酒井隆史のレビュー一覧
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ブルシット・ジョブ=クソどうでもよい仕事が増えている。交通違反を待ち構える警官、スキャンダルを大問題として長々と扱うマスコミ、申込書に押されたハンコが本人のものか印鑑証明書で確認する銀行、、ちょっと見渡しただけで失くなっても何の影響もない、むしろ有害にすらなっている仕事が溢れている。
問題なのは、エッセンシャルワークと呼ばれる現場に近いブルーカラーの仕事(=シット・ジョブ)の給与水準が低く、長々と結論の出ない会議や書類を作成する作業に時間を費やすホワイトカラーの方が経済的に恵まれていることだ。当然、現場の方がやりがいを感じられる一方で搾取のような構造が常態化している異常な社会なのだ。
個人 -
Posted by ブクログ
飛ばし読みで読んだ
世の中にどれほどブルシットジョブ(クソどうでも良い仕事)が溢れているか、みたいな内容がほとんどで自分が読みたかった解決策に関してはほとんど書かれていなかった。最後にベーシックインカムについてちょろっと書かれてただけ。
解決策は世の中からブルシットジョブを無くして、雇用を失った大量の人にどのような対応をさせるかが肝なんだろうな。
世の中には必要のない仕事が溢れている。理論的には労働時間短くなっているはずなのに必要のない仕事がその分増えているから今だに人々は8時間働いてるとのこと。ホントかわからんけど。
ベーシックインカム以前に、1日4時間労働・週休3日で働けます!みたいな求人 -
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Posted by ブクログ
ブルシット・ジョブという問題提起は随分前から気になっていたが、原文のグレーバーのものは量も凄いし、価格も高いので放置してきたが、訳者の一人が安価な入門書的な本書を出してくれたのでとりあえず読んでみた。
正直、ブルシット・ジョブは社会人なら薄々は気づいていた問題意識である。なんか「⚫︎⚫︎マネージャー」という肩書きの人多いなとか、何しているかよくわからない総務人員多すぎないかとか、「コーポレート部門」とかよく分からない横文字の部署あるなとか…それを言語化して掘り下げた点は素晴らしい。ただ、読み終わって思ったのは、結局、資本主義社会でもある以上、ブルシット・ジョブはなくならないよねってこと。
グレ -
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Posted by ブクログ
個人の自由・個人の主権を守るために私有財産は認められる。▼各個人の自由意志に基づく結合はよいが、国家という形での結合はだめ。▼全人類の利益に対する道徳的義務が正義を形作る。正義の判定は政府ではなく、自立した個人が判断する。自然権は個人の恣意を正当化するもので社会規範にはならない。ウィリアム・ゴドウィンGodwin『政治的正義』1793
所有すること(私有財産を持つこと)は他人から盗むことだ。個人の自由は財産の共有によりもたらされるのであり、私有財産は認められない。▼自律的な個人は多種多様なものを生産する。生産したものを自由に交換し合う。個人は小さな諸集団に組織され、小さな諸集団同士が連合する -
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Posted by ブクログ
「暴力はいけない」というだけでは無力であり、暴力に対抗するための「批判」の必要性を説くとともに、現代世界においてさまざまな局面で生じている暴力からの逃走線をえがきだす試みです。
著者は、キング牧師やマルコムX、フランツ・ファノンらの仕事をとりあげながら、「暴力はいけない」というナイーヴな立場を乗り越えて、暴力のメカニズムそのものを暴き出すいくつかの視点を提示します。さらに、暴力の背景にある人びとの恐怖や、暴力と権力、メディア、国家の関係について、カール・シュミットやポール・ヴィリリオらの思想を引き合いに出しながら考察を展開しています。
体系的な「暴力の哲学」が語られているわけではなく、暴力 -
Posted by ブクログ
ネグリ&ハート「<帝国>」の翻訳者であり、社会思想の研究者である著者が、2001年の米国同時多発テロを契機として、肥大化する暴力の連鎖を断ち切るためのアイディアを、アレントやフーコー、ヴィリリオといった社会思想家や、アメリカのキング牧師、マルコムXらの活動をベースにまとめた一冊。
多様な議論が収められた本書のエッセンスをなかなか簡潔にまとめるのは難しいものの、要約するなら、以下のような流れになるだろうか。
・暴力に対して「暴力はいけない」と非暴力の言説で応じることはかえって、暴力の無感覚化を促進する
・権力による暴力の行使は、ある暴力に対する「対抗暴力」として現れる。この傾向は前述