作品の第1話(冒頭部分?)が掲載された時に、このコミックスが今後連載されるのかと思ったが、そうはならなかった。少々残念な気持ちのままその時は諦めたが、今回単行本2冊という形態をとって出版された。最初はネットでしか見られないという先入観もあったので、この快挙に(大げさかな)年甲斐もなく興奮してしまった。書店でも結構な冊数が出ていたので、販売元もかなり気合が入っているのではないだろうか。
ソラリスというと真っ先に思い浮かぶのは映画「惑星ソラリス」。タルコフスキー監督によるこの作品は今までに何回も観てきた。ストーリーが解っていても何回観ても飽きない。未来の交通網「首都高」、驚きのラストシーン、そして妻のハリー(ナタリヤ・ボンダルチュク)に当時かなり憧れていた。そのため、映画とコミックスとをどうしても比較しまいがちになる。まず、ソラリスの表面に時々生成する「形成物」は、いつもSFマガジンの最終ページを飾る酉島伝法の「幻視百景」の不気味なイラストに酷似している。ハリーのキャラクターも映画のナタリヤとはかなりイメージに開きがある。
ソラリス・ステーション(映画では宇宙ステーション「プロメテウス」)に出現する幻影についてはいろいろな解釈がなされている。ただ、全ての現象を人間が作り出す学問・説で説明することは不可能な様だ。まさに人知を超える生命体である。残念ながらまだこの世界ではシンギュラリティには至っていない。仮に至っていたとしても、そもそも解明できないものなのかもしれない。
ケルヴィンとハリーとの愛が静かに燃え上がったところで下巻に続く、