酒井隆史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレやっと読み終わった、という感じ。だが、それに見合う本だった。世界の見方を変えてくれる本というのはそうそうあるものではないが、本書は自分にとってまさにそういった本の一つとなった。多分、何度か読み返してそのたびに考察のヒントを与えてくれそうな予感がする。
一般に流布している人類史の見方として、1 人間集団はその規模を拡大するにつれて複雑化するため、やがて集団を制御するための非生産階層が必要となり、その階層が集団を支配するようになる。2 規模の拡大につれて支配層が分厚くなり、ヒエラルキーの度合いが増大する。3 農業などのテクノロジーにより、規模拡大が加速し、ヒエラルキー形成が加速する、といった -
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若干冗長に感じたところはあるけど、面白かった。特に最後の何章かがとても面白かった。
世の中のあり方に対する著者の姿勢に心を動かされた。
結局のところ、この本で一番私がグッと来たのは、意思の発露みたいなものだ。アナーキストっていうのはこういうことなのかなと。
本を読む楽しみというのはそういうことにある気がする。
ずっと、カタカナの何とかコンサルタントみたいな人がこんなに増えていて、しかも現場に対する意見が異常に抽象的で、人がわからないような英語が多く、ケアリングの場所においては何の役にも立っていないにも関わらずコンサルタントとして入ってきては結果を出せ結果をだせ(そして、ケアリングワークをして -
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ブルシット・ジョブそのものを読んでないのだが(価格で二の足を踏んでいた)、その概要がとてもわかり易く説明されていた。
全く関係ないのだが、この概念の理解と共感にとても役に立った概念が『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日記』の「人間病」と称された概念で、なんというか、学びというのはリレーショナルなんだなと改めて思った。
過剰な自律であり、分不相応な自己抑制であり、良く在ろうとするご気分と、良く在るべきだという社会的な同調圧が、ブルシット・ジョブを生んでいる。
そこで語られる「良さ」が本当に「良さ」なのか、誰も議論されず、誰からも疑われぬままに。
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考古学者と人類学者の共著のビッグヒストリー系なんだけど、ハラリやダイアモンドが前提としていることを否定する。
ビッグヒストリーを書いてきた思想家はルソーとホッブズとの考えの間を行ったり来たりしてきたが、どちらも真実ではない。古代の人や未開の人は我々が思っているような未熟な人ではなく我々と同様に思索する人々だった。アメリカ先住民は西洋を批判していて、ヨーロッパ人は彼らから多くのことを学んでいた。社会的不平等に起源があると考えるが、それは農耕によって不可避的にもたらされたものではない。本当に問題にすべきは社会的不平等の起源が何かではなく、どうして閉塞したかにある。人類はそれまで様々な社会組織の間を -
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本文だけで二段組約600頁の大著、しかもその内容が帯によれば、「考古学、人類学の画期的研究成果に基づく新・真・世界史!」というのだから凄い。
人類史20万年で分かっていることはごくわずか。しかし現実にはルソーの『人間不平等起源論』かホッブスの『リヴァイアサン』で示された発想の二者択一で、それをアップデートしたものが語られているに過ぎないと著者たちは言う。例えば、農耕の発明により「バンド」から「部族」へ、さらに「首長制」→国家へであったり、狩猟採集、牧畜、農業、工業といった生産様式の変化などなど。ベストセラーらとなったビッグ・ヒストリーの著者たち(自分も大変面白く読んだ)、ハラリ、ダイアモン -
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斎藤幸平の『人新世の資本論』でこの本を知り、手に取った。はじめはブルシット・ジョブとは誰の役にも立たない仕事や資本主義を成立させるために作られた(例えば広告代理店のような)仕事のことかと思っていたが、そうではない。役に立たないとわかっているのになぜかなくならない仕事のことだった。
私の周りではブラックな仕事の話を聞いてはいたが、その反対にこのような内容の伴わない仕事があるのかと暗然とした。
その対極としてあるのがケアワークである。教員の仕事がブラックであることは昨今知られていることであるが、このブラックさは政治によって作られたものであり、ケアワークをブルシット化することが政治的に進められた結果 -
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ブルシット・ジョブ論の紹介で知られる酒井隆史さんの評論集。様々な話題が扱われるが、柱となるのは、「ポピュリズム批判」批判だ。つまり、本来ポピュリズムには、知と権力とが結びついた、エリート主義への批判という意味があった。これを単に「反知性主義」と批判するだけでは、結局はやエリートによる支配を肯定してしまい、現状肯定で終わってしまう、と。
とはいえ、ポピュリズムは結局、ヒーロー待望論で終わってしまうなどの問題がある。なので筆者は、民主主義を深化させるしかない、と結論付ける。
となると、なかなか難しそうだが、その手掛かりはいくつかあるとのこと。たとえば、2015年の大阪都構想住民投票。あの時、大 -
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朝の通勤電車は今日も人であふれる。眠そうな顔、スマートフォンを見つめる目、資料に赤を入れる手。皆、どこかへ向かい、何かを支えているように見える。だが、その仕事は本当に社会に必要なのだろうか、とふと思うことがある。
人類学者 (デビッド・グレーバー)は著書『(ブルシット・ジョブ)』で、働く本人でさえ「なくても誰も困らない」と感じる仕事が少なくないと指摘した。機械化が進めば労働時間は減り、人はもっと自由になる――そんな未来予想図は外れた。むしろ会議のための会議、報告のための報告が増えた。
忙しさは、しばしば充実と混同される。だが、埋まった予定表が人生の豊かさを保証するわけではない。働くことが -
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働いていることが善、働くことでお金を稼いでいることが善という認識がこびりついているため、いくら機械やAIに仕事が奪われても人間は何らかの仕事をしないといけない、そのためにブルシットジョブ(意味のない仕事)が生み出されているのだという話。
お金がないと生きられない、働く以外にお金を稼ぐ方法がないことが全ての問題ですね。ただ、私は上手くブルシットジョブを掴めた人に羨ましいの感情以外ない。「ブルシットジョブをしている人はリアルジョブをしている人を羨ましいと思っている」というような記述が何度も出てきたが、「でも俺にはあれはできない」と思ってる人も同じくらい多いと思う。
労働とお金を稼ぐことが同じ意味で -
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一見すると流行りの新書本のようなタイトルだが、その中身は、しっかりとした経済学・社会学の論考である。中盤、ネオリベラリズムとの関係に及ぶと専門性は増していくが、一つ一つ丁寧に読み解いていけば、その大まかな趣旨は理解することができる。
経済学者ケインズ曰く、
「20世紀末までに、イギリスやアメリカのような国々では、テクノロジーの進歩によって週15時間労働が達成される」。
しかし、現実はそうはならなかった。
ほとんどの産業では供給が需要をはるかに上回っていて、それゆえ、需要が人工的につくりだされる。その歪みの中には、多くの「ブルシット・ジョブ」が存在している。
また、たとえ大半が不必要な -
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